見出し画像

文学コンテスト主催者様に捧ぐ

「イルカとウマの文学村」というサイトを運営するおふたりが、5月末まで「百文字小説大賞」を募集されておりました。

決められたフォーマットに入力してメールで送信する形式でしたが、応募総数はなんと86作品!
下のリンクからは最終選考以外の作品を読むことができます。

そして最終選考会の模様は音声で聴くことができます。
リアルタイム配信よりも音声ファイルとして上げていただけると、自分の好きなタイミングで聴くことができるからいいですよね。もう一度聴きたいところを巻き戻したりして聴けるし。(巻き戻しって最近言わない…)

最終選考10作品について素晴らしい小説の数々に聴きながら唸ったり、ああそういう意味だったのかと理解をしたり、何よりお二人が楽しみながら選んでいる姿が目に浮かぶようでよかったです。

今回の選考方法として、初めにすべての作品の作者名をイルカさんご自身でもわからないようにハガキに印刷をし、シャッフルをしてから読み、10作品を決めてから最終選考会でシマウマさんに決めていただく、という形式を取られていました。

私が今回のコンテストで素晴らしいと感じた一点目は「作者の匿名性を守っている点」にあります。

このような私設賞ですと、多かれ少なかれ知人、友人には採点が甘くなりがちです。(反対に知っているからこそ厳しくなるかも…?)
もし私が主催者側に立ち、作家の名前を知ってしまったら、ほんのすこぉし、甘くなってしまう気がするのです。

イルカさんが取った方式で匿名性を高くし、また作品の応募順も審査のプラス要因に含めない点がコンテストの公平性を高めていると感じました。

続いて2次選考までの方法も「イルカとウマの文学村」で公表しています。
このように選考方法が記載されていると、なぜ自分の作品が落ちたのか、作品に足りなかったことは何なのか。ということをある程度は理解することができます。


これまで私設賞の発表が終わった後に落選や批評に関するネガティブな意見をネットで拝見することがしばしばありました。
応募者側のネガティブ感情を生み出す理由の一つとして、「どのように選考したか」を主催者側が明記していなかったのではないかと感じました。

コンテストと作品とのミスマッチの理由が理解できれば「じゃあコンテストで求められている作品と私の作品とでは趣向が違う」と腑に落ち、ネガティブな感情も湧きにくくなるのではないでしょうか。
※このセンテンスは応募者様や他のコンテスト主催者様への批判ではありません。

上記のイルカさんの選考日記を読むとわかることなのですが、彼はかなり何度何度も作品に目を通されて、ランク分けをしています。

コンテスト応募者のあるあるに「ねえ、私の作品何回読んでくれたの?ぱっと目を通して『意味わかんねー』って言って破棄してない?ちゃんと理解した?」的な意見があります。

イルカさんの選考日記からはひとつひとつ丁寧に読み、ラジオでもお話していましたが、謎が多く残る作品も何度も読んだとおっしゃっております。

彼のこの丁寧で真摯な対応こそ、応募者が求めていることのひとつなのではないでしょうか。
ただの主観でしたら謝ります。
でも、私を含めた応募者は「多くの時間をかけて創作した作品を大切に扱ってほしい」と多かれ少なかれ思っているはずです。

私設賞というのは主催者側としては意外と諸刃なものです。丁寧に対応すればさらなるファン増加も見込めますし、思いもよらない刃で辻斬りにあう可能性も秘めていると私は考えています。

そういった点も考慮して、イルカさんの2次選考は本当に素晴らしいものだと感じております。

そして選ばれた10作品がこちらです。

ラジオでイルカさんがお話している中で印象に残った言葉は

「百文字小説だから、ショートショートじゃなくて小説として書いたものが良い」

「言わなくてもわかることは書かなくてよい。余計な一言を書かなくていい」

等々です。

音声ファイルでは「情景だけで読ませる」作品も求められていたことを知りました。そして「小説とは何か」という大きなテーマへと話が進んでいきます。

また最終選考委員長はシマウマさんですが、イルカさんとシマウマさんで全く反対の意見が出たりと、選考の醍醐味を音声で伺うことができます。やはり、選考する人が増えるたびに好みもあるため決定が難しくなっていくのでしょう。

アイデアの良さや技術的に優れた作品だけでは優勝できない。コンテストの趣旨と審査員の好みの三位一体となって初めていちばんになれるのかもしれません。

さて最後に私の作品についてですが、9作品投稿させていただきました。
結果は2次通過が2作品と、2位入賞でした。ありがとうございます。
2位入賞作品がこちらです。

リプ太郎



私はこれまで「百文字小説大賞」の陰ながらの自称広報としてこそこそ活動しておりました(非公認)し、おふたりとは面識もあるので絶対優勝はないし、優勝したらぜったいダメなヤツだと思っておりました。(だってやらせみたいで一気につまんなくなるから)
だからこそ気楽にダメ元でたくさん投稿できた、という点もあります。
(むしろ最多応募賞を狙っていました笑)

そのあたりはお二人も気持ちが通じていたのかラジオを聴きながら、「優勝させたら出来レースみたい」とおっしゃったとき、そうそうそうなんですよ…!とうんうん頷いておりました。

そうはいっても2位入賞は嬉しいです。
賞品のアマゾンギフト券1000円分で、今回の記念になるようなものを買わせていただきます。改めて、ありがとうございます。
(ちなみに私がめっちゃシマウマさん寄りに作った作品はバッサリ切られたそうです笑。イルカさんグッジョブです。マックのチキンナゲットソースの話。)

また、皆さんがご応募された百文字小説の読者投票コーナーもあります。
7月末までどなたでも投票可能だそうです。読者投票でどんでん返しがあったら楽しいですねー!


今回この記事を書いたのは、今後私設賞を企画される方にイルカさんの選考方法が非常に参考になると考えたためです。
こんなに応募者のことを考えてくれている選考者はなかなかいないと思います。
通常ではなかなかできないことのオンパレードなんです。

(注:これまでの主催者様を悪く言う意図はまったくございませんので何卒ご了承くださいませ。)


みんなでたのしく、仲良く、わくわくできるコンテストにこれからたくさん出会えることを祈って。


#百文字小説 #コンテスト主催 #コンテスト #私設賞




この記事が参加している募集

すごい選手がいるんです

頂いたサポートはやすたにの血となり肉となるでしょう🍖( ‘༥’ )ŧ‹”ŧ‹”