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エッセイ

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2020年4月の記事一覧

かきくけ かすみ虹色

かきくけ かすみ虹色

昨日と今日とで人の心はこうも違う気持ちになるものか。

全部が少しずついまいちだった今日。
そのくせ神経過敏になっているなあ、と。わたしが鬼太郎だったら髪の毛が逆立ってるかもなあと思いつつ、いつも通り騙し騙しゆく。父さん妖気がバリサンです。

昼に買ったスーパーの焼きそばが脂テカテカで、免罪符のように自販機で買ったトマトジュースをあおった。これできっと余計な脂とかプラマイゼロだ。

仕事が終わり、

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Playing Catch

Playing Catch

鬱々としていた時期がありました。毎日死ぬか生きるかを悩み、来る日も同じことを繰り返し考え、答えが一向に出ずに浮上することができなかった二十歳そこそこのわたしがそこにいました。

わたしは価値のない人間だと思っていました。今すぐに消えたいと思っていました。でもその消える方法がいくら考えてもうまく想像することができませんでした。手っ取り早い方法を想像すると震えました。わたしの頭の中は矛盾が錯綜していま

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ひとりでいることも、ふたりでいることも

ひとりでいることも、ふたりでいることも

ひとりでいることが好きです。

くだらないことを想像しながら文章を書いたり絵を描いたり、何かに没頭したり、自分自身と対話をしたり。誰にも邪魔されない時間がわたしには絶対に必要なのです。
ひとりでいるときに孤独は感じません。それはほんとうの独りではないから言えることかもしれません。家に帰れば家族がいて、十年来の友だちもいます。
それを踏まえて改めて。ひとりで過ごすことは寂しいことではありません。

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桜ジンクス

ある春の日、大学の庭でわたしたちは桜の木を見上げた。

野暮ったい女子大学生のわたしたちは、両手を上に挙げてそれぞれに構え立った。鼻息は荒い。

ふいにやわい風が吹いて、白い花びらがまばらに舞う。ダサい格好をした私たちは必死になって花びらを両手でキャッチしようとした。

「花びらを両手でキャッチできたら彼氏ができるよ」

なんの根拠もないジンクスを信じて、ブスの総動員のようなわたしたちは懸命だった

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