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短歌・詩

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2019年11月の記事一覧

【詩】静かの海

ずっと昔の姿も知りたくて
空億光年離れたとこで
君の光みとどける
10を23乗した数の分だけ
散らばった静けさをひとまとめ
1天文単位=孤独な単位
独り言しか話さない人を何人集めても
濃度の濃い孤独の粒が
口の中から入り込んでゆくだけ

「上野が好き」と安易に唄う学生は
きっと年齢に似合わない苦労をせず
真の道を歩いてきた人
上野の道をまっすぐ歩ける人は
真の道を歩いてきた人
そうやって幸せになっ

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北国こぼれる

偉大な光につつまれて
ぼんやりとした憂鬱が
なんとなく美しいもののような雰囲気で
照らし出されている

冬なのに木々が芽吹いている
枯れない木々に吹雪いている
寒くないの寒いの寒くしてるの寒さが嫌いじゃないの
ふと死にそうなときにだけあらわれる幼児が
微笑み北国へ帰ってゆく

駅から帰ってゆく人たちが
本当にお家を持っているかなんて
数えようがないよ

もっと遠くのどこか
家がないから歩いてるだけ

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敬称略の形で

11月はもうずっとあと
二十四節気が3周したころ
メリーゴーランドで
できるだけ丁寧に運ばれてきた出会い

なんの意味も持たず
ただキラキラしているだけのもの
価値を計れないから価値があるのだと
信じたいと思えば信じられる
純粋な気持ちで生きていた

後回しにされる気の毒が
雪になって落ちるころ
何度目かの一人ぼっちで
楽になれたね
寂しさから生まれる強い芯が出てきた

敬称略のまま仲良くしてくだ

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正しくない生きやすさ

街の明かりから離れて
暮らしやすい場所で生きてきた
希望の雨はもう降らないと
温暖化された森林に告げられた

なのに
僕はこんなにも生きやすい

淘汰されてしぼんでゆくのが常の地球で
こんなにも生きやすいのは
生まれ持った才能と
幸運な努力のおかげだと思った

強くて厳かな人を見てきづいた
僕は
見なくちゃいけないものを見ずに
知らんぷりを重ねてきたから
森林の声が聞こえなくなっていた

みんなの

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自分が生きやすいのは、誰かから搾取したり、何かを奪ったり傷つけたりする側の人間だからかもしれない。自分の生きやすさは正しくない生きやすさなのかもしれない

【詩】少し汚いの味

美味しいは単純
幸せな家族は単純
ひとつの答えと
付随するやわらかな愛情
お金がきちんと咲いてくれる花を
幼い頃から育ててきました

ぐずって帰った家も綺麗か
何層にもなる守り神が待機してくれるんだね

さてわたしは
なまぬるい孤独を好んで生きてきました
心臓に届くわけでもない
やわらかく刺してくる
感じる意味すら無さそうな
なまぬるい孤独を
大人になっても感じてきました

意味のない気持ち、何も

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人柄煮込むから甘くなる

人柄で誤魔化る薄味は
もともと世界に必要なかった味だよ
再現しても無駄
あることがいけない世界線で
3mの転落事故で死ぬわけないでしょと
疑い始める聴衆の輪郭

時代がひとつかわった
あなたの知らない時代がやってきた
ね、何が変わって何が変わってないのか
思い出せないから教えてよ

陽気な音楽はいつでも必要なかった
一度も必要なかったものが
生活を取り囲んでいる
冒険したがるお坊っちゃまは所詮

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でもここ東京じゃないよ山梨だよ

道端でしない方がいいよ
隠してほら価値は隠して
空から運んで隠してそして密輸しよう

気持ちも隠して表に出さないで
LINEを使って密輸しよう

誰かに見つかったら
すごく悲しくてでも
すごく興奮するね
だってここ東京じゃないよもう
山梨まで来ちゃったよ
逃げてるから大丈夫だよ
ここ東京じゃないよもう山梨だよ

余計に寒いから目が澄んでいる
どんどん綺麗になって
東京に帰っちゃダメだよ
ここ山梨だ

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平和が一番って思えない

平和が一番っておもえるのは
平和でも退屈しない
お金持ちだけ

平和は暇だ
平和に耐えるだけの
心の持久力がない
飽きちゃうそう飽きちゃうから
何か争いでもいいよ
生きてる動きがほしい

寒いくらいじゃ足りない
一人にさせてほしい
身体の芯から孤独にならなきゃ
心のありかが分からない

幸せ目指すひとばかりじゃない
僕は
心のありかを探してる
思いっきり傷つけてやらなきゃ
声をあげてくれない
なん

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立冬の詩

逆らえない浮かんでいる
文字を読む
僕には見える

悲しいときだけ見える景色が
文字が色が
雰囲気が匂いが
僕はとても好きだった

それは幼い頃からずっと

悲しいときだけ見える景色
匂いがすごく好きだった
そのときしか会えない天使

悲しいときだけ会える天使がいた
笑ってるときは見えない
誰かといるときも見えない

一人ぼっちで泣いてるときだけ会える天使がいた
会える頻度は減ってって
いつの間に

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ものの価値を知ってるのは
お金持ちとは限らない

可愛い人
僕が見つけた可愛い人を誰にも見せずにただ
僕の掌の
いちばんあたたかいところで
くつろいでいてほしい
だけの世界で
死ぬまでの一瞬
一瞬だから君とがいい

生まれた星には逆らえない

今持ってる幸せ
すべて捨てたら
どれだけ気持ちいいかな

安心してみたかった
幸せ認めてみたかった
いつか慣れると思ってた
でもどうやら
僕には馴染まない色だった

幸せと名付けられた生活と
僕の心は
いつも分離していた

馴染むはずだと
まわりのみんなは言うけれど
薄々気づき始める
馴染むことはないんだと

さらに時を待つ
いつかといずれを積み重ね
戻れるか
戻れないか
瀬戸際まで走ってきてしま

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【詩】スタンダードな孤独

【詩】スタンダードな孤独

誰も僕に興味を持たないこの世界で

歪なままで生きようとしている

もっと楽になれるはずだ

もっと普通になれるはずだ

確かにそうだけど

今は受け取りたくない事まみれ

地上で旅をする一次元の大学生

無料で国を渡る二次元の鳥

羨ましくなんてないから

僕は三次元

一人で宇宙旅行をする

卒業宇宙旅行

人生卒業宇宙旅行

寒くない

怖くない

これは人生卒業宇宙旅行

「宇宙を旅行でき

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【詩】あたたかい場所

【詩】あたたかい場所

戸籍上は大切にされてきたけれど

ふとした瞬間

プツンと糸は切れる

「探さないでください」と

どこかで見た置き手紙

安易に置いて駆けてきた

駆けてきた

駆けてきた

あたたかい場所は

どこにもないから

心の中に住み始めた

皮膚が冷えても

寒さを感じないのは

ありあまった愛を

受け取れる人になれたから

甘い匂いを嗅がせてくる人

喜ぶフリする僕

本当は匂いなんて感じないけ

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