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2023-24 B.LEAGUEクラブライセンス第2回判定結果について。クラブの健全性と成長性のバランスを重視して将来構想を推進していきます。

昨日、理事会があり、3月から継続審議となっていたクラブのライセンス判定の最終決議を行い、決定事項について発表をさせていただきました。

アルバルク東京(以下、A東京)のみ、施設基準、他は財務基準の課題となっていました。基本的にクラブが望む決定に至ることが出来たと思います。A東京については、代々木第一・第二の合わせ技で8割確保ということを確約できたことで承認されました。新設アリーナの建設予定がある場合でも3000人以上収容の代替アリーナを8割確保するというあるべき理想を他クラブに対しても指導してきましたので、ここの8割がネックでした。

今回は、コロナによるイベント中止が続いていた反動による需要増で当初予定していた代々木第一単独での8割確保が叶わなかったのですが、震災時など、不可抗力の事態が発生した場合の対処ルールを適用し、理事会で慎重に議論した上で決定しています。

メディアブリーフィング後に、いくつか記事がアップされていますが、バスケットボールキングの記事を紹介しますので詳しく理解したい場合は、ご確認ください。

非常に気になっているのは、このA東京の施設基準のことよりも財務基準で苦しんでいたクラブです。B.LEAGUEの決算発表時に公開されることなので事実をお伝えすると、オーナー側の多大なるご支援の決断によりライセンスを確保できたクラブが複数ありました。数年間、コロナの影響があった中で財務基準を充足しなければならないというタイミングでもありましたので難しい状況でした。

このライセンス制度というルールがあるから、リーグ主導で経営規律を保てることは事実ですが、最終的にクラブの損出に責任を追うのはオーナーです。これは責任企業としての責務とは言え、可能な限りオーナーが大きなご支援で解決しなければならないような状況を作らないようにしていかなければならないと痛感しています。

大きな損失が出るというのは、収入を費用が大幅に上回るというシンプルなものです。収入見込みが甘い、と言えばそれまでですが、降格を避けたい、下位クラブだと選手獲得費用も高くなります。集客もしなければならないので事業投資も必要です。

積み上がった費用、これを上回る収入を得ることができない。この幅が見込みのズレのレベルに応じて跳ね返ってきてしまいます。

もちろん、戦略的に経営側とオーナー側で合意した上で、今シーズンは攻めると決めて大幅な赤字も覚悟の上など、意図するものがあるのであれば良いのですが、そうでないない場合は、なかなか辛いのです。一般企業でいうところの目標設定、予算管理の精度にあたるところだと思います。

スポーツ、勝てないと、、、は1000%理解していますが、支出からの経営ではなく、収入からコントロールする経営をしないと歯止めをかけることは難しいと思っています。B.LEAGUEの成長、コート上の競争が激化する中で、クラブ間の経営力の格差が生まれていることも影響しているかもしれません。

このような状況下で、昇降格があることで実力値以上に投資してしまうことがないよう変えていく仕組みがまさに将来構想の大前提となります。昇降格制度を廃止し、経営力によりカテゴリーを分けるというものです。健全経営を行い、持続性があること、成長したタイミングで無理なく上も狙える仕組みです。

リーグ経営にとって大切なことは、クラブの健全性と成長性のバランスをコントロールすることだと思っています。将来構想とは、このバランスを整える改革ですファンや選手をはじめ多くのステークホルダーの皆さまにとって究極に大切なことは、クラブを無くさないことだと考えています。

この大前提に立ち、スポーツ界全体の課題である誰かが過度な負担(オーナー、薄給で頑張るフロントスタッフ…)をしなければ成り立たない構造を段階的に軌道修正していくことが大切だと思っています。健全性と成長性のあるB.LEAGUEを目指していきます。

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