どんなときでも、最後にスポーツを支えてくれるのはファンの力です。
新型感染症(新型コロナウイルス・COVID-19)の流行による影響で、Bリーグをはじめとしたスポーツ興行は中止・中断を余儀なくされています。はやくファンのみなさまと喜びを分かち合いたいという気持ちは日々大きくなるばかりで、それは選手・スタッフ・関係者みんな同じはずです。
とはいえ、現実的に感染症の流行がすぐおさまる可能性は高くない。となれば、クラブは現実的に目の前に迫る減収という危機と向き合わなくてはいけません。
日本のみならず、世界全体で大きな問題となっている新型感染症の流行。日に日に事態の深刻さが浮き彫りになっていく中で、どんな立場の方々も大変な状況かと思います。今回のnoteでは、あくまでもスポーツクラブ経営という観点で語らせていただきます。
長期間に渡る経済への打撃は不可避
新型感染症流行による日本経済への打撃は、リーマン・ショック並とも東日本大震災並とも言われています。大きなダメージを受ける企業も多く出てくるでしょう。そうなれば当然、スポーツ協賛の優先順位は下がってしまいます。
企業が存続を図るため、スポンサードを打ち切る。今シーズンまでは協賛するけど、来シーズンは離れる。そういった事態が起こることが予想されます。
それは企業として当然の判断であり、誰が悪いわけでもありません。しかし、もし2シーズン後スポンサーとして戻ってきてもらえるとしても、離れてしまうその1シーズンのダメージが大きいのです。今季よりも、むしろ来季以降に備えなければいけない状況です。
千葉ジェッツはホームページでIR情報を公開していますので、数字を見ながらシミュレートしてみましょう。
約17億6千万円の総売上高のうち、46.5%である約7億7千万円がパートナー(スポンサー)売上高です。もし仮に2割のパートナーが撤退するとなれば、1億5千万円以上の減収となり、約1億円あった利益はすべて吹き飛び、赤字転落となります。
チケット売上・グッズ売上なども減収となれば、さらに厳しい状況となります。ジェッツは毎年右肩上がりに売上高を伸ばしてきました。仮に減収減益となれば、さまざまな部分でこれまでとは違ったクラブ運営が求められる可能性があります。
Bクラブでもトップクラスの企業体力を持つジェッツでさえ、非常に大きな危機感を持っているわけです。
もちろんそのような事態に陥らないため、クラブとして全力を尽くしているところです。Bリーグもクラブ支援策を準備しており、バスケ界が一丸となりこの危機を乗り切ろうという動きは加速しています。
そして、「自分も何かしたい」と思っていらっしゃるファンのみなさまにも、できることはたくさんあります。
"スポンサー企業を意識した消費行動"はクラブを救う
先日、このようなツイートをしました。
バスケ界のみならず他のスポーツの選手、クラブ、球団等を支えるスポンサーをこういう形でファンの皆様が少しでも意識して消費行動に移していただくだけでも贔屓選手、クラブ、球団等の間接的な支援に繋がるかと。厳しい経済情勢の中でも継続支援に繋がることで私達はファンの皆様のために存続できる。
ファンのみなさまの存在を最も感じるのは、やはり試合中の歓声です。満員のアリーナで、一体となって選手の後押しをいただくあの迫力。応援する側のファンのみなさまも、計り知れない高揚感を感じていらっしゃると思います。
しかし、今だからこそ、できることがあります。それが応援しているクラブのスポンサー様への支援・応援です。
例えば、ジェッツのスポンサーであるサッポロビールを飲む。
アンダーアーマーのスポーツウェアを買って、ジョギングしてみる。
コカ・コーラを、コクボのロックアイスでキンキンに冷やして、ニチレイのミートボールと一緒にいただく。
喉の調子が良くないなと思ったら、浅田飴をなめてケアする。
ファンのみなさまに、"応援しているクラブのスポンサーだから"という理由で消費行動を行ってもらうことは、みなさまが思っている以上にクラブの後押しとなります。
上に「スポーツ協賛の優先順位が下がってしまいます」と書きましたが、極端な話、
スポンサードすることで増える利益>スポンサー料
となれば、スポンサードを続けることに何の問題もなくなるわけです。それを示していただくには、ファンのみなさまの消費行動は最もわかりやすい指標となります。
ファン←→スポンサー←→クラブ←→ファンの関係性
そして、その消費行動を何らかの形で表明してもらうことがさらに大きな力を生み出します。
to B向けの企業など、ファンのみなさまが直接消費行動をするのが難しいスポンサー企業も多く存在しますが、「あのクラブは、スポンサーのことまで考えてくれる素晴らしいファンがいるクラブだ」ということになれば、そのエネルギーは必ず伝わります。ビジネスとしてのスポンサードなのはもちろんですが、ファンのみなさまと同じく熱い気持ちを持っているスポンサー様もたくさんいらっしゃいますから。
Jリーグのサポーターの中ではすでに、スポンサー企業を応援しようというムーブメントが起こっています。ハッシュタグを使って数百ものツイートがされており、相当ポジティブなエネルギーが発生していると言っていいでしょう。
普段クラブを支援してくれているスポンサー様を、今度はファンが応援する。それによってスポンサー様がクラブ支援を継続していただく。そしてまた、クラブは応援に報いていく。このサイクルこそが理想的な関係性であり、未曾有の災害に対抗できる大きなうねりを生み出すカギになると思っています。
繰り返しになりますが、消費行動を応援行動としてやってみるという選択肢は、ジェッツブースターに限らず、バスケファンにも、サッカーファンにも、野球を始めとした他の競技のファンにもお伝えしたいことです。
もし、ファンのみなさまの力でスポンサー様が離れなかったとしたら。クラブはどちらに対してもその恩を忘れることはないですし、決して忘れてはいけない。スポーツのある日常に戻ってから、恩返しさせていただく日がきっと来るはずです。
スポーツギフティングサービス「Unlim」での支援や、通販などでクラブや選手のグッズをお買い求めいただくことも、もちろん素晴らしいことです。さまざまな選択肢から、みなさまそれぞれが適したものを選んでいただければ。
みなさんの力もお貸しいただきながら、この危機を乗り越えられるよう頑張ってまいります。スポーツのある日常が戻ってきた日には、またともに喜び合いましょう。
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