半径

放ってたらメがでたあとの逆光で人称のないきみは綺麗だ
世界中ミルクが混じりだんだんに忘れることでもどってゆくのだ
合法でない火を消せない生かされてただ生きている、ここから近い
接触は接触でなく感染の可能性ありプリオンのよう
気のとおくなるほど長い反乱のその内側で花は散りゆく
接続の道はどこまでも道であり非合法的に縮小される
にんげんは薄膜だからそのなかを通過してゆく敵を宿して
入口と出口は人型だったから人間だけが出入り禁止で
ひとの前にはひとしかいない蜜蜂もニワトリも牛もみな放置され
火を制御したはずだったにんげんが火とおんなじで手に負えぬもの
#短歌

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