解体治療

この街のはずれ糜爛のうつくしく桜はいつも川辺に咲いて
濡れたまま肉に貼りつく銀紙のうえを味覚のない風は吹く
名前のない肉体になるまで刻むあたかいだろうなあ、今夜は
退化した鰭の感触こそばゆい黒髪はしおを噴き出す深さ
撓められいのちへ届く針先が太平洋の埠頭に変わる

#短歌

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