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「脳と美意識」を読んで

 中野信子さんの解説、面白いです。いつも身近な事象を脳科学から考察する手法、感心しながら読んでいます。今回も「西陣織とエルメス」の選択、なるほどなあ、と今風な感覚で思いました。西陣織の意匠と変わらなくても、エルメスとブランド名がついたら、エルメスの方を選択する人が多いという見解。これが江戸時代とかで着物文化なら西陣織を選択する人も多かったろうに、と余計なことすら思いました。

現代芸術での1600万円のバナナ、毎年、TV番組で格付けというのがありますが、人間は、本当、ラベルに惑わされますね。これは、「俳句」などの文芸、「絵画や彫刻」などの芸術にもあてはまるような・・・。「第二芸術論」を持ち出すのは無謀ですが、まだまだ、作者によって作品が評価されるもの、多いです。学歴も考えると、そうですね。ある分野、受験分野において賢い人が、全部に賢いような錯覚を起こしたり。

脳が単体で、比較による情報で価値を位置づけるということ、早い時期に知った方がよい、とのご指摘にも共感です。けれど、一方で、ゴッホの絵などのように本当に凄いものはいつか、誰かが評価してくれるのではないでしょうか。楽天的、安易かもしれないけれど、歴史をかえりみて、思ってしまいました。美意識が比較によって、その人の今までの情報によるものであること、それを知ったうえで、個性を尊重する現代芸術に感動する日を楽しみにたい。今日も日々是好日、いろんな感動を静かに味わっていけたら嬉しいです。 #中野信子 #脳と美意識 #みんなの文藝春秋 #三人の卓子

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