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キャッシュレス化

政府はインバウンド事業の拡大を目指し、2025年6月までに国内でのキャッシュレス化比率を40%程度に引き上げる目標を掲げています。現在のキャッシュレス決済普及率は39.3%で、将来的には世界基準に合わせ、80%を目指すとのことです。この動きは国際競争力の向上や観光業の活性化に寄与することが期待されています。

しかし、キャッシュレス決済が広がる中で、店舗側には大きな負担もあります。特にクレジットカード決済の手数料が3.24%、QRコード決済(例:PayPay)の手数料が1.98%と、店舗の利益に対して大きな影響を及ぼしています。たとえば、現金での売上が990円だった場合、キャッシュレス決済では同じ金額でも店舗に入るのは960円程度にしかなりません。

店舗の利益率が低い場合、手数料は大きな負担となります。例えば、原価が30%、人件費が30%、その他の費用が30%の場合、残る利益はわずか10%です。1000円の商品であれば、利益は100円しかないため、30円もの手数料は無視できない金額です。

キャッシュレス決済では、決済代行業者やカード会社など複数の仲介業者が介在し、それぞれに手数料がかかるため、店舗に入る金額が減少する訳です。さらに、現金化に時間がかかり、1か月後にしか入金されないケースもあります。

PayPayは導入当初、手数料を無料にしていましたが、現在では約2%の手数料が課されており、それでも運営は赤字が続いています。店舗側がこの手数料を顧客に上乗せすることは規約で禁止されているため、負担は店舗が一手に引き受ける形になります。

このように、キャッシュレス決済の普及には利便性がある一方で、店舗側にはコスト面での課題が残っています。今後、手数料の低減は望めないので、価格転嫁となって、消費者への負担にもなっていくのでしょう。


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