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現代社会の流行語を紐解く

1.現代社会の流行語から考察する

現代社会では、効率や即効性を重視する言葉が流行しています。これらの流行語を通じて、現代人が何を求め、どのような価値観を持っているのかを考察してみましょう。

タイパ(タイムパフォーマンス)

「タイパ」とは、時間的な効率を意味し、短時間で利益を得ることを重視する考え方です。例えば、アルバイトや仕事で短時間で効率よくお金を稼ぐことが求められます。しかし、急いで仕事をしてもミスしないのでしょうか。「急がば回れ」という言葉が今でも使われているのは、急いで結果を求めるよりも、慎重に進める方が結果的に効率的であるという教訓を示しています。

ポイ活(ポイント活動)

「ポイ活」とは、ポイントや特典を得ることを目的とした活動を指します。多くの人が無料でポイントを得るために努力していますが、企業は顧客情報を集めることや、消費者を引きつけるためにこれを利用しています。この活動は、一見無料で得をしているように見えますが、実際には企業側がお金や個人情報を取得している部分も少なくありません。

インプレゾンビ

「インプレゾンビ」とは、視聴回数を稼ぐことでお金を得る人々を指します。インプレッション(表示回数)を稼ぐために、下品なコンテンツを投稿したり、偽情報を流したりするケースも見られます。これらの行動は、短時間で利益を得るための手段ですが、品質やモラルが損なわれることが多いです。

2.共通点とその影響

これらの流行語に共通するのは、時間と手間をかけずにお金を得る手段を模索しているということです。これには、スマホという共通のツールが大きく関わっています。スマホはユーザーを中毒させるように設計されており、企業は消費者からお金を引き出すために多くのリソースを投入しています。結果として、消費者は快楽に誘われ、知らず知らずのうちに時間とお金を吸い取られているのです。

さらに、これらの活動の多くは、一人で行われることが特徴です。生産性が高い仕事は、通常チームで達成されることが多いのですが、個人主義が強調される現代では、生産性が低下しているともいえます。

3.流行の影響とコンテンツの質

時間を惜しむ結果、コンテンツは短くなり、質も下がっています。ニュースはSNSを使えば速報性が高く便利です。でもフェイクニュース等問題も出ています。以前のように時間をかけて作った報道番組や新聞の社説等を見る機会は減りました。映画でもTiKtokに変わると、多数の出演者やストーリー性が不要になりました。これらも1人によって作られるもので、会社で作っていたコンテンツより品質が低下がしています。

そして1人で視聴回数を稼ぐために過激な行為や危険な行動が増え、結果として社会全体のモラルや品質が低下しているのです。

4.本当の幸福とは

効率よく快楽だけを求めても、結果的に品の悪い、過激な物だけを追いかけ、やがて依存症にはまり抜け出せなくなります。それは不幸を招きます。

本当の幸せを得る事は、時間をかけて得るものです。人の信用や知恵は、長い時間をかけて築かれるものです。そして長期的な努力や考え抜いた行動をチームで行えば大きな成果を産み出します。それは会社やチームという組織です。

短い時間で得られるものよりも、長い時間をかけて得られるものの方が、結果的にいいものが得られるのではないでしょうか。



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