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紙箱コレクション

いらない紙箱がほしくなった話。家族に、「#10万円 何に使う?」と訊かれた。わたしはその日ちょうど好きな収集物2つをオンラインストアで詳しく見たので、それにかかる、合わせて2万円程度を最初の出費にすると答えた。いま使わないと意味がないのよね?

そのほしい物というのは、セット買いの紙製の箱の2種類である。わたしは押入れじゅうをもっと紙箱だらけにしたい。何を入れるかっていうと、持っている箱やなんかである。それで、その箱の中には、ヨリ小さな箱が入っていて、その中にはモット小さな箱で……。

だいぶ考えて、「服もいいなって思ってる」。そうしたら家族は、わたしがどうせ着ないと言い当てた。なるほど、わたしは物を買えば買うほど、もっとほしくなる。

わたしは保有に喜びを得る。不足を恐れる。それで部屋じゅうに、なくていい物があふれる。わたしはこれ以上「豊か」になる必要がない。衣料品を買い求めてクローゼットを膨れあがらせて、肝心の本人は着たきりスズメ。わたしはそれが豊かさだと思っている。

すると、何を買えばいいのだろう。家族は、経済浮揚のためには、お金が国内の人に渡る使い方をする必要があると教えてくれた。誰が手にするお金かを見極めて払うとなると、純国産の原料で国内工場にて作られた物が対象か。わたしのチェックした紙箱は日本製だろうか。服は十中八九海外から来る。わたしは10万円分の紙箱を注文するのをためらっている。

ありがたいことです。目に留めてくださった あなたの心にも喜びを。