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記事一覧

【OAK】打球が遅い打者が生き残るには? ~ニック・アレン打撃開花の道を探る~

【OAK】打球が遅い打者が生き残るには? ~ニック・アレン打撃開花の道を探る~

ニック・アレンの苦戦が続いています。

デビューした昨年に引き続き、100試合以上に出場したものの、打率.221/出塁率.263/OPS.550とジリ貧の打撃成績に終始。一級品の守備力を持つといえど、fWARはマイナスに割り込みました。

過去2シーズン(600PA以上)の全打者の中で、wOBAはワースト1位・wRC+はワースト2位と、ほとんど”球界最悪の打者” といっても過言ではない醜態を晒して

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【OAK】ジェームズ・キャプレリアンの新スタイルに期待大?

【OAK】ジェームズ・キャプレリアンの新スタイルに期待大?

アクティブロスターに10人以上の先発投手を抱えるアスレチックスの今年のスプリングトレーニングでは、先発ローテ争いの激化が予想されます。

昨年オールスター選出のポール・ブラックバーン、アジアから新加入のドリュー・ルチンスキと藤浪晋太郎の3人の先発ローテ入りが確実視される中、若手に混じってローテーションの椅子を争う、妙齢の古強者がいます。

その人、ジェームズ・キャプレリアンは3月で29歳。サービス

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【OAK】セス・ブラウンの本格覚醒は目の前?

【OAK】セス・ブラウンの本格覚醒は目の前?

自己ベストのシーズンとなった2022今年が初めて開幕スタメンとして迎え、1年間固定され続けるシーズンとなったセス・ブラウン。前半戦こそ低調でしたが、夏場にかけて爆発し、結局はどのスタッツでも軒並み自己ベストを叩き出すシーズンとなりました。

来年で早くも30歳となるブラウンですが、そもそもデビューが遅かったので調停権取得は2024年のことと、FAまでは長くサービスタイムが残されています。
これまで

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【OAK】なんとかなりそうなクリスチャン・パチェ

【OAK】なんとかなりそうなクリスチャン・パチェ

パチェの打撃をそこまで心配していない今シーズン正CFを任されているクリスチャン・パチェですが、疑問視されていた打撃ではまだ通用していません。

「通用していない」というのはまだオブラートに包んだ表現を選んでいる方で、実際にはFanGraphs算出のオフェンス貢献度ではメジャーワーストを記録しています。現状、メジャーで最も打てない打者と言っても過言ではありません。

オルソンとのトレードで加入する前

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【OAK】シェルドン・ノイジーが覚醒???

【OAK】シェルドン・ノイジーが覚醒???

ノイジーの覚醒???多くの主力を失い、下位に沈むことが確実視されていたA'sですが、予想外の健闘を見せています。
昨年以前に先発を務めた投手も多く残ったローテーションはチームの大きな武器になっていますし、人材不足が懸念されたブルペンも無名のルーキー達が躍動、しかし打線はというとショーン・マーフィー以外に目立った成績を残している打者は不在。そこそこ得点はできているものの、何が良くてここまで頑張ること

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【OAK】PO逸に導いたブルペン運用。SF,TBとの比較

【OAK】PO逸に導いたブルペン運用。SF,TBとの比較

今回は分析、というかA'sがなぜプレーオフを逃したのかを数字から考えていきたい。

「A'sはなぜ届かなかったのか」
その答えは多岐に渡ると思う。
前半戦オルソンに頼り切りだった打線、バシットを失ってから安定感を失った先発ローテなど...

だが、人々の印象に深く刻まれているのは、9月になってから失速し、数多の勝ち試合を吹き飛ばしたブルペンの崩壊ではないだろうか。

ブルペンの崩壊の主たる要因は何

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【OAK】ヘスス・ルザードに必要な投球術とは

【OAK】ヘスス・ルザードに必要な投球術とは

ヘスス・ルザードが殻を破りきれません。
有望株として非常に高い評価を受けていたルザードですが、昨年は防御率4.12とエースになるまでのちょっとした足踏みをしています(この数字も十分すごい)。

選手名鑑などでのルザードの寸評には、概ね「有望株」だ「素質は本物」だといった言葉の後に「投球術が足りない」みたいなフレーズが並ぶことがあります。事実、私もルザードの寸評について書くときに「投球術を磨けば..

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ロビー・グロスマン、衝撃のブレイク

ロビー・グロスマン、衝撃のブレイク

ロビー・グロスマンはどうやら本物かもしれない。

そう気づいたのは確か開幕したてのアストロズ戦の後、ファンタジーベースボールでなんとなくグロスマンをその日を凌ぐために獲得して少し経ってからである。

30歳の外野手は、2019年にはOPS.682という物足りない成績を残し、再契約の372.5万ドルすらも割高に感じられる選手だった。
だが今年のグロスマンはそんな懐疑の声を打ち消すかのように打ち続け、

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オルソンの今年の敵は「外野4人シフト」?

オルソンの今年の敵は「外野4人シフト」?



マット・オルソンの昨年は序盤の故障離脱を乗り越え、主砲としてステップアップを果たすシーズンになった。

是非とも今季は3年連続のゴールドグラブに加え、シルバースラッガーも受賞してMLB No.1の一塁手に名乗りをあげて欲しいところである。
が、しかし、研究と適応を旨とするMLBだけあって、今年も日進月歩の対策が編み出されているはずだ。

今回は他球団が取って来そうなオルソン対策と、それにオルソ

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クリス・バシットの2019年の投球について

クリス・バシットの2019年の投球について

こんにちは。今回は久しぶりに分析系のnoteを。

テーマに扱うのは、A'sの先発投手クリス・バシット。
以前にもnoteでブレイクの要因について書いたが、今回はその強化版、続編といった形である。

バシットの'19年シーズンを軽くおさらいクリス・バシットにとって2019年はキャリアの転換点だった。

自己最多の登板機会を得て、防御率3点台で三振もイニング並に奪う、立派な成績を残した。
シーズン終

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クリス・バシットのブレイクの要因は何か

クリス・バシットのブレイクの要因は何か

クリス・バシットが止まりません。
4月下旬からローテ入りするとそのままローテを守り、QSとキャリアハイペースでの奪三振ショーを見せ続けています。
また、夏場に入ってからは一段階ギアを上げた支配的な投球でチームを支えています。 

それまでの4年のキャリアで4勝しか上げていない平凡な投手が急に化けることができたのか?この記事ではその要因をまとめていきます。

キーワードはファストボール -1. 球速

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マーク・キャナの覚醒に見るMLBの打撃トレンド

マーク・キャナの覚醒に見るMLBの打撃トレンド

5年目のユーティリティプレイヤーのマーク・キャナが躍動しています。
シーズンはまだ8月半ばながら、fWAR2.3、その他出塁率やホームランなどでも自己ベストを記録するキャリアイヤーを送っています。

今回はそのキャナの覚醒の要因について調べて書いていきます。

洗練されたアプローチキャナのアプローチの変化の一つは”見極め”が改善した点です。

K%は20.6%はキャリア2番目の低さで、BB% 13

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地味な控え捕手が覚醒!ジョシュ・フェグリー

地味な控え捕手が覚醒!ジョシュ・フェグリー

今シーズンのA'sにおける最大のサプライズは捕手 ジョシュ・フェグリーのブレイクアウトではないでしょうか。

元々、強肩が持ち味の堅実な控え捕手としてキャリアを送ってきた31歳が大きな衝撃を与えているのは、打撃面での向上でしょう。

.295の打率は100打席以上打った捕手の中では3位、打点も同3位の好成績で、MLBの並み居る好捕手の中でもトップランクに位置する成績を収めています。

なぜ、地味な

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FBRからの脱却?今シーズンのチャド ピンダーの確かな進化

FBRからの脱却?今シーズンのチャド ピンダーの確かな進化

こんにちは。もーです。

ご存知ない方もいるかもしれません。私はアスレチックスの選手は貢献してくれる選手は皆好きなのですが、その中でも特に推している選手がいます。

そうです。チャド・ピンダーというユーティリティープレーヤーです。

それまでの私はジャロッド・パーカーやソニー・グレイなど先発投手を推していく傾向にあったのですが、昨シーズンのピンダーのプレーぶりに感化され、すっかりピンダークラスタと

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