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MBAホルダーが薦める絵本2000選(203冊目)


【題名】ねずみのすもう

【作者】樋口淳 二俣英五郎

【評価】★★★★☆(78点)

1,新潟のお話

 この昔話は、新潟県松代町の話をもとにしたそうです。松代町は2005年、平成の大合併で十日町市となって消滅しています。米どころなので、街の農作物の80%強がお米だったと。

 そんなお米どころでは、ねずみは天敵のはずですが、このお話では富をもたらすものとして描かれています。致富譚というジャンルですが、これは長者伝説、つまり、おとぎ話の類型で、お金持ちになる話です。

 松代町には、多くの民話が残されているみたいです。専修大学のHPに「松代町の語り」という詳しい資料が掲載されていました。

民話集「越後松代の民話」1987年国土社に加筆したものとのこと。

語りによる日本の民話シリーズ
越後松代の民話
樋口淳・高橋八十八編著|国土社|定価2900円

新潟県東頸城郡松代町は雪がふかく、時には5メートルを越えます。
この雪深い里には、昔から多くの昔語りが伝えられてきました。この本は、当時専修大学の学生だった松代町出身の柳均くんとの出会いに始まりました。柳君をはじめとするゼミの仲間たちが、何年もかけて語り手たちに聞かせてもらった話の記録です。よく知られた「笠地蔵」「かちかち山」「三枚のお札」などのほか、動物昔話、笑い話がたくさん収められています。「むかしあったと」で語りはじめ、「えちごさけた」で語りおさめる雪国語りの世界に、とっぷりつかってください。

 すごい仕事ですね。このようにして、民話がきちんと記録されて、時代を超えていくことに感動を覚えます。ご本人と思われるフェイスブックを発見。

2,心温まる話。

 びんぼうなじいさまの家のネズミと、お金持ちのいえのネズミが相撲をとっていたとな。それで、自分の家のネズミが負けたのをみて、お餅をこさえてたべさせてやったと。そうすると、じいさまの家のネズミが勝ったと。

 ここまでは、想像通りなのだが、なんと、お金持ちの家のネズミが「もちを今晩分けてくれ」という。じいさまの家のネズミは貧乏なのがわかっているので「おらえは、びんぼうで、とてもまいにち もちっこ つかれねえ」と。

 でも、じいさまは、餅をついてあげて、まわしをつくってあげた。そうすると、長者どんのネズミは、お礼にお金を持ってきたという話。

 それで、ネズミがもってきたお金をもとに、まじめにはたらいて、家が大きくなったと言うことです。

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