見出し画像

▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼     (19)チガイがわかる・おもしろ日本語入門   ▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△

    第三章 日本語、コノ表現 & その極意!!

          その3、 「なぜ?」 「なぜなら・・・からです」(下)
                  (“Why?” “Because ・・・”)


          souy

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
元NHKアナ、民放キャスター、はたまた講演講師や大学
講師などを遍歴して、その後突然スペインのバルセロナに
移住して、早や18年。
著書(最新刊)『熟年夫婦の行き当たりばったりスペイン
移住記』(地球の歩き方、ダイヤモンドビッグ社)
他に『NHKはもういらない』(三一書房)
  『勉強っていやいやするもの?』(大日本図書)
  「脳みそのほんとうの使い方」(日科技連出版)など
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


      “Why?”    “Because ・・・”

前回は「なぜですか?」「なぜなら・・からです」の誕生の秘密に迫りました。  
    
   今回は、この表現の用法を一つ一つ検証していくことにしましょう。

画像2


その1) 理由(言い訳)が、動詞の場合 ーーー

 例えば、「あなたはなぜ本屋に行きますか?」 「なぜなら日本語の本を買うからです」  

このように“から”の直前の理由が動詞“買う”の場合、ここでは動詞の不定形をその
まま持ってきます。もちろんそれは過去形の“買った”でも、否定形の“買わない”
でも、否定形過去の“買わなかった”でもかまいません。直接、“から”に繋げます。

とても簡単ですね。ここで大切なのは決して動詞のフォーマル形を使わないことです。つまり「なぜなら日本語の本を買いますからです」とか、「日本語の本を買いませんからです」などとは言いません。 これはとても重要なポイントです。つまり、

 
   文の最後の動詞はインフォーマルでもフォーマルでもかまわないけど、
     文章の中に置かれた動詞は、基本的にインフォーマルを使う。

           コレ、よく覚えておいて下さい!!


その2) 理由(言い訳)が、オリジナル形容詞の場合 ーーー

 例えば、「なぜラーメンを食べますか?」 「なぜなら美味しいからです」

ここでは“から”の直前の理由がオリジナル形容詞“美味しい”ですね。この場合も、
形容詞の不定形をそのまま持ってきます。そしてそれは過去形の“美味しかった”でも否定形の“美味しくない”でも否定形過去の“美味しくなかった”でもかまいません。ダイレクトに“から”に繋げれば、それでいいのです。

またここでも動詞同様、オリジナル形容詞のフォーマル形、つまり“美味しいです”
などを使うことは基本的にありません。常に文章内はインフォーマル形にしましょう!


その3) 理由(言い訳)が、名詞の場合 ーーー

 例えば、「なぜ中国語を話しませんか?」 「なぜなら私は日本人だからです」 

今回は直前の理由が、名詞の“日本人”です。残念ながら今回は、名詞をダイレクトに“から”に繋げることはできません。「なぜなら私は日本人からです」では完全な誤りですね。 そう、「なぜなら私は日本人だからです」というように、名詞の“日本人”と“から”の間に、“だ”を入れなければなりません。 何故でしょう?

もうおわかりですよね。 はい、その通り、名詞はいつでもbe動詞を必要とします。だからここにはbe動詞の“だ”か、“だった”か、“ではない”か、“ではなかった”のいずれかが置かれなくてはなりません。 もちろんすべてインフォーマル形です。


その4) 理由(言い訳)が、コピー形容詞の場合 ーーー

 例えば、「なぜ桜が好きですか?」 「なぜなら綺麗(きれい)だからです」 

では直前の理由が、コピー形容詞の“綺麗”だったらどうでしょう。すでにお話ししたように、コピー形容詞は名詞を形容詞化したもの。したがって名詞と同様に、いつでもbe動詞を添えなくてはなりませんね。 「なぜなら綺麗(きれい)からです」 では、日本語試験で不正解となってしまいます。そしてbe動詞はインフォーマル形でしたね。


    
             おわかりになりましたか?

           これこそ日本語の“秘伝中の秘伝”!!

  動詞とオリジナル形容詞、名詞とコピー形容詞はそれぞれ同じ仲間なのです。


名詞を形容詞化したコピー形容詞が名詞的であることは前に述べた通りですが、一方でオリジナル形容詞も動詞のような変化形を持っていることから、ほとんど動詞に近いと考えることができるでしょう。 つまり2つの違ったグループが存在しているのです。

「なぜなら・・・からです」に限らず、さまざまな場面でこの2つのタイプを思い出してください。 これらをしっかりマスターしておけば、きっとあなたは迷うことなくスラスラと正しい文章を構成し、自由自在に日本語を話すことができるはずですよっ!

画像1

        ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
        「なぜ?」 「なぜなら・・・」のバリエーション  
        ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


最後に、理由についての質問の仕方と答え方のバリエーションを学んでおきましょう。


A) フォーマル形

       「なぜですか?」 → 「なぜなら・・・からです」
                  「なぜかというと・・・からです」
                       (いえば)


B) ちょっとインフォーマルな形

     「どうしてですか?」 → 「どうしてかというと・・・からです」
                           (いえば)

C) かなりインフォーマルな形

           「なんで?」  →   「だって・・・から」
                               (んだもん!)

などなど様々な応用形があります。A)とB)では、その中でもさらにフォーマルな言い方には“です”をつけ、それより少しインフォーマルな言い方では“です”を、
質問答えともに外すことができます。

またこの他にも質問に対する答えではなく自らが結果を述べた後「その理由としては」という意味で、「というのは・・」や「というのも・・」などを使うことも可能です。もちろんこれらも、文の最後には「・・からです」を付け加えておきましょう。

       日本語は、なんと多様な表現を持っていることでしょう。

     そう、日本人はチョットした違いを楽しむ民族、

 ぜひともその裾野の広さを楽しみながら練習してみて下さいね!       

                 
ーーー 次回は第20回 第三章 日本語、コノ表現 & その極意!!
  

             その4、 動詞“ある”と“いる”(そして進行形)

 を、お届けするつもりです。

               ▽    ▽


      ご意見ご感想を、以下のメールまでお寄せ下さ~~い!
          (掲載可能なお名前もよろしく!)

      《 送り先アドレス→ vivasouy1@mac.com 》

                ☆ ★ ☆

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
  このメルマガが英語版となって世界中の人々に読まれ始めています。
       日本語の世界を、英語で旅してみませんか?
  「 What is Japanese ? 」→  https://vivasouy.blogspot.com
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

                 ◇


       “まぐまぐ”でご紹介してきたメルマガ、

    “知ってびっくり!地中海の不思議の国・バルセローナ!”
     も、数々の写真とともに、mixiページで再構成しました。

              どうぞこちらへ

                 ↓
 

http://page.mixi.jp/run_page_apps.pl?page_id=255339&module_id=1434011

      ・・ にほんブログ村 に参加しています ・・
             → http://vivavivasouy.muragon.com

                 ◇
                 ◆
                 ◇

    メルマガ『どうせ人生・ケセラセラ!』が、本になりました!


このたび“地球の歩き方”のダイヤモンド・ビッグ社から、もう一つの私のメルマガ
『どうせ人生・ケセラセラ!』が出版され、今年から全国の書店に並べられています。タイトルは、『熟年夫婦のスペイン行き当たりばったり移住記』。私たちのなんとも無謀な移住の顛末と信じられないハプニングの数々がアレやコレや、次々登場します。その後のバルセロナでの生活にもふれています。ぜひ一度目を通してみて下さい。また以下の“地球の歩き方ブログ”でも、私の醜い顔とともに紹介されていますよっ!

http://blog.arukikata.co.jp/guidebook/e_report/2016/01/post_1066.html

                 ◆

      その他の私の著書を、以下に2冊だけご紹介します。

◎ 『脳みそのほんとうの使い方(How to use your brain ?)《ビギナーズ編》』
(日科技連出版社)〈こちらは一応ビジネスマン向けですが、やさしいです)〉
また姉妹編《マスターズ編》も出てます。書店になかったらお取り寄せください。

◎ 『勉強っていやいやするもの?』(大日本図書)
   〈中高校生向けですが、‘哲学’についても、やさしく解説しています〉


 *************《メールマガジンの配信システム》*********************
このメールマガジンは、まぐまぐを通じて配信しています。登録、バックナンバー、及び受信解除は、以下からどうぞ。
http://www.mag2.com/m/0001673594.html
                                  
    (ご意見ご要望は → E-mail  vivasouy1@mac.com)
☆著作権は放棄していません。この文章を引用する場合は必ず発行者へ連絡ください。


この記事が参加している募集

習慣にしていること

世界で一番美味しいコトバ、日本語を楽しみましょう!