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【鉄板!】みんな大好きな「意外性」に「トレンド感」を加えれば、ほとんど無敵になる説|「今どきの若いモンは」

三葉21世紀マンガスタディーズのお時間です。傑作マンガをご紹介し、その面白さの秘密に迫ってまいります

清水「はい」

三葉「本日取り上げるのは……2月末に単行本第2巻が発売されたばかりのこちらの作品!」


吉谷光平「今どきの若いモンは」

<pixiv>


<Twitter>


登場人物紹介

・清水:マスター・オブ・アニメ。年100作以上のアニメを見続けて20余年。2019年冬クール(1~3月頃)のアニメの中で最もオープニングが素晴らしいのは、『ケムリクサ』だと思う。

・三葉:清水とは中学からの友人。最近ハマっている曲は『IS 〈インフィニット・ストラトス〉』の「STRAIGHT JET」。そう、Don't be afraid.


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三葉「いかがです?面白いでしょ!」

清水「ふむ」

三葉「よいですよね!」

清水「ふむふむ。イレギュラーな展開もありますが、基本的には課長の『最近の若いモンは』が決め台詞の短編ギャグ作品ですね」

三葉「そうそう!」

清水「なるほど」

三葉「でね、本作の第1話は2017年12月にTwitterに投稿されているんですが……コレ、『いいね』が25万回、リツイートも11万回されているんですよ!」


清水「はえー」

三葉「いやぁ、とんでもない数ですよ」

清水「すごい!」

三葉「というわけで、早速探ってまいりましょう……本作の面白さの秘密!






三葉「さて、これをもう少し抽象化して、模式図にしてみると……」



三葉「ってな具合です」

清水「ふーむ、『意外性』と『トレンド感』ですか」

三葉みんな大好きな『意外性』と『トレンド感』の組み合わせ……コレ、かなり強力なタッグだと思うんですよ」

清水「なるほど」


やってみよう!

三葉「でね」

清水「ええ」

三葉いまご覧いただいた本作の構造=『意外性 × トレンド感』、これを使って実際に物語を作ってみたいと思いまして

清水「ふむ」

三葉「読者のみなさんも、ぜひご一緒に妄想してみてくださいね!」


【やってみよう①】「若者の○○離れ」編

三葉「さて、どんな物語を作りましょうか」

清水「そうですねぇ……最もシンプルに、というか本作のほぼ丸パクリになりますが……少し前に話題になった『若者の○○離れ』をネタにするのはいかがでしょう」

三葉「あー、なるほど!」

清水ちょっと調べてみると……『若者が離れている』とされるものは、酒、缶コーヒー、おせち、結婚、恋愛、テレビ、パソコン、コンビニ、博打、バイク、腕時計……」

三葉「うーむ。離れまくってますねぇ」

清水「例えばこんな具合。会社の飲み会を欠席する若者を見て……」


清水「なんてね」

三葉「なるほど」

清水「前述の通り、最近の若者は多種多様なものから『離れている』らしいですからね。ネタは無数にありますよ

三葉「例えばこんなのもアリですよね」


三葉「ふむ。いくらでもいけそうだ」


【やってみよう②】「異世界転生」編

清水「他には……『異世界転生』をネタにするのはいかがでしょう?」

三葉「面白い!『異世界転生もの』はここ数年のトレンドですからね。上手くやれば話題を喚起できそうです」

清水「ええ」

三葉「ストーリーは差し詰めこんな具合でしょうか。……まず、異世界に転生する前、主人公は神の前に呼び出される

清水「神の前に呼び出されるのは、『この素晴らしい世界に祝福を!』や『異世界はスマートフォンとともに。』のパターンですね。ここで、神の口から異世界へ転生する背景が語られたり、主人公が何らかの特殊能力を得たりするのがお約束ですが……」

三葉主人公と神が対面する。次の瞬間、神が叫ぶ!」


清水「……」

三葉直後、元の世界に帰還!……呆気に取られる主人公。頬をつねる。痛い。夢ではないようだ。おしまい

清水「……ほぉ」

三葉「第2話以降も、様々な『異世界転生もの』の冒頭シーンのパロディをイメージしています。但し、すぐに元の世界に帰還してしまう……というギャグですね」

清水「ふーむ……一般的な『異世界転生もの』は、主人公が異世界で活躍する様を描く物語。転生シーンは単なる導入に過ぎません」

三葉「ええ」

清水「ところが……異世界に到着する前に、あるいは到着するや否や帰還してしまう、と」

三葉「それが意外性につながると思うんですよね。『帰還かよっ!』みたいな」

清水「うーむ。結構面白くなりそうですね」

三葉このまま長編のストーリーマンガにもっていくこともできそうですね

清水「ほぉ」

三葉「例えば、主人公は元の世界に戻ってきたものの、1つだけ特殊能力を獲得していたという筋立てにして」

清水「どのような能力です?」

三葉「んー……一撃で敵を倒すようなチート能力ではなくて、もっとショボくて役に立たないような……うん。『異世界転生もの』のお約束、人のパラメータを見ることができる能力だけを持って戻ってきたなんてのはどうでしょう?」

清水「よいですねぇ!ストーリーとしては……」


清水「なんて!」

三葉相手のパラメータをヒントに立身出世していく物語ですね

清水「まさに!」

三葉「タイトルは……『この素晴らしいパラメータに祝福を!』、『サラリーマンはパラメータと共に。』、『Re:ゼロから始めるサラリーマン生活』、『パラメータ サラリーマン、彼の地にて、斯く戦えり』、『パラメータの使い手』とか」

※念のための注釈:元ネタは、上から『この素晴らしい世界に祝福を!』、『異世界はスマートフォンとともに。』、『Re:ゼロから始める異世界生活』、『GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』、『ゼロの使い魔』。


三葉「うん。本気で面白くなる気がしてきた!」

清水「うーむ……コレ、誰かマンガ化していただけませんかねぇ。ぜひ読んでみたい!」


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 最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。

(分析:清水、三葉 / 文、イラスト:三葉)

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