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ガックリきていた「中年女性」が、前に向かって歩き始める物語!!|『サイドウェイ』(2)

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テーマ発表!!


 前回に引き続き、映画「サイドウェイ」をベースに新しい物語を妄想します。

※「サイドウェイ」のストーリーなどについては、前回の記事をご参照ください。


妄想開始!


嘉村 それではまいりましょう!

三葉 はい。

嘉村 「サイドウェイ」は、離婚後、いつまでも前妻に未練を抱いていたオッサンが友人との旅を経て、ようやく現実を受け入れ、未来に向かって歩き始める物語ですが、「設定を思いっきり変えても面白くなるのでは?」ということで……さて!どんな物語にしましょうか?


案①


三葉 まずは、「サイドウェイ」風の物語を作る時に注意すべきポイントを確認しておきましょう。


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三葉 ……ですね(より詳しくは前回の記事で)。

嘉村 ふむふむ。

三葉 さてここからは、「『サイドウェイ』をリスペクトした物語」をアレコレ考えていくわけですが……。

嘉村 ええ。

三葉 シンプルに、主人公の属性をいじるところから初めてみましょう。すなわち、「サイドウェイ」のメインキャラクターは「中年男性2人組」。これを例えば……「中年女性2人組」に置き換えてみる!


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嘉村 ほぉ。

三葉 ストーリーはこんな具合です。主人公は中年女性。彼女は夫に浮気され、数年前に離婚。それ以来ずっと落ち込んでいました。じつは、いまも前夫に未練を残しているのです。「案①」は、そんな主人公が、昔馴染みの友人と旅に出るところから始まります。

嘉村 ふむふむ。

三葉 それでは……はて。主人公と共に旅する「友人」はどんなキャラにするといいでしょうか?ここで一度、「サイドウェイ」を振り返ってみましょう。

嘉村 ええ。

三葉 「サイドウェイ」の主人公は、マイルスというオッサン。彼は「真面目で思慮深い男」です。しかし悪く言えば、「頭でっかちで堅物」、そして「女性と接するのが得意とは言えないタイプ」。

嘉村 ふむ。

三葉 これに対して、相棒のジャックは「明るく元気で前向きな男」です。悪く言えば、「能天気で大雑把」。そして「女好きで、女にモテる」。……ざっくり整理すれば、「『面倒くさいコミュ障』と『陽気なバカ』のコンビ」ですね。

嘉村 なるほど。

三葉 これを「案①」に流用すると……「『地味で陰気で、面倒くさいコミュ障オバサン』と『アホで陽気で、若い男が大好きな美人オバサン』のコンビ」となる。


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嘉村 ふむふむ。

三葉 あるいは、「少しオリジナリティを加えてみよう」ということでしたら、友人キャラに「ヤンキー成分」を追加すると面白くなるのではないでしょうか。


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嘉村 ヤンキー成分……?

三葉 ええ。例えば、元ヤンという設定にする。いまはグッと丸くなり、別段警察の厄介になることもなく暮らしているものの……しかし地はヤンキー。やたら派手な格好が好みで、ファッションセンスは壊滅的。言葉づかいが荒っぽく、下ネタが好き。車に乗れば「ドゥンドゥンドゥン!」とユーロビート風の音楽をかけずにはいられぬ。さらにコテコテの人情話に弱く、困っている人を見かけると「おぅ!あたしに任せておきな!」と一肌脱がねば気が済まない。

嘉村 あー、なるほど。どんなキャラかわかってきましたよ。一見するとガラが悪く、できれば関わり合いにはなりたくないタイプ。しかし、じつは悪いヤツではない。……そんな人ですよね。

三葉 そうそう。根はいいヤツなんですよ。仲間想いでね。主人公もそれがわかっているから、長年友だちでいられる。

嘉村 ええ。

三葉 「案①」では、そんな2人が旅に出ます。きっかけは……主人公が、商店街のくじ引きで旅行券を引き当てたことにしましょう。

嘉村 ほぉ。

三葉 では、2人の旅の目的地は?「サイドウェイ」では、主人公らは「ワインの生産地」に向かいました。しかし、「案①」の舞台は日本。となると……「温泉地」なぞいかがでしょう?

嘉村 なるほど。「ワインの生産地」では、ちょっとオシャレすぎる気がしますもんね。

三葉 そうそう。オシャレ過ぎず、適度に寂れた感じの温泉地。中年の男女が出会い、恋をする場としてはなかなか悪くないように思うのです。

嘉村 確かに。

三葉 ということで……主人公は、友人(以下、Aさん)と共に、3泊4日の温泉旅行に出発しました。

嘉村 ふむ。

三葉 しかし、「主人公 = 地味で陰気で、面倒くさいコミュ障オバサン」と「友人 = アホで陽気で、若い男が大好きで、ついでに地がヤンキーの美人オバサン」。2人は学生時代からの友人ではありますが、凹凸コンビです。様々な場面で、意見が食い違う。

嘉村 でしょうねぇ。

三葉 そして「サイドウェイ」同様、その食い違いが物語を盛り上げるわけですが……。

嘉村 ええ。

三葉 特にポイントとなるのは、Aさんによるナンパです。Aさんは温泉地で、男性2人組をナンパした。というのも、彼女は「若い男好き」。加えて、離婚後いつまでも落ち込んでいる主人公に男をあてがい、元気を取り戻させてやろうと考えたわけです。

嘉村 なるほど。

三葉 主人公は戸惑います。何しろ、彼女はコミュ障ですからね。しかも、前夫に未練を抱いている。しかし、Aさんはお構いなしです。

嘉村 ふむ。

三葉 4人は食事や酒を楽しみ、足湯なぞに浸かり、そしてひなびた商店街を散歩する。やがて親密になる。主人公は男性2人の内の1人(以下、B氏)に好意を抱いた。B氏も満更ではない様子。Aさんがニヤつく「あんたら、いい感じじゃん♡」。

嘉村 ふむふむ。

三葉 しかし、コミュ障で、前夫に未練を残す主人公はどうも素直になれない。B氏がせっかく優しくしてくれても、ツンツンしてしまう。

嘉村 うーむ……。

三葉 とまぁそんな中……Aさんがやらかす。酔って男性2人を蛸殴りにしてしまうとか、レイプしようとしたとか、そんなところですね。

嘉村 ひどい……。

三葉 男性2人組は呆れ、愛想を尽かす。2人は主人公らに挨拶もなく、帰宅してしまった。

嘉村 あー……。

三葉 さらに、ショッキングな出来事がいくつか立て続けに起こります。前夫がじつは再婚していたことを知り、主人公ががっくり落ち込むとか、そんな具合です。

嘉村 ふむ。

三葉 そして、主人公とAさんの旅も終わります。日常に戻った主人公は絶望していました「私の人生って一体何なんだろう」。しかし、とことん絶望したことで、ようやく現実を直視できるようになった。つまり……そう。前夫が戻ってくることはない。主人公は、前に向かって歩き出さねばならないのです。

嘉村 ふむふむ。

三葉 「前に向かって」か。主人公は、1歩前進する自分を想像した。2歩、3歩。その先に何があるのか?……ふいに、B氏の顔が思い浮かんだ。主人公女は、自分が恋していたことに気づく。居ても立っても居られない。彼女はスマホを手に取る。喉がカラカラに乾く。しかし勇気を振り絞って……彼女がB氏に電話をかけるところで、物語は幕を閉じます。

嘉村 まさに1歩踏み出したところでエンディングとなるわけですね。

三葉 ええ、その通りです。

嘉村 なるほど。

三葉 以上、「『サイドウェイ』をリスペクトした物語」のアイデアをご紹介しました!


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 最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。

(担当:三葉)

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