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「モテない男」をどう描くか?|100%空気通信

 「100%空気通信」は、クリエイティブ・ユニット「100%エア」の活動レポートです。


今回のテーマ


 今回取り上げるのは、短編コメディ小説「『彼女いない歴=年齢』の俺が本気で女を口説いたら、だいぶキモいことになったwww」

 作者自身が、「作品の構造」や「ギャグの狙い」をご説明します。


 今後、コメディ作品、ギャグ作品を創作する際のヒントになれば幸いです!


「『彼女いない歴=年齢』の俺が本気で女を口説いたら、だいぶキモいことになったwww」を読んでみよう!


 まずは、短編コメディ小説「『彼女いない歴=年齢』の俺が本気で女を口説いたら、だいぶキモいことになったwww」をご覧ください


※想定読了時間:5分

※注:「100%エア」のnoteや、Twitterに掲載しているものと同内容です。既にご覧いただいている方は読み飛ばしてください。












【トピック①】本作の構造


 本作は、「1つのシチュエーションと、それに対する複数のボケ」からなる「大喜利」(正確には「大喜利」の中でも「とんち」)型の作品です。


・ベースとなるシチュエーション:合コンで知り合った女の子を部屋に連れ込みたい主人公(視点主)。なんとか口説こうとして……キモい発言(= ボケ!)をしてしまう。

・ボケのパターン:8種類(パターン1~8)


【トピック②】モテない男の必死さ、哀れさが生むおかしみ


 さて、8種類のボケをご覧いただきましたが、あなたが1番お好きなのはどれですか?

 私は……いずれも悪くないと思うんですよ(自画自賛)。


 特に「おふくろの写真」(パターン1)については、「もしかすると、わが生涯の最高傑作の1つかもしれない」なんて思ったり。


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 さて、そんな「パターン1」の素晴らしさ(隙あらば自画自賛)を一言で言うならば……ズバリ「『モテない男の必死さ、哀れさが生むおかしみ』をよく描けている」ということになるでしょう。


 「モテない男の必死さ、哀れさが生むおかしみ」とは何か?

 ご説明しましょう。


 まず、女の子を部屋に連れ込もうとして頭をフル回転させた結果出てきた言葉が、「おふくろの写真見せてあげるよ」。

 ……なんともまぁ、名状しがたい哀しみを感じませんか?


 さらに、写真を見せる理由は「小学生のときに大いに盛り上がったから」。

 なんとか女の子をもてなそうとして出てきたのが、小学生時代の記憶。きっと彼の人生の全盛期は小学生の頃で、それ以来辛いことの連続だったのでしょう。……なんだか胸が締め付けられるような感じがしませんか?


 そして私が特に気に入っているのは、最後のやりとりです。

 「エヴァ」の名シーンを想起させる「『どんな顔すればいいかわからないから』→『笑えばいいと思うよ』」というやりとりのあとに、「いや、笑えないでしょ」という無慈悲で残酷な一言。


 うん。確かに知り合ったばかりの人に、お母さんの写真を見せられても困るんですけどね……。


 いかがでしょうか。

 「モテない男の必死さ、哀れさが生むおかしみ」がよく描けていると思いませんか?(繰り返し自画自賛)


【トピック③】サイコパス版「電車男」とは何か?

 

 ところで前掲の8パターンのボケは、「雰囲気・テイスト」に基づいて、以下のように整理することができるでしょう。



 「必死さ、哀れさが生むおかしみ」については上述しましたが……はて。

 「漂うサイコパス感」とは何か?

 女の子の誘い方が明らかにおかしい。「モテないから」「不慣れだから」という言い訳で看過できぬ「妙なズレ」がある。自分が誘われる側だったらちょっと怖いかも……これが「サイコパス感」です


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 さて……世の中には「モテない男」を描いた作品が少なくありません。

 最も有名なのは「電車男」でしょうか。



 そして昨今の「男性未婚率の上昇」、あるいは「性交渉経験率の低下」を鑑みるに、今後こうしたタイプの作品はますます増加していくことでしょう

※補足:一般論として……①「モテない男」ばかりの社会では「モテない主人公」の方が共感を得やすいから。②「モテない男」が社会的な関心を集めると、「モテない男」を描いた作品に注目が集まりやすくなるから。


 よし。それでは今後来る、あるいは既に来ている波に乗ってやろう。「モテない男」を描いてやろう。あなたがそう決意された時には、前述の図が参考になるかもしれません。


 例えば、「電車男」は「必死さ、哀れさが生むおかしみ」を描いた作品と言えるでしょう。

 そこで、「それでは『電車男』のシチュエーションで、サイコパス感のある作品を作るとすると、どんな感じになるだろう?ストーリーは……」なんて具合にアレコレ考えると、いいアイデアが生まれるきっかけになると思うのです。

 よろしければお試しください!



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 最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。

(担当:三葉)

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