上には上がいる（Aもすごいが、Bがすごすぎて霞んでしまう）　～マンガ「パンクティーンエイジガールデスロックンロールヘブン」の場合 #1

ヒロミ「私27時間起きてるけど元気だよ」「アキコは今何時間よ？」
アキコ「173時間」

マンガ「パンクティーンエイジガールデスロックンロールヘブン」（第1巻）

◆概要

【上には上がいる（Aもすごいが、Bがすごすぎて霞んでしまう）】は「コメディシーン、ギャグ」に関するアイデア。

◆事例研究

◇事例：マンガ「パンクティーンエイジガールデスロックンロールヘブン」（第1巻）

▶1

本作の主人公の1人・ヒロミ（女性、26歳）。

彼女は友人2人（アキコ、ハナコ）とロックバンドを組み、日々活動している。

ある日、

・Step1：アキコが言った「徹夜してて眠い」。

・Step2：すると、傍にいたヒロミがちょっとはしゃいだ感じで「あ！！私も私も！！映画祭りしちゃってさー」。

・Step3：ヒロミは、もういまにも目がくっつきそうなアキコを尻目に、余裕の笑みを浮かべた「私27時間起きてるけど元気だよ」「アキコはまだ子供だな！！」。徹夜を自慢する学生のようなノリである。

さらに、

・Step4：ヒロミは嬉しそうに訊いた「アキコは今何時間よ？」。

・Step5：アキコ曰く「173時間」。……本エピソードはここで幕を閉じる。つまり、アキコの言葉に対してヒロミがいかなる反応を示したかは描かれていない。とはいえ、ヒロミが肝を潰したことは間違いないだろう。もしかすると呆然自失、腰を抜かしてその場に崩れ落ちたり、思わず失禁したりしたかもしれない。想像するだけで笑ってしまう。

▶2

27時間眠っていないというヒロミ。なかなかのものである。彼女がちょっと誇らしげな口調になったり、上から目線になったりするのも、まぁわからぬではない。

ところが……「173時間って！（笑）」「えっ。つまり1週間以上眠っていないってこと！？（笑）」「これじゃあ、『私、27時間も眠っていないの。でもまだまだ元気なの。すごいでしょ！』と自慢げだったヒロミがバカみたいじゃん（笑）」と思わず噴き出してしまった読者は少なくないだろう。

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