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新入社員よ、先輩なんて信じるな!死ぬぞ!!|『トレーニング デイ』(2)

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テーマ発表!!


 前回に引き続き、映画「トレーニング デイ」をベースに新しい物語を妄想します。

※「トレーニング デイ」のストーリーなどについては、前回の記事をご参照ください。


妄想開始!


嘉村 それではまいりましょう!

三葉 はい。

嘉村 「トレーニング デイ」は、新人刑事の「受難(先輩に認められようと奮闘するが、じつは先輩は悪徳刑事でひどい目に遭わされる)」と「先輩への逆襲」を描いたサスペンスですが、「設定を思いっきり変えても面白くなるのでは?」ということで……さて!どんな物語にしましょうか?


案①


三葉 まずは、「トレーニング デイ」風の物語を作る時に注意すべきポイントを確認しておきましょう。


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三葉 ……ですね(より詳しくは前回の記事で)。

嘉村 ふむふむ。

三葉 それでは、以上を踏まえて「案①」ですが……ズバリ!「『トレーニング デイ』 ~『腐った会社員』編」です。


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嘉村 腐った会社員!

三葉 「トレーニング デイ」と比較すると以下のようになります。


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嘉村 つまり、「トレーニング デイ」の舞台が警察(ロス市警の麻薬取締課)であったのに対して……。

三葉 「案①」の舞台は、とある会社です。

嘉村 なるほど。

三葉 ストーリーをご紹介しましょう。……主人公は、研修を終えたばかりの新入社員。ここでは、22歳の青年ということにしておきましょう。

嘉村 ふむ。

三葉 彼はやる気に満ち溢れていた「よぉし、頑張るぞ!早く仕事を覚えて1人前になるんだ!」。彼が配属されたのは、第8営業チーム。そして、彼の教育係(メンター)を務めるのはマネジャーのA氏。「マネジャー」といっても、まだ20代後半の男性です。

嘉村 ふむふむ。

三葉 主人公の同期がささやく「お前、Aさんのところかよ!運がいいなぁ!」。そう、第8営業チームは、ずば抜けた成績を誇るエリート集団なのです。その中でも、A氏は別格。顧客からの信頼が絶大で、「A氏がいるから御社に発注するんですよ」と明言する者もいるほど。社内では、「万が一にもA氏が転職したら、わが社の売上は3割は低下する」と噂されている。

嘉村 ほぉ、凄腕ですね。

三葉 第8営業チームの面々は、朝は直行、夜は直帰ということが多く、基本的に社内にはいない。「あいつら、どこかでサボってんじゃねぇの?」と陰口を叩く者もいるが、まぁこれはやっかみでしょう。

嘉村 ふむ。

三葉 そんなA氏が教育係!主人公が、「よーし!先輩に認められるようにメッチャ頑張ろう!!」と張り切るのも無理ないでしょう。

嘉村 確かに。

三葉 ところが、配属1日目……始業時間を過ぎてもA氏が来ない。主人公は困惑。すると、間もなくA氏から電話がかかってきて「おぅ。悪い悪い。言い忘れていた。今朝は、○○駅で待ち合わせしようぜ。早く来いよ」。……なるほど!これが「直行」というヤツだな!新入社員の彼の目には、すべてが新鮮に映る。

嘉村 ふむふむ。

三葉 かくして、主人公の1日が始まるのですが……何だか妙な具合。

嘉村 ほぉ。と言うと?

三葉 ええ。例えば……A氏は主人公と合流すると、まずは会員制のフィットネスクラブへ向かう。主人公は、「へぇ!ここも顧客なのかな……」なんて考えるが、そうではない。A氏は、単に汗を流しに来ただけなのです。「お前も適当に体を動かせよ。気持ちいいぞ」と言い残し、慣れた様子でマシントレーニングを始める。主人公は戸惑う「……えっ?就業時間中にトレーニング?」。

嘉村 雲行きが怪しくなってきましたね。

三葉 ジムを出ると、続いて2人は高級焼き肉店へ。「焼き肉屋が顧客……って違うよな」。そう、違う。A氏は言う「今日は、お前がうちの部署に配属された記念日だからな。肉でお祝いだ。おごってやるよ。好きなだけ食いな」。なるほど、そういうことか!主人公は納得する「ありがとうございます!」。しかし……メニューを見ると、目玉が飛び出るような値段だ。主人公は仰天する。どう考えても、普通の会社員が昼食を食べる店ではなさそうだが…….。

嘉村 ふーむ……A氏はエリート社員ですからね。その分、給料やボーナスがいいとか?

三葉 ええ。主人公もきっとそうなのだろうと考え、肉を味わう。

嘉村 ふむ。

三葉 そしてレストランを出ると、2人はようやく顧客を訪問する。顧客のオフィスに入る前、A氏が注意する「おい、ネクタイが曲がっているぞ」。かく言うA氏は……なるほど!ピシッとしている。いかにも「できる男」という風だ。っていうか、へぇ……随分高そうな腕時計をしているなぁ。そして、商談が始まる。商談相手とA氏は、随分親しい間柄のようだ。2人は、笑顔で話し始める。主人公は、A氏の隣で集中する「Aさんから交渉術を学ぶんだ!」。しかし……様子がおかしい。

嘉村 ほぉ……。

三葉 長々と雑談が続いた後、商談相手が「じゃあ、コレで」と発注書を差し出す。A氏が受け取り、うなずく……で、おしまい。主人公はポカンとする。価格交渉などは……一切なし!?

嘉村 ふむふむ。

三葉 さらに、その発注書をチラッと見てみると、随分高い金額が記入されていた。正規の価格の3割増し。……何だ、コレ。

嘉村 あー、もしかすると……。

三葉 ええ、賄賂ですね。通常よりも高く受発注し、その差額を2人で山分けしていたのです。

嘉村 ははぁ……。

三葉 顧客の会社を出たA氏は、主人公の顔を見てニヤリと笑う「何か言いたそうだな」「いえ、そんな……」「新人が遠慮するのはいかんなぁ。先輩にはドシドシ質問しなさい」「あの……では、先ほどの……」。A氏は、あっさり認める「ああ、賄賂だよ」。主人公はショックを受ける。よく知らないが……賄賂って犯罪だよな?コレ、ヤバくない!?A氏は続ける「お前が何を考えているのかよくわかるよ。だがな、きれいごとばかりでは生きていけないんだ。お前は、どんな人間になりたいんだ?現実を直視せず、甘っちょろい理想論ばかり掲げる脳味噌お花畑野郎か?それとも、清濁併せ呑む度量を持ったビジネスパーソンか?もし現実を直視する勇気がないなら、悪いことは言わねぇ。異動を申請するんだな」。

嘉村 ふーむ……。

三葉 さらに、A氏は続ける「朝っぱらからジムに行って、高い肉を食って……どうだ?遊んでいるように見えたか?遠慮するなよ。『仕事しなくていいのかな?』なんて思っただろ?その疑問はもっともだ。でもな、オレたちの仕事は何だ?……そう、営業だ。そして、営業というのは客商売だ。お客様に喜んでいただく仕事だ。『だらしなく弛んだ体をしたヤツ』や、『旨いものも食えず、人生に不満を抱えたようなヤツ』が、一流のサービスを提供できると思うか?お前がお客様の立場ならどう思う?……わかるな?そう、全部仕事なんだよ」。

嘉村 うーむ。何やら正論めいたことを言いますねぇ……。

三葉 そして、A氏は主人公の顔を覗き込む「ここがお前の人生の分かれ道だ。この後、オレはお前に腕時計をプレゼントするつもりだ。そうだな、100万くらいするヤツだ。ハッキリ言っておこう。そのカネは、賄賂の分け前だ。……お前には受け取る覚悟があるか?」。

嘉村 この状況で、新入社員が「ノー」と言うのは難しいでしょうねぇ。

三葉 主人公は考える。色々違和感もあるが……それは自分がまだ学生気分でいるからだろう。いかんいかん!オレはもう社会人なのだ!気分を引き締めないと。そして、改めて考えてみると……なるほど!「きれいごとばかりでは生きていけない」か。確かにその通りだ!目的達成のためには何だってする。それが「プロ」というものなのかも……いや、A氏が言うんだ!間違いない!それがプロなのだ!

嘉村 なるほど……。

三葉 とまぁ、このように主人公は納得しました。ところが……A氏の行動はますます過激になる!

嘉村 ほぉ。

三葉 彼の「営業テクニック」は、賄賂だけではなかったのです。すなわち……私立探偵を雇い、顧客を監視させていた。A氏曰く、「弱みを握れば、商談なんてちょろいものよ」。

嘉村 確かにそうでしょうが……。

三葉 さらに、独特の性癖(幼児愛、SMなど)を持つ顧客には、売買春を斡旋していた。

嘉村 ええっ……。

三葉 A氏は「使えるものはすべて使う。それがオレの主義だ」と豪語するが……さすがに、主人公はついていけない。

嘉村 まぁ、そうでしょうね……。

三葉 主人公が「帰社したら異動願いを出そう」と決意した頃、A氏は主人公を廃ビルに連れ込む。そして彼をその場に残し、去ってしまう。

嘉村 ほぉ。

三葉 その廃ビルには、見るからに恐ろしい男たちがたむろしていた。彼らは、「お前をボコボコにするよう、A氏から依頼された」と言う。主人公はショックを受ける。そんな!

嘉村 ふむふむ。

三葉 と、事ここに至って、ようやく真実が明らかになります。すなわち、A氏は「すべてはお客様のため!会社のため!」なんて嘯いていたが……全部嘘!A氏率いる第8営業チームは、腐りきっていたのです。彼らは賄賂を初めとする犯罪行為によって私腹を肥やし、しかも近々、チーム丸ごと独立する計画を立てていました。彼らは顧客の弱みを握っています。彼らが独立すれば、顧客もついていくでしょう。会社は甚大なダメージを受ける。すなわち、会社に対する裏切り行為です。さらに、独立後は顧客を脅して、不当な利益を得ることを計画していた。言うことを聞かぬ顧客を脅すために、半グレチームとコネクションを築いているそうだ。

嘉村 ふーむ……完全な悪党ですね。

三葉 A氏は、主人公を自分たちの仲間に引き入れるつもりでした。「金を握らせれば忠誠を誓うに違いない」と考えていた。しかし……目論見は外れた。主人公の顔には、「もうついていけない」と書いてあった。A氏は諦めた。こいつはダメだ。しかし、多くの秘密を打ち明けてしまった。それを暴露されては困る。だから……痛い目に遭わせるしかない。絶対に口外せぬよう、たっぷり脅す必要がある。かくして、主人公は廃ビルに置き去りにされたのです。

嘉村 ふむふむ。

三葉 その後、主人公はひょんなことから無事脱出。そして「よくも騙してくれたな!一発殴らねば気が済まん!」とA氏を探し、引っ叩き、「お前の悪事はすべてばらしてやるぜ」と啖呵を切って……で、この物語は幕を閉じます。

嘉村 なるほど。


案②


嘉村 続いて、「案②」にまいりましょう。

三葉 はい。「案②」は、「『トレーニング デイ』 ~『ハメられた中学生』編」です。


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嘉村 今度は、中学生!

三葉 ええ。まずは、「トレーニング デイ」との比較表をご覧ください。


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三葉 「案①」は「運悪く、『悪徳組織 = 第8営業チーム』に配属されてしまった新入社員の物語」でした。それに対して、「案②」は「運悪く、『悪徳組織 = 学校の問題児グループ』に加入してしまった転校生の物語」です。

嘉村 ほぉ。

三葉 さて……一般論として、転校生は大きな不安を抱えているものです。新しい街、新しい学校、新しいクラス、そして新しい友だち。果たして、自分は馴染めるだろうか?

嘉村 ええ、心細いでしょうね。

三葉 転校初日、そんな彼に、隣の席の少年が声をかけてくれた「オレ、○○!よろしくな!」。不安でいっぱいの主人公には、救いの神に見えた。しかも……爽やかな笑顔!休み時間には、彼の周囲に友だちが集まってくる。コイツ、絶対いいヤツじゃん!よーし、友だちになろう!……と思うのも無理ないでしょう。

嘉村 ふむふむ。

三葉 ところが……それが悪夢の始まりだったのです。そう、その少年は問題児グループの一員だった。主人公は、「うちの学校ではコレが普通だよ」「きみが以前住んでいた街では違うかもしれないけれど、この地域では○○することが多いな」なんて言葉に騙され、悪の道に引きずり込まれていく。しかし、やがて彼らの本性に気づいて……というのが「案②」です。

嘉村 なるほど。

三葉 以上、「『トレーニング デイ』をリスペクトした物語」のアイデアをご紹介しました!


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 最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。

(担当:三葉)

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