大山鳴動して鼠一匹（さんざん大騒ぎしたわりに、結果が呆気ない）　～ドラマ「ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則」（シーズン1）の場合

シェルドン「新鮮な卵を使うべし」

ドラマ「ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則」（シーズン1の第4話）

◆概要

【大山鳴動して鼠一匹（さんざん大騒ぎしたわりに、結果が呆気ない）】は「コメディシーン、ギャグ」に関するアイデア。

◆事例研究

◇事例：ドラマ「ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則」（シーズン1の第4話）

▶1

本作の主要キャラの1人・シェルドン（20代後半の男性）。

彼は天才物理学者である。

・Step1：ある朝、シェルドンがスクランブルエッグを作り始めた。

・Step2：しかし、それは単なるスクランブルエッグではない。シェルドンがルームメイトのレナードに語ったところによると、「これは実験さ」「卵のタンパク質から水分子を分離して、味に及ぼす効果を調べるんだ」「世の人びとのために最高の卵料理を作ってみせる！」。

・Step3：やがてスクランブルエッグが完成。シェルドンはそれを皿に移した。

・Step4：シェルドンは皿をうやうやしくテーブルに運ぶと、まずはデジカメで撮影。次いでノートに何事か書きつけた（見た目について記録したのだろう）。

・Step5：以上の作業の後、シェルドンはようやく試食を開始した。一口食べる。じっくり咀嚼する。考え込む。そしてノートにメモを取った。曰く「新鮮な卵を使うべし」（Use new eggs.）。おそらく卵が古くなっていて、変な味がしたのだろう。

▶2

天才物理学者が料理に挑戦！最高の卵料理を作り出さんといま動き出した！！写真を撮る。メモを取る。じっくり味わう。考え込む。そして導き出された結論は……「新鮮な卵を使うべし」。

多くの鑑賞者が「さんざん煽っておいてお前、その当たり前すぎる結論かよ（笑）」と思わず噴き出してしまったことだろう。

この肩透かしが最高だ。

まさにこれ、【大山鳴動して鼠一匹（さんざん大騒ぎしたわりに、結果が呆気ない）】式のコメディである。

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