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#5 / 白羽玲子さん、仲間と共に地球にも人にも優しいプロジェクトを推進。アップサイクルに取り組みながらサーキュラー・エコノミーも同時に行う「KURAMAEモデル」に注目!

港区から始まった100人カイギ。今回は東京下町エリアの代表格、台東区100人カイギの第6回目にご登壇された、白羽玲子(しらは・れいこ)さんのパワフルな活動の原点に興味津々!アイデアをサスティナブルでみんなに優しいプロジェクへと形作る推進力、人や社会に向けるやさしいまなざしについてお話をお聞きしました。

白羽 玲子(しらは・れいこ)さんプロフィール
大学卒業後、大日本印刷株式会社、株式会社翔泳社にて一貫してBtoBの企画・受注営業に従事する。次男が知的障害を伴う自閉症と診断されたのを機に、「障害者が地域に繋がることができる多様な仕事の創出」を目指して、株式会社縁の木を創業。現在、台東区福祉施策推進協議会委員、台東区女性創業塾メンターを兼務。
珈琲焙煎処 縁の木(えんのき)WEBサイト
珈琲焙煎処 縁の木(えんのき)note

[住所] 〒111-0051 台東区蔵前2-3-1 ソレイユ蔵前
[TEL] 050ー3701ー1178
[営業時間] 店舗引取りは11時半~17時半まで
[焙煎時間] 12時から17時まで
[休業日] 日曜、月曜、祝日、お盆、年末年始

とある休日。シンポジウムにて白羽さんと出会う


――100人カイギとは全く関係ない場所で、100人カイギの登壇者とお会いするとは!私は街の歴史と文化を保全する団体のお手伝い要員として、白羽さんはどんな立場で参加されていたのでしょうか。

協力企業としてコーヒーを提供していました。

――白羽さんとお話しをするなかで、お互い100人カイギを通して繋がっていたことに驚きました。
私は、文京区100人カイギで運営を、白羽さんは台東区で登壇者として
世間は狭いのか100人カイギのつながりが広いのか!?
出会った会場が東京の歴史ある古い建物や文化資源活用方法の事例発表を行うシンポジウムだったので、有識者がたくさんいらしている印象でしたが別の地域の方との100人カイギ繋がりに驚き、白羽さんに再度会いに行き、100人カイギのご登壇時から現在の様子についてお話を伺いました。

――ご登壇後、新たなつながりや、いままでの活動に影響はありましたか。

私はいろいろなイベント会場にて協力企業として出店参加をしているのですが、台東区100人カイギの登壇者としてお話をさせていただいたことにより「100人カイギで白羽さんのお話聞きました!」ですとか
お声がけいただくことが度々あり、100人カイギがご縁でお話が弾んだり、新たなつながりになったり。100人カイギは影響力のある活動だと思いました。

白羽さんは来場者にコーヒーを振舞う


――シンポジウムで提供いただいたコーヒー、とても美味しかったです。ご馳走様でした。

私は「縁の木」というコーヒー焙煎所を経営しております。小さな焙煎機で少しずつ焙煎を行うため、いつも新鮮で、小さな単位でもオリジナルブレンドを作成が可能です。企業のノベルティーや結婚式の引き出物等としてご好評をいただいております。

「縁の木」設立は、私の次男が「知的障害を伴う自閉症」と診断を受け「親亡き後の知的障害者の働ける場所」を作りたいと考えたことがきっかけでした。
働ける場所を作るのも大切ですが地域の中で孤立することなく町の人々と協働する。そんな場所になったらいいなと。
実際彼らが町に出ることにより人々の理解は広がりを見せています。
知的障害者が強みとして持っているそれぞれの得意を活かし、こちらがやり方を工夫する。私たちはこれを「入れ歯安定剤思考」と呼んでいます。

”入れ歯安定剤思考” = 柔軟性があり押し付けないこと

――ユニークな思考法ですね。ほほえましくみんなで働く様子が目に浮かびます。

戦うのでもなく抗うでもなく矯正でも強制でもない「入れ歯安定剤思考」
持ちつ持たれつそれぞれができることをやる。その為にわかりやすくこちら側が工夫する。
仕事で使う道具や器具にもわかりやすく覚えやすいアダ名をつけて呼びます。
正しい名前を覚えることはそれほど重要ではない。それよりも覚えやすくシャカシャカ、かまたろう、コンポン等、呼び名を工夫するだけで親しみもわくし、記憶にも残りますよね。

――「入れ歯安定剤思考」そのスタンスは全ての人間関係に応用できそうです。

押し付けるのではなくできること、やりたいことを一生懸命頑張る。そして失敗しても無かったことにはしない。
失敗は糧にすることもできますから。
できないことを無理やり矯正しやらせるよりも、できることからやる。対立するよりもこちらが合わせる「入れ歯安定剤」のようにね。
全国にはクッキーやパンを作る福祉作業所が多く存在しています。縁の木では、各地にある福祉作業所との仲立ちを行い詰め合わせ商品やノベルティ-を作成し作業所の収益につなげています。手間や時間は少々かかるかもしれませんが、活動の趣旨に賛同いただける企業様や個人のお客様よりたくさいの依頼をいただいております。

――縁の木はスタッフのみなさんがとても仲良く働く姿が印象的ですね。

多くのスタッフは私が子育て中からの友達。いわゆるママ友です。それぞれの得意分野を活かして通販や焙煎などを担当しています。かれこれ20年来のお付き合いですね。

「KURAMAEモデル」ってなんだろう


――コーヒー豆をアップサイクルしたトートバックやタンブラーがとても素敵でした。パネル展示されていた「KURAMAEモデル」も気になります。

KURAMAEモデル」とは、ものづくりの街・東京 蔵前発の地域循環&アップサイクルプロジェクトを推進する事業。
日々の生活やカフェ・焙煎店の業務の中で生じる、捨てられるモノや古くなったモノに、企業のものづくりの技術や専門家のアイディア、福祉事業所の手仕事などをいれることで新しい価値を与えて生まれ変わらせる「アップサイクル」に取り組みながら新たな流通・販売を生み出す地球にも人にも優しいプロジェクト。「サーキュラー・エコノミー」も同時に行える地域環境モデルなのです。
「KURAMAEモデル」を知ってもらうきっかけになったらと思い、多くのイベントにて協力企業として積極的に参加しています。

――「アップサイクル」と「サーキュラー・エコノミー」を同時に行える地域環境モデル。しかも得意を活かして福祉事業所の雇用も創出。こんなにたくさんの事柄を一つのモデルで叶えてしまう「KURAMAEモデル」のこともっと教えてください。

カフェから出たコーヒーごみや、抽出に向かない規格外のコーヒー豆、サンドイッチ店から出るパンの耳、小学校から出た給食の残飯等は、地域に設置しているコンポストを活用して、原料は肥料に。
※子どもたちがコンポスに何を食べさせたのか。記録を残しています

欠点豆やパンの耳はクラフトビールの原料に。なんと食器にも加工することができるのです。
地域の企業や施設が関わるアップサイクルの仕組みを「KURAMAEモデル」と名付けました。アサヒグループホールディングス様や丸紅様、その他の企業様と協力しながら今後もアップサイクルに取り組んで参ります。

「KURAMAEモデル」の今後の広がりに大きな期待


――共感でつながる「KURAMAEモデル」更なるコラボも生まれそうな予感ですね。

はい。もちろんたくさんのコラボレーションが生まれるように、多くの方に知っていただきたいです。

これからも仲間と共に楽しく活動を続けます。

「KURAMAEモデル」はその知見やノウハウを他の地域・団体・企業とも共有して連携を広げています。
ご興味がある方は是非ご連絡ください!

縁の木では、クラフトビール”蔵前”の販売も行なっています

KURAMAEモデル、ソーシャルプロダクツアワードで環境大臣特別賞を受賞されました!


聞き手:今川智広・Junko Honma
文:今川智広
写真:Junko Honma

100人カイギ & stories ライター

今川 智広(いまがわ ちひろ)
文京区100人カイギ代表。岩手、沖縄をルーツに持つ、東京生まれの茨城育ち。
趣味は引っ越しと、多種多様なキャリアチェンジ。
都内各所を転々としながら子育てを経験し、下町っぽさ×新しい文化が混在する地域に好んで暮らす。
『誰もがやりたいことができる社会』を見たくて、市民大学「東京山の上大学」共同代表、間もなく終了してしまう文京区100人カイギの後続団体「みらふぃる」にて活動を全国に広げ、ゆるやかな紐帯である「スナック超越」を都内各所で気まぐれ開店。

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