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デザインの本質は植物のフォルムにある? カール・ブロスフェルトという写真家 (KARL BLOSSFELDT)

今回のテーマは
植物写真からデザインの本質を考える。なんて書くと大袈裟ですが、、植物の形態の魅力を見てみたいと思います。
そして、単純に好きなアーティスト紹介することです。

という訳でKARL BLOSSFELDTについて、僕の持っている写真集からサンプルも含めてどんな写真家だったのかを見てみましょう。

どんな写真家だったのか?

彼の本職は装飾美術家です。

美術館での研究として自然界で発見した形やパターンを紹介するために植物の写真を収めていました。 

なので、写真家とは名乗っていませんでした。 


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バウハウスでの展示会

カール・ブロスフェルトの植物写真はプロダクトデザインの草分けでもあるBauhausという学校でも注目されていました。

1929年6月にはバウハウスでも彼の展示会が行なわれました。

そのきっかけになったのは1928年に発行された96枚もの植物写真を収めた「芸術の原型」という写真集です。ドイツ語でUrformen der Kunst (ebayで初版が600ユーロ越え!)
カンディンスキーも夫人から彼の写真集を贈られたとか。

彼は初の写真集発行の4年後(61歳で)亡くなってしまいますが、それまでに10箇所を超える展示会が行われました。この事からも彼の写真のもつ魅力、植物の魅力がわかると思います。

その後もカール・ブロスフェルトの写真はいろいろなバージョンで編集され今でもアマゾンで買うことができます。


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どうやってデザインに活用するか・・・

僕はジュエリーデザイナーなのでジュエリーあるあるですが、植物をそのまま鋳造してから成形するなんていう植物の活用方法があります。

あとは植物のテクスチャーなんかも真似ると金とか真鍮のだとよくマッチしますね。


現在の工業デザインでは他の自然界の現象を元にデザインすることも多いようなので応用は難しいかもしれませんが、

植物の持つ普遍的な魅力は生活の中にデザインを取り込む時にはきっと役に立つはずです。アールヌーボーなんかもいい例だと思います。

インテリアとして部屋に飾るのもいいと思います。

あとは自然信仰やプリミティブアートにも関わる要素があるのでその辺もいつか深彫りできたらなと、思います。

もしカールブロスフェルトが好きになった方は、
エルンスト・ヘッケル(Ernst Haeckel)もぜひ調べて見てください。

以上です。


こっからは個人の覚書です。

カールブロスフェルト(1865-1932)
死ぬ4年前に初の写真集
もともと10代の頃は鍛冶職人として柵とか作っていた。
すでにアールヌーボーに親しんでいた。

装飾芸術家artist Moritz Meurerに師事、ローマへ。
北アフリカ等で植物の収集をする。
その後30年間ドイツで教える。
装飾美術館、工芸美術館(Kunstgewerbemuseums Berlin)

KARL BLOSSFELDTは写真の版に丁寧なレタッチ等を加えていた職人気質な人だった。
写真に関しての詳しい、マニアックな研究はこちら
Hanako Murataさんの記事(PDF)
Material Forms in Nature: The Photographs of Karl Blossfeldt (2014)

出版のきっかけになった人物
gallerist and collector Karl Nierendorf 
当時6000枚以上の植物写真があった。

出版から沢山の展示会が開かれたがそれまでは師匠と数回展示会を開いたくらいだった。そして、写真以外の作品について全然しらない。

当時の評論家の言葉 
The critic Walter Benjamin was one of the first to review Blossfeldt’s book, claiming his fellow German had discovered the "optical unconscious": that which was invisible to the naked eye, revealed retrospectively or technically through the apparatus of the camera. In this sense, Blossfeldt completes Goethe’s idea of the Urpflanze — a primordial plant that contains within itself an infinity of potential forms: when dogwood becomes a bishop’s staff, when horse-chestnut shoots become totem poles, and the curly stems of the fern become iron railings. It is an art of revelation — "new objectivities" of nature revealed through the camera.


関連して気になったタグ
Ernst Haeckel、Man Ray、シュールリアリスト、モダニズム、アウグストザンダー、Moholy-Nagy,New objectivity, 評論家 Walter Benjamin

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