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鈴木千佳子の日記 ~小学生のころ~

読んで字のごとく、

千 佳きかな の子、です。

今でこそ、よくぞ付けてくれました!

と感謝ですが、昔はあまり、

好きな名前ではありませんでした。

当時”チカンこ”などと、

実に低俗な呼び方をされたからです。

「うるさいッ!」と、どなればどなるほど、

「ホンマはホンマにチカンやな~」と、

生粋の埼玉っ子が使ってはいけない言葉で

ナメられたりもしました(ホンマは私の旧姓)。


小学生男子というのは厄介なものですね。


でも母から、

「いいことがたくさんあるように、って
願いを込めて付けたんだよ」

そう教えてもらって、じんわり、じんわり、

嬉しくなってきたのもこの頃でした。


子どもというのは純粋なものですね。



初夏だった、と思います。

父に、

「自転車で駅まで迎えに来い」

と命令されました。

父は、それはもうおっかない人だったので、

小学生の私は、必死の大汗をかきながら、

仰せに従うしかありません。


帰り道。

自転車のうしろに乗りながら、

お父さん、こわいんだもの。
話すことなんてなんにもないや。

とウツウツしていた私でしたが、

道端に咲いていた百日草を見て思わず、

「ねえねえお父さん!」

と叫んでいました。

「百日草ってさ、
百日咲いてるから百日草、
じゃないよね。

たくさんの時間、
きれいに咲いてるからだよね。

私の千と、一緒の意味だよね」


父に、花の知識なんかあるわけありません。

でも父は、そうだよ、と云いました。

「おんなじだ。
オマエはいいこと、いっぱいあるんだよ」

なんだかホッとして、

泣きたくなったのを覚えています。


数少ない、ほんとうに数少ない、

亡き父との優しい会話です。

#日記 #暮らし #思い出 #親子 #父娘

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