元実況アナの週一コラムvol.2・名馬スペシャルウィーク編

スペシャルウィーク

久々にファンが目の当たりにした、
今年の日本ダービー‼️
驚愕のレコードに、
東京優駿6勝目となる
天才の手綱捌きに
魅了された瞬間だった。

そんな4000勝を超える名手武豊騎手が、
初めてダービーを制覇した馬!

トントン拍子で勝ち星を
積み上げていったジョッキーでも、
デビューから
中々勝てなかった競馬の祭典。

今では嘘のようだが
その念願が叶ったのが
24年前!
デビュー12年目
実に10回目の挑戦だった。

いつしか武豊は
ダービーは勝てない⁉️と、
ファンの間で言われる様に
なっていた状況を見事打破‼️

胸のすくような
5馬身差の快勝劇、
ファンの囁きを粉砕した。
 
ただ圧勝のゴールシーンで
武豊騎手の手にムチはなく、
何と最後の直線で落としていたのである。
正に「弘法も筆の誤り」
悲願の重さが伝わってきた。

それが第65回日本ダービー、
今年が89回だから
かなりの年月が経ったものだ。
初の兄弟横綱・若貴ブーム
和歌山毒物カレー事件で、
清水寺の今年の漢字に
毒が選ばれた年である。

そんな天才に大きな勲章を
プレゼントした
スペシャルウィークには、
誕生秘話がある。

父・サンデーサイレンス
母・キャンベンガールの配合で、
1995年5月2日に生まれた。

しかし子供を受胎してから
母・キャンベンガールは、
幾度も腹痛に襲われ衰弱。
何とか我が子を出産したものの、
1週間もたたずに
この世を去ってしまったのである。

子を慕う母の思いは、
人間も馬も一緒!
それを察するかのように、
少し距離の有る馬房にいた
スペシャルウィークは
母の死を感じ取ってか?
暫くイナナキを続けていたと
牧場関係者は振り返る。

その後代わりのお母さんを
ばんえいの農耕馬が
務めるも性格が合わず、
人の手をかけ育てられた。
その分、
他馬以上の人懐っこい
性格を手に入れた。

今振り返れば、
多くの人の優しさに触れた
スペシャルウィークが
ダービーを勝てていなかった鞍上を
恩返しとばかりに
ムチが無くても
グイグイ伸びたのではないだろうか‼️

大きな悲しみから始まり、
人間の愛情で苦難を乗り越え
栄光のゴールに辿り着いた

競馬ファンにとっても
天才・武豊騎手にとっても
24年前のダービーは
本当にスペシャル❗
な1日だった。

その後も天皇賞春・秋連覇等、
輝かしい成績を残し
ウイニングランを行いながら
4センチに泣いた
有馬記念で引退。
シーザリオ・ブエナビスタと言った
名牝の父親となった。 

そして4年前の
2018年4月27日、
何の前兆も無く訃報が届いた。

最期の時を迎えたのは、
北海道日高にある
大洋牧場。
そう23年前
母が自分の命と引き換えに
スペシャルウィークを産んだ
生誕の地だ。

しかも死亡した4月は
母親キャンベンガールの誕生月!
我慢してきた感情を解き放ち、
お母さんの基に駆け出したのかな⁉️

愛情を貰い
お世話になった人には
迷惑を掛ける事も無く、
ファンを心配させる事も無く!
ダービーを勝った時の様に
物凄いスピードで天国へ・・・
 
知らせを聞いた武豊騎手は
「自分をダービージョッキーに
してくれた馬、
特別な1頭です。
沢山の想い出があり、
一生忘れられない馬です」と
肩を落としながら
かつてのレースを
思い浮かべながら
話した姿が印象に残る。

今頃はお母さんに一杯
甘えられてるかな?
いやお母さんの方が
喜んでいるかな?

自分の命を犠牲にしてまでも、
子供の命に懸けた
甲斐が有ったと思います。

スペシャルウィーク❗
本当に特別な馬だった・・
2022年 8月10日







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