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【金融基礎講座】①複利と単利の違い

金融基礎講座シリーズその① 金利の種類である複利と単利の違いについて


【結論】金融においては1年以内の金利は単利、それ以上だと複利で計算するが、長期投資の前提では複利だけ理解すれば十分

ご自身の資産運用を考える際、複利という言葉を耳にしたことがあるでしょう。複利は、時間と共に大きな力を発揮する資産運用の基本です。本講座では、複利と単利の違いを理解し、長期投資の効果について考えます。

単利とは

単利とは、投資元本に対してのみ利息を計算するものです。

例えば、元本が100万円、利率が1%の場合を考えます。なお、金利や利率といったとき、1年間を基準にして計算します。3年間運用した場合、利息は100×1% = 1万円が3回分受け取れるので、最終的には103万円になります。非常に直感的でわかりやすい計算ですね。

複利とは

複利とは、投資元本だけでなく、利息も対象に入れて計算します。

同じく、元本が100万円、利率が1%の場合を考えます。この場合一年後、利息は100×1% = 1万円受け取れます。もう一年後は、101×1% = 1.01万円受け取れます。さらにもう一年後は、102.01×1% = 1.0201万円受け取れます。したがって、合計103.0301万円受け取る計算になります。単利と比べて、301円分違いが出ました。

注意点:逆に、最終的にちょうど3万円の利息を受け取る利子は1%より小さいため、直感にやや反している印象があります。皆さんもお金を借りるときは直感的に考えてしまうと思ったより利息が多いぞ、となってしまうのでご注意ください。

資産運用で複利の恩恵に預かる方法

次に、複利の恩恵に預かるためにはどのような投資が良いのか考えます。

例えば日経平均に月々1万円ちょうど積み立てていくとします。ちなみに、厳密にいうと、日経平均に投資するとは、日経平均の動きを再現するファンドに投資することです。

さて、これ日経平均への投資と複利は一見関係はなさそうです。どこに複利の要素があるのか?それは、配当です。

日経新聞のページによると、平均配当利回りは1.79%でした。簡単のために1.8%で考えると、日経平均への投資元本に対して年間1.8%程度の配当が受け取れます。この配当もさらに日経平均へ投資すれば、これこそ複利になっています。
※税金は考慮せず

こうして、定期的に投資し、配当すらも再投資してしまうのが複利の恩恵に預かる方法でした。実は、この定期積立は最善手であることは歴史的に見て明らかですが、それは現代ポートフォリオ理論の記事で取り上げることにします。


理解度確認クイズ

  1. 単利とはどのように計算されますか?

  2. 複利の利息が増える理由は何ですか?

  3. 100万円を年利5%で10年間複利運用した場合、最終的な金額はおおよそいくらになりますか?

回答

  1. 単利は元本に対して一定の利率がかかり、利息は元本のみに基づいて計算されます。

  2. 複利では、利息にもさらに利息がつくため、元本が増えるごとに利息が増加します。

  3. 約162.9万円になります。
    複利計算式で求めます:100万円 × (1 + 0.05)^10 = 100万円 × 1.6289

次は、リスクとリターンの関係について考えてみます。お楽しみに!


免責事項

本記事は、一般的な金融知識の提供を目的として作成されたものであり、特定の投資、税務、法律に関するアドバイスを提供するものではありません。投資判断や金融に関する意思決定は、ご自身の責任において行ってください。

また、本記事で提供される情報は執筆時点のものであり、正確性や信頼性について万全を期していますが、これらの情報が完全であること、または将来にわたって変わらないことを保証するものではありません。金融市場の状況や法令等の変更により、情報が変わる可能性がありますので、必要に応じて最新の情報を確認してください。

投資はリスクを伴うものであり、元本の保証はされていません。投資に関する最終的な判断は、専門のアドバイザーや金融機関と相談した上で行ってください。

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