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ケース面接で意識していたことまとめ

こんにちは。なおきんちゅと申します。私は25卒としてコンサル業界を中心に新卒就活をし、縁に恵まれTier2~3の戦コンなどから内定をいただきました。今回は、備忘のために私がケース面接で意識していたことを書きます。

基礎中心で思い出したことを徒然と書いている駄文ですがご容赦ください。


フェルミ推定・ビジネスケースとは

■フェルミ推定
ある事柄の規模や数を推定することです。フェルミ推定を用いるケース面接では、お題発表後に2~5分の思考時間が与えられ、その後発表と議論を行うことが多いです。

「あるラーメン屋の年間売上を推定せよ」
「日本のバスケを趣味とする人口を推定せよ」…などなど

■ビジネスケース
あるテーマに対する施策や論点を考えることです。ビジネスケースを用いるケース面接では、お題発表後に0~10分の思考時間が与えられ、その後発表と議論を行うことが多いです。極稀にビジネスの枠を超えた特殊なお題が出ます。

「あるラーメン屋の売上向上施策を提案せよ」
「ある大型百貨店の成長戦略を提案せよ」
「ある自治体における廃屋問題を解決できる施策を提案せよ」
「A社がB社をM&Aする場合に検討すべき論点を網羅構造的に示せ」
(特殊な例)「幸せとはなにか」 …などなど

フェルミ推定・ビジネスケース共通のポイント

■入室後、必ず自分から明るく挨拶する
基本です。面接の第一印象は非常に重要なので、絶対にやっていました。なお、挨拶のトーンは「ラ」の音だとなんとなく印象が良かった気がします。

■明るく、堂々と自信を持って話す
大前提、コンサルタントはプロフェッショナルとして自身のスタンスや考えをしっかりと伝える必要があります。そのためには、堂々と自信を持って話す必要があります。緊張していると意外とできないので、当時私はPCに「明るく、堂々と!」と書いた付箋を貼っていました。

■簡潔で結論ファーストを基本とし、状況に応じて話す量を変える
面接は会話なので、相手が聞きたいことに答える必要があります。Yes or NoであればYes or No (+簡潔な理由)といったように答えることを意識していました。多くの面接官はそれを受けて深堀りをしてくださるので、長くダラダラと喋るよりも好印象になる可能性が高いです。一方で、稀にあまり深掘りをしない面接官も存在します。その場合は、ケースバイケースで問われた論点の一歩先まで話してみるのも手だと思います。

■話す内容はなるべく構造化する
ビジネスにおいて、変数の見落としは致命傷になりかねません。ケース面接においてもこれは同様です。自身が構造的に俯瞰して物事を考え、論点設計ができることを示すためにも、話す内容はなるべく構造化していました。なお、構造化の際には、因数分解(客数x客単価)、対義語(需要・供給)、フロー(サイト検索→訪問→興味→購入→レビュー)、フレームワーク(3CとかAIDMAとか)などを思考のフックにしていました。

■フレームワークの名前は明言しない
対策厨だと思われるからです。たとえ思考のフックがフレームワークだったとしても、自分の言葉でその構造と選んだ理由を説明できるよう意識していました。

■話す内容に優先度をつける
内田さんの「仮説思考」「論点思考」、安宅さんの「イシューからはじめよ」など多数の名著で述べられているように、ビジネスでは仮説ベースで重要な論点のあたりをつけ、検証していくことが重要です。ケース面接も同様だと考え、重要な論点に時間を使い、細部は問われた場合のみ話すようにしていました。

■「素直でいいやつ」になる
一緒に働きたいなと思われるよう振る舞いましょう。具体的には、指摘や修正を素直かつ柔軟に受け止めて議論を深化させる、知らないことは知らないと言う、自然体でいきいきと面接に望む、などを意識していました。

フェルミ推定特有のポイント

フェルミ推定の一般的な流れは、問題発表と前提確認→思考時間→発表→深堀りです。この流れに沿って、意識していたことを書いていきます。

問題発表と前提確認

■問題が発表された瞬間に思考を始める
思考時間が短いので、なるべく問題発表の時間を有効活用しましょう。このとき考えていた事としては、「そのテーマ特有のポイントはなにか」「その数字を算出するために不可欠な要素はなにか」です。思考時間が始まるとトップダウンで式の分解を始めることが多かったので、このタイミングではボトムアップに思考を寄せていました。

■議論の前提を理解する・すり合わせる
フェルミ推定では、前提が曖昧なお題が出題されることも多いです。例えば、「あるラーメン屋の年間売上を推定せよ」などです。この際、瞬時に「立地によって導出アプローチが大きく変わる」と考え、面接官に「ラーメン屋の立地等は一般常識の範囲で前提を置いてもよいですか?」などと前提確認を行うよう意識していました。

思考時間

■テーマの特性を反映しきれていないポイントを深堀りする
「問題発表と前提確認」で考えたテーマ特有のポイントを鍵に、テーマの特性を反映しきれていないポイントを深堀りしていました。例えば「缶ビールの市場規模」を「お酒を飲む日本人の数x飲酒頻度x缶ビール選択率x1回あたりの飲酒本数x単価」としたとき、「ビールは店ではなく家で飲むものだ」と考え、「缶ビール選択率」を「家飲み頻度x缶ビール選択率」に置き換えるなどです。

■一桁の割合は避ける
「選択率」等でありがちです。1%とか2%とかを値に置いてしまうと、この数字だけで結果が数倍もブレることになってしまい、推定の信頼感が損なわれます。また、このような値を置かざるを得ない場合はニッチな商材のテーマが多く、そもそも「選択率」をとるアプローチが間違っている可能性が高いです。例えば、日本のバスケを趣味とする人の人口なら「バスケ趣味選択率」のアプローチではなく、「学生時代のバスケ部人口」を「学校数xバスケ部設置率(70%はあると思う)x学校あたりバスケ部の人数」で導出したうえで、「社会人での離脱率」を80%とか置いて求めるほうが筋が良いです。

■数字の規模感を簡単に検証する
フェルミ推定はあくまで推定ですが、数字のずれには許容範囲があります。あまりにずれすぎると「センスがない」と判断されてしまうため、別の因数分解で簡単に数字の妥当性を検証していました。

発表

■固定フォーマットで話す
ビジネスケースと異なり、フェルミ推定は発表のフォーマットがほぼぶれません。必ず「結論→前提→因数分解式とその理由→値とその理由→結論」のフォーマットで説明していました。

■重要なポイントだけ話す
例えば、セグメント分けの値一つ一つに説明を加えていたら発表だけで時間が終わってしまいます。「メイクする女性の割合は、それぞれ10%・95%・30%と置きました。思春期以前と高齢者はメイクすることが少ないからです」などと簡潔な説明を心がけていました。

深堀り

■「その値は妥当?」対策
複数の方法がありますが、主に別の立式に当てはめて計算する・似た商材の数字を引用することが多かったです。「〇〇で割る」等は、検算であって妥当性の検証にはならないのでやめましょう。

■「他のアプローチは?」対策
フェルミ推定で発表に満足されると、よくこれを聞かれます。立式を検討する段階で、アプローチは複数考え、選ばなかったアプローチ候補も簡単にメモするようにしていました。

ビジネスケース特有のポイント

ビジネスケースも同じく、問題発表と前提確認→思考時間→発表→深堀りの流れを取ります。この流れに沿って、意識していたことを書いていきます。

一部、フェルミ推定と似たことを書いていますがご容赦ください。

問題発表と前提確認

■お題のタイプを見極める
ビジネスケースでは様々なお題が出題され、そのタイプによって意識すべき前提が大きく変わります。私は、お題のタイプを「売上向上・成長戦略・公共系・網羅構造・特殊系」の5つに分け、問題発表時にそれがどれに当てはまるかを考えていました。ちなみに、網羅構造とは「A社がB社をM&Aする際に検討すべき論点を網羅的かつ構造的に列挙せよ」という、マッキンゼーでよく出題されるタイプの問題です。

タイプに応じて最低限考えるべき前提は以下の通りだと考えています。
売上向上・・・施策の期間、業績向上幅、ビジネスの特徴
成長戦略・・・施策の期間、業績向上幅、ビジネスの特徴、(パーパス)
公共系・・・施策の期間、目的、背景、ステークホルダー、テーマの特徴
網羅構造・・・目的、背景、ステークホルダー、テーマの特徴
特殊系・・・ケースバイケース(例:「幸せとはなにか」→主観か客観か)

■問題が発表された瞬間に思考を始める
思考時間が短いので、なるべく問題発表の時間を有効活用しましょう。このとき考えていた事としては、「そのテーマ特有のポイントはなにか」「3C、PESTはどうなっているか」「そのケースにおけるKSFはなにか」です。思考時間が始まると仮説ベースで論点設計を行う必要があるため、それに必要な仮説をこの段階で一定固めていました。

■議論の前提を理解する・すり合わせる
ケース面接でも、前提が曖昧なお題が出題されることも多いです。例えば、「あるラーメン屋の売上向上施策を提案せよ」などです。この際、瞬時に「立地によって施策のKSFが大きく変わる」と考え、面接官に「ラーメン屋の立地等は一般常識の範囲で前提を置いてもよいですか?」などと前提確認を行うよう意識していました。

思考時間

■タイプに対応した考え方を適用する
「お題のタイプを見極める」で言及したタイプごとに思考のフックを用意していました。これが全てではないですが、よく考えていたことを一部紹介します。また、これらを闇雲に考えるのではなく、思考時間開始前に考えた仮説に対する答えが出せそうな考え方を優先的に適用します。

売上向上・・・市場動向を考える。ビジネス上の特性を考える。プロダクトとマーケティングを考える。直接競合・関節競合・代替品を考える。ターゲット・ニーズ・施策の仮説を考える。
成長戦略・・・アンゾフの成長マトリクス的に現状を考える。why 自社、why nowを軸に筋の良い仮説を立てる。
公共系・・・実情に合った切り口から分解を始める。(特にステークホルダー・需要と供給が有効な場合が多い)
網羅構造・・・テーマの特徴をベースに、分解の思考のフックをフル回転させ、最も筋の良い切り口を探る。
特殊系・・・具体と抽象を行き来する。対義語やフローを思考のフックにする。

■ヨコの論点は思考のフックを活用して網羅的に書く
ヨコの論点を検討する際に思考漏れがあるとまずいです。因数分解・時間軸・対義語・フレームワーク・フローなどの思考フックを用いて、なるべく網羅感があるように設計していました。

■タテの論点は3~4step に抑える
ビジネスケースはフェルミ推定と違い複雑なので、気づくとタテの論点を無意味に深堀りしまっている場合があります。手前味噌ですが、タテの論点が3~4step以内でない場合は無意味な分解を繰り返していると考えるようにしていました。

■why not yetを考える
一見良さそうな施策を思いついたときに必ず考えましょう。導入コスト、倫理的な問題等様々な障壁が理由で実施が難しい場合が多いです。それが正しかった場合は、障壁の解決方法も考えるか、別の施策を考えるかの2択になることが多いです。

■施策のシナジー、リスク、ボトルネックも考える
ただ施策を提案するだけでは、それを実行する側は「実行して大丈夫か?」という気持ちになります。必ず施策実施時の論点である上記3つを考えるようにしていました。

■Where to Play・How to Winを軸に考える
ビジネスケースはつまるところこの2つに答えを出す行為です。思考が詰まったりしたときに、よくこの言葉を思い出して自分のスタンスを整理するようにしていました。

発表

■一定の流れをくむ
ビジネスケースは場合により発表のフォーマットを変えますが、基本的には同じ型を用います。よく、「結論」→「現状分析」→「論点構造化」→「論点絞り込み」→「絞り込んだ論点に対して施策が妥当な理由」→「シナジー・リスク・ボトルネック」という流れを組んでいました。

■論点を絞り込む理由は明確にする
論点の絞り込み先は発表のキーメッセージになります。そのため、現状分析等をベースに、しっかりその理由を明確にしていました。なお、絞り込む理由は相対的なことが多いので、他の論点に比べた優位性を説明することが有効です。例えば、シェア1位のイタリアン飲食チェーンにおける売上向上施策であれば、「店舗内・店舗外の施策でわけたとき、店舗内はすでにDX・クロスセル・健康意識の反映等が織り込み済みで施策が頭打ちであると考えられる。よって、今回は店舗外を考える。」等です。

深堀り

■議論をドライブする
質問に対して、不自然でなければ答えに加えて次の論点も示して議論をドライブしたほうが好印象な事が多かったです。例えば、「そのリスクは検討できてなかったです。それも踏まえると、この施策の実行においてはさらに〇〇への対応が重要だと考えられます。」みたいな感じです。

■施策の質を高める意識をする
議論のドライブに関連しますが、ディスカッションを通してファーストアウトプットを柔軟に進化させていく意識を必ず持つようにしていました。いわゆる止揚です。

■「インパクトはどのくらい?」対策
ざっくり規模が出せればよいので、施策に対応する規模を即席でフェルミ推定するようにしていました。最初から上げ幅が指定されている場合は、論点設計の時点でインパクトの妥当性がわかる切り口を検討するのも手です。

おわりに

駄文にはなりましたが、見つけてくださった就活生のケース対策の一助になれば嬉しいです。また、まだ就活生でない方も、本noteをみて「考えるっておもしれー!」と思った方はぜひコンサル就活に手を出してみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました!


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