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映画音楽とウエディング

自分の結婚式を迎えるにあたって悩んだこと。式場、招待状、衣裳、ブーケ、料理、引き出物、エトセトラ、エトセトラ、エトセトラ。

その中でも、楽しみながら悩んだのがBGM。BGMなんてあまり気にする人もいないだろうな、と思っていてそれが気楽でもあったけど、式後に友人たちから「あの曲が良かったね」と褒められるとやっぱり嬉しい。

今回は、そのBGMたちをnoteにまとめてみる。テーマ(?)は「映画の中で流れる洋楽」。

<入場>Wouldn't it be nice / the beach boys~「陽だまりの彼女」より

最初は小説&映画「陽だまりの彼女」から、「素敵じゃないか」の邦題で知られる名曲を。

「一緒に生きてゆけたら、素敵じゃないか」「僕らは結婚して幸せになれるよ」という歌詞が軽やかなメロディーとともに歌われていて、これはどう考えても結婚式向き。

小説『陽だまりの彼女』を読んだらこの曲を好きにならずにいられなかったというのもある。

越谷オサム『陽だまりの彼女』新潮文庫
ISBN 9784101353616

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<ケーキ入刀>La seine / Vanessa Paradis & -M-~「モンスター・イン・パリ」より

ケーキ入刀は盛り上がるところだよと聞き、手拍子のあるこの曲に。

映画の原題は"Un monstre à Paris"、肩ひじ張らずに観られるフランスのアニメーション映画です。不思議な発明によって一匹のノミがモンスターになってしまう話なのだけど、そのモンスターはなんと音楽好きの美声の持ち主。しかも憎めなくて可愛らしい。ノミなのに!

フランス語版・英語版ともにヴァネッサ・パラディが登場人物の声をあてていて、彼女のアンニュイな歌声にうっとりする。

<乾杯>The other side~The Greatest Showmanより

このシーン、惚れるしかない。

ヒュー・ジャックマンとザック・エフロンが酒を飲み交わす格好良さといったら……!

<花嫁中座>super trouper~Mamma Mia! Here We Go Againより

お色直しのため退場するとき、隣を歩いてくれた友人が好きな「マンマ・ミーア!」から。

この曲は前作の「マンマ・ミーア!」にも収録されているけど、続編のこちらのバージョンはコリン・ファースたちが(sup-p-per troup-p-per)とコーラスするのが何とも言えない可愛さ。

<花婿中座>Baby Driver / Simon & Garfunkel~「ベイビー・ドライバー」より

BGMは私が決めることになっていたけど、この曲は夫に決めてもらった。映画タイトルの由来にもなっているBaby Driver。

この映画は私も大好きで、今まででいちばん泣いた映画かもしれない。琴線にふれた、というよりか琴線を鷲掴みにされたような気持ちになった。

凄腕のドライビング・テクニックを持つ主人公・ベイビーは純粋で心優しい青年なのだけど、悪事に加担せざるを得ない展開がなんとも切ない。ちょっと『アルジャーノンに花束を』を彷彿させる。ベイビーの純真さはチャーリイのそれと似ている気がする。

あまりに良かったので家でもう一度観ようとしたところ、序盤から泣いてしまって最後まで観られなかった。本来は決して泣くような映画ではなく、スリル満点なカーアクションを楽しむ映画のはずなんだけど。

<再入場>Another Day Of Sun~La La Landより

再入場は、サントラにも聞き馴染みのある人が多い映画「ラ・ラ・ランド」から。このサウンドトラックは丸ごと結婚式に使おうかなと思ったくらい良い曲ばかり。

この映画は「雨に唄えば」や「シェルブールの雨傘」などのオマージュがたくさんあって、中でもこのシーンは大好きな映画「ロシュフォールの恋人たち」のオープニングをオマージュしている。カラフルなワンピースが可愛い。

<歓談>Medley Des Demoiselles / Michel Legrand~「ロシュフォールの恋人たち」より

歓談の時間は、上にも書いた映画から8分半のメドレーをリピート再生した。CMでも使われている「キャラバンの到着」(上の動画)が含まれたメドレー。初めて「ロシュフォールの恋人たち」を観たとき、意図せず聞き覚えのある曲の出典が分かって興奮したことを覚えている。

ドヌーヴ姉妹の息の合った歌と踊り、ミシェル・ルグランの軽快な音楽、カラフルなファッション、ジーン・ケリー出演、と見どころたくさん。特に海兵役のジャック・ペランが美青年の中の美青年といった風貌で目を奪われる。

<デザートビュッフェ>How Long Will I Love You / Jon Boden, Sam Sweeney & Ben Coleman~「アバウトタイム」より

歌詞が素敵で、結婚式で使いたかった曲の一つ。使いどころを迷ったのだけど、扉を開けてデザートビュッフェタイムに入るタイミングで流してもらった。「君をいつまで愛していられるのかな どのくらい一緒にいられるのかな」と歌っていて、映画と併せてこの曲を聴くとなお胸に響く。

この映画はラブストーリーに分類されるけど恋人や家族との繋がりを含めた愛をテーマにしていて、私はほぼヒューマン・ドラマだと思っている。結婚式のシーンも素敵で、どしゃ降りの雨の中での式もいいなって思える作品。

<両親へのプレゼント贈呈>Cinema Paradiso~「ニュー・シネマ・パラダイス」より

私は両親への手紙を読まずに花束と月の土地(の証明書)を両親たちに贈ることにしていて、2CELLOSの映画音楽を集めたアルバムの中から「ティファニーで朝食を」のムーン・リバーと悩み、最終的にこちらに決めた。

夫と付き合うきっかけにもなった映画で、そういう曲を結婚式という節目で流せる不思議。数年前、夫と私と一緒にこの映画を観ていた友人も曲に気づいてくれて嬉しかった。私にとっては、その友人がぼろぼろに泣いていた映画としても思い出深い。

ちなみにロシュフォールに出演していたジャック・ペランは、この映画で主人公の大人役を演じている。

<退場>Don't Stop Me Now / Queen~「ボヘミアン・ラプソディ」より

最後は明るく退場したいね、と夫と話して決めたのはこの曲。映画でもエンドロールで流れている。"Don't stop me now I'm having such a good time"と歌う曲を流して、しんみりしないお開きに。


以上10曲、私が結婚式で流したBGMでした。

候補を絞り込むために「映画音楽」「洋楽」しばりにしたものの、それでも使いたい曲が多くて長年愛用しているiPodとにらめっこしていたのが既に懐かしい。

結婚式の想い出のひとつとして、ここに置いておきます。


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