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『岡本昌也は映画が撮りたい!』#1

文と映像を通して、岡本昌也がものづくりについて考えるエッセイです。第一回はマガジンを始めたきっかけと「映画作り」について。映画撮影のための極短映像『フラグメンツ』シリーズも掲載します。

フラグメンツ#1『龍門』

志村よ、呪いをありがとう。

 俺は普段、一人称を「ぼく」というがそれは麗しき青春時代に「フジファブリック」を聴きすぎたせいでしかない、あるいは志村が自らを「ぼく」と呼んでいたのを「かっこいい」と思ったからだ。本来はおれ、だよーん。
さて、俺のことはいろんなフルーツのなる木だと思ってくれればいい。なにを作っていても、使う脳や筋肉は変わらないし、レンジが広いというのはこのご時世、特段珍しいことでもない。しかしひとつだけ、俺にもまだ「なってない実」がある。映画だ、映画を撮りたい!タランティーノ、大林宣彦、ホドロフスキー、キューブリック、園子温、アンダーソン(ロイもウェスも)次点でヒッチコック、庵野秀明、フェリーニ、小津安二郎、ゼメキスとスピルバーグ、ドキュメンタリー部門で森達也と想田和弘も入れておこう。影響を受けた作家は9割が映画を作っている。だが俺は、映画をまったく撮らず演劇ばかりにうつつを抜かしている。劇団まで立ち上げて、しかもちょっとうまくいっている。ていうかたのむ、もっとうまくいってくれ!応援よろしくお願いします。映像の大学まで入ったのに……いや、過去に何度か「撮ろうとはしている」のだ。古いPCのHDDにはどこにも出していない短編映画が2本、大学は、卒業制作の映画を提出後、中退した──。
そこまでして、なぜいま撮ってないんだ……ちがう、撮りたいけど、撮れないのだ。好きすぎて。

岡本昌也と小松菜奈

 むかしから、好きすぎるものに対する過剰な畏怖がある。俺は、小松菜奈が大好きだ。だって、瞳は世界一深い穴みたいに黒いし、肌は透明“感”っていうかもう透明だしさ、アンニュイな表情からちゃんと人間臭さも漂ってくる……本当に……本日も存在してくださり有難うございます。だからこそ思うのだ。「俺の人生と彼女の人生はたった一度も交差しなくていい!」そもそもしないから大丈夫なのだが、この神格化ともいうべき距離の取り方を俺は、映画にもしてしまっている気がする。……いや、ちがう。ものっそ回りくどい。また、逃げている。もう言ってしまおう。ありのまま言えば、撮れない理由はただひとつ、「拙さとむかいあう」ことができないのだ。これに尽きる。3度、映画を撮ろうとして撮れなかった原因は撮ったものと撮りたかったものの明らかな差異。「俺が撮りたいものは、俺には撮れない」というしょーもない虚栄心。すべての作家がはじめに必ず乗り越えなければならない低い低いハードルである。

だからおれは、撮る

 キーボードを叩く指が熱を帯び、「スタカーン!スタカーン!」と文字を打っているせいでベビーフェイス・プラネットの店員が「はよ帰れ」という念を込めて空いているお皿をお下げしたがあえてこのまま続けよう。待ってくれ、おれはいま、インターネットに青臭い話を書いてるんだ。
 作家が「拙さとむかいあう」のにもさまざまな方法があるだろう。本当に作りたいものがなんなのか、紙に書いてみるのでもいい。先輩や同世代の作家に話を聞いてみるのも効果的だろう。友人に相談するだけでも、気が晴れるかもしれない。だいだいみんなそうだ。何かを作るとたいてい経験する、自分の作った拙い作品を「えいっ」と世の中に送り出すまでの小さい葛藤、だれも見てない戦い。そもそも、そんな葛藤をしなくても作品をぼんぼん世に送り出せるPL学園みたいな精神性の奴(野球をよく知りませんが)もいるだろうが、俺は、少なくとも映画においては、そうじゃなかった。だからまずはインターネットに文章にしたためる。それから映像を撮って、まずは、10秒でもいい。ほんとうに小さくてもいいから編集して出していく。これは俺が撮りたい映像を撮って、拙さを乗り越えて映画にするまでのドキュメンテーションだ。もうすでにこれ自体「みんな、興味ないよね?」的な不安でいっぱいだ。なんかリハビリみたいな空気も漂っている。まあいい……これから、やってこって思う。学んだ技術的なこととかもいっぱい書いていきたい。ともだちの映像作家の人たちもいろいろ教えてほしい。ほんで、いつか完成したら、見にきてください。

いままではこんなのを撮っていた

第一回ということで、これまでに作った映像作品を載せておきます。お時間ございましたらぜひ。

とりま5kaiの曲がクソいい。安住の地の森脇がいろんなものを食いまくる。
5kai『ポートレイト』MV

インターネットで自撮りを公募して作ったドキュメンタリー映画。音楽はバカがミタカッタ世界。
『えっと、@創造主、ふわり終末ろん、feat 世界。』

岡本昌也は映画が撮りたい!#1
【月4回更新予定】

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ローソンのLチキのうま辛(まあなんか、都合のいい存在かな)
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1995年、冬生まれ。演劇作家・映像作家。京都在住。劇団/アーティストグループ『安住の地』に所属してます。       安住の地HP↪︎http://anju-nochi.com/

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