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私が転職してきた理由

 5社以上転職してます。
 ですが、ずっとITエンジニア。
 これを転職というかは、私の中で疑問ではあります。

 昔から、自社製品提供の企業や、今ならばITサービスを生業としている企業がたくさんありますが、誰でもネットが身近になる前は、ほとんどのITエンジニアと言えば、下請けであり、偽装派遣等と言われたSES型企業で働く人の方が多かったかと思います。

 業界としては、3Kどころか4Kや、終いには6Kなどと言う言葉が2000年頃にはでてきており、いわゆるブラック業界でもありました。
 離職率が高いと同時に、同じ業界で転職と言う事も多く、ある種の業界内での流動化は行われていたのでしょう。
 30前半で転職したソフト請負企業では、30になるまでに2・3回転職したという、自分より年下の方が数名おられました。
 これが、メーカ系などのSierだと、そうそう離職率は高くもなく、中途で来る人は、全くと言っていいほど見かけないというものでもありました(全てのこれらの企業ではありませんが)。

1.何社も会社を移ってきた理由

 8割ほどは、オーバーワークと生活困窮です。
 Orではないです。Andです。

 これが、かの有名なハードワークなのに高給と言うあの企業ならば、まだ頑張れました。
 もし20代のうちで、その手の企業が見つかれば、早期に移ったでしょう。
 既に、20代でかなりのオーバーワーク続きで、その後の転職でも同じでしたから、「どうせオーバーワークの人生なら金ください」ですよ。

2.理解のない、知識が乏しい一般事業会社

 正社員なのに生活困窮って、他人からみればおかしいですよね。
 だからなのか、ソフト会社以外の企業。つまり一般事業系に面接に行っても「理解してくれない」のです。
 最近になって、元派遣や元IT企業出身の上司の方や、経歴短い会社に行くと、理解していただけるようにはなりましたが、まだまだ少ないか、その方以外との面接では「ああ、こいつら恵まれた人生送ってきているんだな」と、呆れて帰宅するばかりです。

 一般事業系、つまり社内SE職になるわけですが、そういう企業で半分ほど聞かれることは、「転職回数の多さ」に加え、「理系でもないのにIT選んだ理由って?」と言う事。
 んー、私の周りでは、理系どころか半数は、短大や専卒ばかり。それこそ高卒や中卒の方も数名おりました。

 この程度なんですよね、普通の会社では。
 当然、無知が引き起こす面接にもなるわけです。
 無知であるからこそ、業界構造や労務状態を知らないわけで、当然に面接もうまくいくはずありません。

3.オーバーワークも人それぞれ

 残業時間、休日出勤時間、いったいどれくらいでオーバーワークになるのでしょう。
 最近になって、過労死による突発的な死や自殺が、頻繁に取りざたされ、所定労働時間なるような規制もあるようですが、ほんの数年前まで、そんなものないに等しい時代でした。

 仮に同じ50時間の残業としても、お茶を飲みながら、コツコツと自らの裁量で進められる残業と、ずっと立ったまま、休めもせず、クレーム対応もしている残業とでは、「勤務時間の密度が異なります」。
 一概に、長時間労働と言っても、人それぞれ、その過重は異なるのです。

 本当に疲れていたら、眠る事もできません。
 その場で、バタンQは、その時にやり切った感か突発死のどちらかと思います。
 極度に疲れているけど、眠らないと翌日(既にこういう時は翌日になっている)仕事に行けないという時、呼吸が安定せず、ハイテンション状態でもあるようで、横になって身動き取れないまま苦しい状態になります。

4.正社員なのに生活困窮

 営業職の方だと、ご理解ある方いらっしゃるかと思います。
 接待や夜に客からの依頼で駆けつける。
 そういう時にかかった経費を、会社が支払ってくれず、自分で払い続ければ、当然に手取りは残りません

 あるいは、出張貧乏なんてのもありますね。
 出張には、宿泊費、交通費、食費を含みます。
 あまりにも高級ホテルや、グリーン車での移動を希望しない限り、出張費は、ほぼほぼ頂ける企業もあるようですが、大抵は上限が決まっているわけです。
 しかし、その上限が、どうにも低すぎる企業は多いわけです。
 ホテル代は5000円まで。
 東京から大阪までの出張に、新幹線代は自由席代のみ。
 そして、食費に当たる日当は無し。
 ここ10年ほどは、安くても寝心地良いホテルが増えてきているようですし、新幹線もコロナ前でも1本遅らせて並べば自由席に座れもしました。
 でも、それ以前は、私はそうはなりませんでした。

 実際、そういった出張は20代の時だけでしたが、30代は、深夜までの対応続きで帰宅できなく、やむなくホテルやタクシーで帰宅の毎日でした。
 それが数か月続けば、さすがにね。
 それは、収入もそうですが、生活の場を持てないと言う事にもなるわけです。

 結果的に、生活が安定せず、貯蓄もほぼなくを過ごしてました。
 奇妙な事に、前職の社内SEになってから、住む場所の安定と、それまで以上の貯蓄が一気にできました。ちなみに、年収は20代の時のを少し上乗せした程度で変わってません。
 忙しい事には変わりなく、予定を組んだ旅行なんてしたことありません。有休もまともにとれませんでしたし。
 食費も、若い時の寮暮らしでは、格安スーパーでまとめ買いして、毎日同じもので済ませていましたし、お昼も安かったですし。
 それ以降は実家で食べさせてもらったりです。
 さすがに、出張中や遠方の常駐先近くに住まわされた時は、みじめでした。単身赴任手当なんてものや、常駐先近く住まいだと出張手当も出ませんしね。

5.最後に

 「それでも、良い企業に移らなかったの?」と言う疑問があるでしょう。
 面接で聞かれたこともありました。
 ですが、自分には「やりたい事」があったのです。
 その上で、収入や生活場所を考慮というものでした。
 ですが、そういう企業は、私にはありませんでした。
 前職は、やむなく派遣からのスタートだったのです。
 それまで、非正社員で探すと言う事が、頭になかったことも、無職を選んでの転職を繰り返してきてしまった原因です。

情報提供や考え方、そしてこれまでの苦々しい経験での対価として、ありがたく頂戴致します。