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艶美な世界


東京に越してきてお気に入りの場所が出来ました。
(好きな場所は沢山ある)


ふらっと散歩途中に見つけ珈琲屋
一度別の記事でも書いたあの素敵な珈琲屋です。


世界の隅にいるような感覚に陥る場所で
(お店のコンセプトもそんな感じ)
テーブル2席とカウンターの小さなお店。

オレンジ色の
優しい間接照明だけが灯っていて


入口も植物で覆われ窓には
薄いカーテンがかけられてる。


外から見ると薄暗くて
営業してると思えないほど。

店内は
振り子時計の音とレコード、


珈琲屋特有の茶色くなった壁
そして店主が豆の様子を確認する音

外は帰宅途中の人がちらほら
座って外を眺めているのに誰も店を見ない
路面店なのに。


たまーに、犬が
珈琲の匂いに釣られて見るのと
子供が不思議そうに覗き込む。

そのレベル

店主も
「いらっしゃいませ」と「どうぞ」
ぐらいしか喋らない。

なんなら、顔さえハッキリ見たことない。


いつもカウンターの端にいるし
(その場所が暗すぎる)、

ハンチング帽(?)深く被ってるし、
背中向けて豆の様子を確認してるか、
下向いて本読んでる。


ロマンチックにいうと、

世界から隠れてるみたい。

いつも夜に来るからか今の所、客は私1人。


振り子時計とレコードが響く中、


同じ空間でそれぞれの時間を
過ごして何も話さない。


携帯の光さえ違和感を感じるような場所。

そんな場所最近じゃ滅多とない。


珈琲の香りに包まれ
手に取った冊子のコラムが面白くて
思わず時間を忘れる。


外から、
子供同士の可愛らしい

話し声が聞こえて
お互い顔上げる

目が合い、微笑む


あまりにも、艶美すぎる。


夏の暑い日に
ガンガンにクーラーをかけた
少し肌寒い部屋で毛布に包まる
あの贅沢感にちかい

レコードからは松田聖子の
SWEET MEMORIESがJAZZ風で流れてる。


流石に

この空間と時間に惚れ惚れしてしまう




私は人と話すのが好きだし
得意な方だと思う。


でもそれと同時に
全く喋れない方でもある。


人と会話をする為に本を読み漁って覚えた。
人と話すのが苦ではなくなった。

けれどもまだ後者の方が似合う。
と思ってる


大人になってから
出会った人にはびっくりされるけど
小学校低学年ぐらいの頃は
授業で当てられても声が出せないくらい。



だから、この店は落ち着く。
他人と居ながら無心でいられる


最近はみんな距離が近い

感覚がバグりすぎてる


(えぇ、わかってます
お前が言うなよって声聞こえてます

でも私自分の中でちゃんと線引きしてるんです)


時代の流れなのかもしれない

素敵だと思う

気持ち悪いとも思うけど

自分も含め



帰り道、別の店を見つけた。
「入れ!」って私の直感が言ったので
(私の直感は素晴らしいので素直に従うタイプ)


スパイスワインを取り揃えているお店だった。
今時なおしゃれな店内に本棚たち。


「好きに読んでいいですよ」って
言ってくれたので本棚を見たら驚き。


口が悪いけど最近のカフェとかでよく見る、
インテリアとしての本棚かと勝手に思ってた。

オシャレな海外の雑誌とかエッセイ本だとか
表紙のデザインがかわいいとかそんなやつ。


背丈がバラバラの本たち
時代ものもバラバラ

しかもダダイズムが多い 
あとサガンとか

思わず微笑んでしまう


「面白しな本見つかりましたか?」
と声かけられてしまって


『申し訳無いんですが
店内がとってもオシャレだったので
よくあるインテリアとしての本棚かと
思って拝見したらちゃんと
本好きの人の本棚で笑っちゃいました』


しようと思えば
出来るんですけどねって笑ってた。

好きなジャンルを聞かれたので
近代文学が好きですかね、、って
いうと何冊か出してくれた。嬉しい。


ふと、気になった写真集

これまた直感が読めって言うので
読んでる本を閉じてそっちを開く。


ある本を題材にした写真集で
珈琲店で読んだコラムと同じ内容を扱っていた

その"ある本"は私が一番好きな本。
また読み返したくなった
もっとその本を知りたくなった

好きでも知らないことはまだまだあるみたい
にしても、運命的すぎてびっくりした



そしてぽつぽつ話して
やりたいことがまたひとつ増えた


やりたいことはいっぱいある方がいい
これからが楽しみになる



帰り道、満たされながら歩く。 


そういえば、
昔から好きな時間があって

夜とかの全く人がいなくて
車も走ってない道路


車も人もいない中、
1人ぽつんと青信号になるまで待つ


「無駄なことするね」
って昔憧れの人に言われたっけ。


「世界が止まって感じるんです。
自分の為に贅沢に
時間を使ってるように感じれます」



「わかんないけど付き合ってあげるよ笑」


雨上がりだったから濡れた道路に
ライトが反射して煌めいていた



青になるまで
憧れの人と無言で待つ
深呼吸で落ち着く心と
ソワソワする気持ち



たった数十秒の世界

歳をとってもちゃんと
綺麗に思い出せそうなので


数十秒の世界は私の中で永遠になった。



これまた艶美すぎる思い出




コンテストシーズンがきて
バタバタする中


いろんな作品になり、
少し煮詰まっていた最近


ちゃんと"自分"に戻る時間も作りながら
今年もいい作品を創りたい


今回はただ休日の思い出と
気持ちを記録的に綴ってみた。


変な奴だなと思ったら
それはちゃんと正解です


瑞希ちゃんらしいなと思ったら
それは私の良き理解者です


4月終わるまでに描きたい内容が2つもある
では、また。

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