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1.嫌い

何故か毎年憂鬱になる季節がある。
年末年始から桜が咲いて散って、1年の半分くらいがすぎた頃にやっと
「ああ、もうこんなに時が経ったのか」
と思いながら、半袖を着始める。

憂鬱になるのは、鬱になる前…
いや、鬱だと「診断される」前から。
毎年年末年始に、「女なんだから」と言って祖母の家の大掃除を手伝わされ、長期休みが続く冬と春はいつも胃が痛くなり、体も重だるくなった。
今考えてみると、学生時代から軽く鬱の症状が出ていたのではないかと思うくらい、とても辛い時期だった。

学年が変わり、クラスが変わり、部活で新入生が入り、先生や先輩に理不尽に怒られ…
今パッと思い出すだけでも、悪い記憶しか蘇らない。
そうして日々疲弊して家に帰り、流れ作業で寝る準備を済ませて眠っては、さらに重くなった身体を引きずるように学校へ通った。

そして私は今、小中高の卒業アルバムと卒業証書をゴミとして燃えるゴミ袋に入れ、毎朝蹴ったくるようにしてリビングに下りる。
7歳から18歳までの私は、抑制しまくって「いい子」を演じていた、自分であって自分でない存在だったから。あと、私は写真写りがものすごく悪い。見るのが苦痛。背表紙さえみたくない。

もっと早く気づいていれば、気づいてくれていたら、違ったかもしれないのに。
毎日そう思いながら、自分が今置かれている「現実」を、必死で他人のせいにしている自分のことが大嫌い。怠けて、甘えて、ぬくぬくと箱の中でだらけている自分が許せない。許したくない。
ただ、身体が、心が、ついてこないのもまた事実。

学生の頃は身体に鞭打って学校まで自転車を漕いだが、鞭を手にする程の握力も残っていない気がする。

ただただ弱い。全てが弱い自分が、本当に大嫌い。

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