刺さったままの後ろ指も、唇で粉化する苦汁も

 一つレポートを諦めることとなりました。土曜も日曜もバイトだったかららねえ。辞めてえ!自己管理能力の問題なので悪いのは自分ですが、関係ありません。辞めてえ!

 本当にバイト先はいい人ばかりです。こんなに物覚えの悪い出来損ないに気を遣ってくれます。「気を遣ってくれているなあ!」と思うとき、なんだか消えたくなります。自分が不出来であることは、改善しようとしない限りずっと悪いままです。努力もせずに辞めたいなどのたまうのは、ただ単純に自分の醜態が露呈する場所の一つから逃げているだけに過ぎないですが関係ありません。辞めてえ!

 優しくて良い人ばかりで、こんなにしょうもない自分なんて歯牙にもかけない存在だろうなと思いますが、”使えない人間”であるという当たり前の評価が口に出さなかったとしても皆から下されている、なんてことばかり考えてしまう。能力面がポンコツなだけでは飽き足らず、なんと女々しい性格なのだろう。

 国語の本読みとかを当てられたとき、いつもは出ないような声が出る人間だった。家で喋るときとも、友達と話すときとも違う、"本読みの声"が出る。レジみたいな簡単な接客の時も、どうやっているのか”レジの声”が出る。呂律が回らず、いつにもまして活舌が悪くなる。舌に何かがまとわりついているような感覚。休憩時間にトイレでうがいをすると、文字通り唇で苦汁が粉化している。緊張によるものか何なのか。あの歌詞が自分の思うそれと同じものを指しているのかは知らないが、初めて歌詞を聞き取ったときは少しだけ感嘆した。

 何か失敗をやらかした時や怒られたとき、無駄に気を使わせてしまっていることに気づいたとき、非が自分にあることを瞬間的に忘れ頭の中でだけで攻撃的な人間になる。いずれ止まる自分がせめて、誰も逆恨んでいないことを願っている。

 恥をかいたり、失敗をしたり、そういった経験はなるべく若いうちに済ませておいた方がいい、なんてことをもうそんなに若くないと感じるようになってから思う。年齢が低いことはそれなりに効果のある免罪符になる。もう少し自分がなじむことのできないような環境に身を置いておくのも悪くなかった。

 今日は12時間くらい眠っていた。朝食はおろか、昼食すら食べていない。あんまり長い時間ものを食べないと胃が働かないのか、そういうときは夜もあまり食欲がない。健康診断の時より体重が減り、肩の骨が露出していることに気づいた。

 生活がむちゃくちゃなら部屋もむちゃくちゃで、洗濯が全くできていなかった。気付いたら、替えの下着すらないという状況。様々な葛藤を経て、高校時代の水泳着を着用し、現在に至る。あの頃は服の下に水泳着を着ても何の違和感もなかったのに、暑苦しくて仕方がない。

 今週はちゃんと試験勉強して、レポート出して、早く起きるぞ。一行目から矛盾をかましていく。

 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?