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夜空の下の音色は最高だった

迎賓館赤坂離宮にすっかり魅了されてしまった。前回 訪れてからまだ1ヶ月も経ってはいないが、今日はライトアップに生演奏が楽しめるというので、3連休最後の夜を楽しむべくやってきた。

空はまだうっすらと青空が残っている。深い青空をバックにライトアップされた迎賓館が美しい。

徐々に青空が夜空へと変わっていく頃、演奏が始まった。

1曲目はリベルタンゴ。音楽に疎い私にとって、初めて聴く曲だった。

少しずつ闇夜に浮かび上がっていく迎賓館をバックに響くヴァイオリンの音色。幻想的だ。そこにキーボードとパーカッションの音色が加わり、現実感がなくなってくる。

続いて、SWEET MEMORIES、ムーンリバーが演奏される。秋の夜空に浮かぶ月のイメージの選曲だそうだ。

演奏を聴きながら、迎賓館全体を見まわす。まるでギリシャかどこかの神殿前にでもいるかのようだ。

目を閉じてみる。ツリーチャイムというのだろうか?高い金属音が流れ星を連想させる。満点の星空のもと、音楽のシャワーを浴びているようだ。

最後はチャルダッシュ。初めて聴く曲が多いが、とてもよかった。

1ステージだけ聴いて帰るつもりだったが、もっと聴きたい。40分後の2ステージ目も聴いて帰ることにした。

キッチンカーが7台ほどある。食事を楽しみながら待とうと覗きに行った。ホットドッグにパスタ、生ハムの盛り合わせのようなものにワインまである。

ライトアップされた迎賓館をバックに食事を楽しむ。おしゃれだ。

素敵な演奏を聴いた後ということもあり、すっかり優雅な気分になっていたが、現実はそう甘くはない。

どのキッチンカーにも列ができ、すでに売り切れたものも多い。戦いに挑む前にすでに敗れたようだ。

おまけに急に秋めいた。気温の低下に、強くなってきた風が手伝って寒く、とてもじっとしていられない。

迎賓館外観を堪能しつつ、前庭を歩いて身体を温め時間を潰すことにする。

随分と虫の音も聞こえる。東京のど真ん中で迎賓館を眺めながら虫の音を聞く。風流でもあるが、なんだか不思議な気分だ。

少しは運動になっただろうか?身体が温まるとまではいかないが寒くはなくなってきた頃、2ステージ目が始まった。

1ステージ目と異なり、もう真っ暗だ。闇夜の中の演奏。

1曲目はSpain。やはり初めましての曲だ。その後にシェルブールの雨傘、ハナミズキと続く。

時々、目を閉じて音に集中する。もはや気分は満点の星空の中だ。宇宙にいるようだ。音が心地いい。

自分の細胞が喜んでいるのがわかる。あぁ、休みってこうして過ごすものなのだ。どうして今まで家に閉じこもり、外に出なかったのだろう?こんなにも気持ちがリフレッシュされて、生まれ変わっていくようなのに。

そんな風に感じていたら、あっという間に最後の曲になってしまった。

打上花火

もう終わりなのが名残り惜しく、ずっと目を閉じて音を楽しむことにした。やはり心地がいい。

演奏が終わった後、心から拍手した。礼儀としての拍手ではない。心が満たされたことへの感謝の気持ちが溢れた拍手だ。ありがとうの気持ちで、いつまでも強く拍手をする。

他の方も一緒だった。鳴り止まない拍手に、もう終わったはずなのに再び演奏が始まった。

情熱大陸だ!!

夜空に響きわたるヴァイオリンにキーボード、パーカッション。最後だ。なんだか泣きそうな気持ちになる。

いい夜だ。
エネルギーがみなぎってくる。

また頑張ろう。そう思った。

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