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ジョンが出会った読者たち【第19話】

群馬の高校生ZQNを、渡米させるため引き続きTシャツ販売に寄って支援者をつのりつつ、読者スプリガンさんからのエールが僕の心をゆさぶります。
ごく普通の会社員である僕が血迷って携帯番号を誌面に載せたところから始まる、アメイジング・ドキュメンタリー!

群馬の高校2年生すずきゅうを、この夏、無理矢理アメリカに送り出すべく作った「ZQN Tシャツ」。微妙に高いお値段ですが、もし、すずきゅうがこれで渡米できて、そこで得られるものを考えると、決して高い値段とは言えないでしょう。4,725円をバカにしてるわけじゃありませんが、4,725円なんて大人にとってみれば、シケた飲み会1回で吹っ飛んでしまう金額です。そのパワーを意味あることに使ってみませんか? 皆さんのお力を、未来ある高校生のために! 受注受付終了まであともう少しです。どうぞよろしくお願いいたします!

ZQN Tシャツ 4,725円(消費税/渡米費込み)
ホワイト/ブラック S/M/L

生産条件、受注26枚以上果たして生産できるのか!?
現在の受注枚数:15枚/26枚

1枚4,725円(税込み/送料別)で、26枚以上の受注があれば生産します。希望のカラー(ホワイト/ブラック)と、希望のサイズ(S/M/L)と、希望枚数をメールに送ってください。件名は「ZQN Tシャツ係」でお願いします。もちろん「ZQN」ネットストアでもお買い求めいただけます。なお、8/18(日)までに26枚の受注がない場合は、発売を中止させていただきます。また、お買い上げの方には、もれなくすずきゅうからの感謝の手紙と、ジョン・ヒロボルタからのステキな何かをプレゼント! 絶対、買ってよかったと思えるようにします!! ※2013年掲載当時

スプリガンボルタさんFOREVER【番外編】

(スプリガンボルタさんは僕の連載を読んで電話をくれた埼玉県在住42歳の男性です。)

僕は正直、最初はものすごくしつこい読者の方から電話が来たなwと参っておりました。致死量を超えるメールに圧倒されました。しかし、この企画が落ち着きつつあるので、改めてあなたからもらったメールを読み返していたのですが、そこにあったのは『本気でぶつかってくる男の姿』でした。

僕を介して、すずきゅうや編集木下とケンカしたあなたは(※1)、ケンカが終わればまたメールをくれました。僕が少し反抗してしまったこともありましたね(※2)。そんな時、あなたは「平穏」と書いた絵をくれました。


それを見て、僕はなんで怒っていたのかも、よくわからなくなりましたよ。

日本列島が猛暑でやられていたあの日には、あなたは「あついけどCOOL」と書いた絵をくれました。なんとも言えない寒気に襲われて、確かにその日は涼しく過ごせました。


あなたは常に絵で応えてくれて、絵が全てを解決してくれました。最初は送っていただく絵の数量が尋常じゃなくて恐怖しましたが(爆笑)、今、こうして(ウンコしながら)全ての絵を眺めてみると壮観で、力強さとそしてなんだか儚さを感じます。

この儚さはなんでしょうか? スプリガンさん、もしかしてあなたは命を削ってまで絵を描いてませんか? このページには少なくとも命を削るほどの価値はありませんよ(苦笑)。少し休みを取ったほうがよいと思います。

人間の一生は長いようで短い。その中で、人はどれだけ全力を出せるのでしょうか? 僕は多分まだ全力を出せてません。あなたの絵を見ていると自分が本気でないことを教えられているようで、なんだか悔しいです。

今まであなたの行動を「暴走」扱いしてすみませんでした。今や僕はあなたの作品をヘンリー・ダーガー(※3)に匹敵するアウトサイダーアートだと思ってます。本来、発見されることのなかったであろうあなたの作品を、電話1本がきっかけで僕みたいな者が誰よりもたくさん、誰よりも多く観ることができたことを嬉しく思います。そして感謝の気持ちをあなたの言葉を借りてここでお伝えします。

スプリガンさん、ナイスバカ(※4)!

※1:「このクサチン野郎」など汚い言葉をすずきゅうにぶつけたが、後に演技だったと判明。
※2:編集方針に口出しされてカっとなったヒロボルタ。
※3:他人との接点を完全に遮断し、約60年間に渡り自室で19歳から1973年に死亡する半年前まで作品をつくり続けた男。
※4:スプリガン用語。いい意味でバカってこと。


(「TVBros.」2013年8月14日発売号掲載)



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