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本当の地域活性化

昨日までの2日間、佐久平駅前でまるごとつながるフェスタ(まるフェス)が開催された。
立ち上げ時から関わった1人として、本当の地域活性化とはなんなのか?を考えてみた。

ヒト・モノ・カネ、この3つはわかりやすいKPIであり、また必要条件でもある。
つまり、この3要素をどれだけ集めてリソースとし、イベントという変換装置を通じて、この3つをどれだけ中長期的に増やすことができるのかが本質的な考え方だと思う。
※モノに関してはコトでも同じ効果を発生させるので、要するに魅力値のようなパラメータと定義する

3つの条件が集まらないと、イベントは成り立たない。なぜならイベントの結果を描くことができないからだ。
そもそも人的資源、資金、魅力が不足していては、イベントによって増やしようが無いので不可能である。ただ例外はあって、突き抜けた魅力があれば、人的資源と資金を外部から頼ってイベントを成立させることはできる。
なぜ例外と書いたかというと、翌年も同じ何かしらの支援がないと成立しないので継続性が担保なくなり、結果として中長期的に結果を出すことができないからである。

ここまでをまとめると、具体的には以下の条件が考えられるのではないだろうか。
・イベントを企画する企画力のある人材
・イベントを回すことができる人的運営資源
・警備やインフラを確保する資金力
・人が訪れる理由としての魅力あるモノやコト
・開催条件に合う場所

この中で特に最後の2つは土地に紐づくことが多いので、この時点で合わない場合は努力では解決できない課題なので、そもそもイベントをやろうなどと考えない方が良いと思う。

まるフェスの場合、以下のようにある程度具体的条件を満たすことがたまたまできていた。

・イベントを企画する企画力のある人材:連携する会社や団体の責任者クラスと行政管理職が互いに友好的でたまたま足並みを揃えることができた
・イベントを回すことができる人的運営資源:ある程度のまとまった人員を動かすことができる上場企業と青年会議所が座組に参加していた
・警備やインフラを確保する資金力:警察や自衛隊を巻き込むことで無償の抑止力が確保でき、また連携する会社それぞれに経済的メリットがある座組とできた
・人が訪れる理由としての魅力あるモノやコト:連携企業や団体の協力により、地方に不足する子供連れや若年勤労世代をターゲットとした内容を準備できた
・開催条件に合う場所:駅前スペースの当初想定されていた活用意向に沿うことで、インフラの中心地をハブとした会場エリアが確保できた

そして、上記は今後も回を重ねていくごとに年間行事に組み込まれて、自然と自走するようになっていく。
段取りは型化され、役割は毎年持ち回りとなり、行政では年間計画に定められていくのだ。

ここまで来ると、たとえ同じ内容でも毎年イベントをやるごとに同じだけの経済効果やヒトの移動、地域内での消費の需要喚起がなされるようになってくる。
参加する会社が増えればにぎわいも増えるし、地域外の自治体やインフラ企業を巻き込むことで更なる集客も見込めるだろう。実にアップサイクルなムーブメントである。
まさにこれが本当の地域活性化なのだろう。

失敗するイベントを見てみると、だいたい上記の要素がどれか欠けていたり、高齢化や過疎化で機能しなくなっているパターンが多いと感じた。
元々、地元の商店街が担っていた機能を担うことができるのはインフラ企業もしくは大規模商業施設を担う企業、または行政である。
KPIを立ててしっかり追っていくという基本的な道筋を違えなければ、きっとイベントはうまくいくに違いないだろう。

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