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喫茶店のナポリタンと『台所のラジオ』(2024.1.30)

仕事帰り。まっすぐ帰りたくない気分だったので途中下車して喫茶店に寄る。
店のドアを開けた瞬間、フワリとタバコの煙の匂いが体に纏わりつく。非喫煙者の自分にとって、タバコの煙は決して好ましいものではないけれど、喫茶店はこうでなくっちゃ、という気持ちの方がつよい。

「あと30分で閉店ですが、よろしいですか」
「はい、珈琲とナポリタンを一緒に持ってきてください」
メニューにはトーストやサンドイッチ、あんみつなどもあるけれど、いつもナポリタンを頼んでしまう。

先に珈琲が出てくる。温かいおしぼりがうれしい。白い陶器のミルクピッチャーになみなみと入った珈琲のミルクもうれしい。

ナポリタンはキャベツとパセリの付け合わせがうれしい。

喫茶店のお供は先日購入した吉田篤弘『台所のラジオ』。吉田篤弘の作品の中の食べ物の描写は素っ気ないんだけれど、なぜか食べたくなる。紙カツ(『紙カツと黒ソース』)に海苔巻き(『さくらと海苔巻き』)、〈ハシモト〉のビフテキ(『明日、世界が終わるとしたら』)、マリオのコーヒー(『マリオ・コーヒー年代記』)。

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