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【週末投稿】つれづれ有用植物#39(キスゲ亜科:ワスレグサ属 ワスレグサ)

植物の名前は曖昧模糊な事が多く、ひとつの種を示すものから、一連のまとまりのあるグループを示す事や、間違って命名したものが、そのまま広まって混乱を招いているものもあります。

今回ご紹介する有用植物は「ヤブカンゾウ」、「ノカンゾウ」、「トキワカンゾウ」と呼ばれる品種です。この呼び方だと種を特定できますが、これらもワスレグサ属のため、一般的に「ワスレグサ」と呼ばれます。あ~ややこしや。
ワスレグサ属の植物は多彩なものが多いので混乱のもとですね。

ヤブカンゾウ、ノカンゾウのどちらも、本州から沖縄の河川敷や土手などに多く分布しています。初夏にオレンジ色から黄色に近いオレンジの花を咲かせます。庭に植える方も居るので、見た事のある方が多いのではないでしょうか。若い芽や、つぼみが食用となり、根は生薬になるそうです。

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タイトルの写真と、上の写真はヤブカンゾウです。
花期は7〜8月ですが、一日花の為に午後にはしぼんでしまいます。八重咲きです。三倍体のために種ができません。

そして一重咲きのものが次の写真に示すノカンゾウです。
花期は7〜8月で同じで、こちらも一日花です。
ノカンゾウの花はすっきりとして見えますね。ユリの花にも似ています。橙赤色から赤褐色まで変化が多いです。
注意して頂きたいのは、「キツネノカミソリ」という野草(毒)の花にノカンゾウは似ています。キツネノカミソリは、花と葉を別々に出すので区別がつきますが、花の形や色だけで判断すると危険です。

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トキワカンゾウは、秋のワスレグサと呼ばれ、花期は9〜11月で、こちらも一日花花です。花はノカンゾウに似ていますが、濃オレンジの斑紋をもち、冬季でも葉が枯れず常緑になるのが特徴です。

沖縄では、不眠や精神安定に効果があるとして、クヮンソウ茶や、クヮンソウとして食されます。次の写真は「クヮンソウ」として売られているもので「トキワカンゾウ」が多い様です。

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食用にする蕾は、青い状態から少し色づき始めた頃が食感が良い様です。
湯がいたり、天ぷら、蒸してポン酢やマヨネーズを付けて食べるのも良いです。甘酢漬けが定番です。

PinguBanana は散歩で偶然にヤブカンゾウを発見したので、蕾を収穫してきましたよ。これは、ヤブカンゾウの蕾です。ポキポキと簡単に蕾を曲げると折れて採れます。

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蒸すと食感が良いと言われますが、今回は簡易的に煮てみました。煮ると少々、蕾が解ける様です。

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シーチキンと、マヨネーズであえてみました。

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癖がなく、わずかなぬめりとシャキシャキという食感が食欲をそそります。
これは、確かにおいしい!

つぼみは蒸してから乾燥させて利用することもできます。中華料理では「金針菜」、「黄花菜」と呼ばれ、水で戻して、スープの具にすることが多い様です。中国は一度乾燥させてから、水で戻して料理する事が多い様ですね。



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