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令和の健康増進について理学療法士が解説してみた【栄養・運動編】

こんにちは、TeTeです。

先週投稿した記事が多くの方に読んで頂けて、本当にうれしいです。理学療法士として、私の自己紹介をさせていただきましたが、まさかここまで反響があるとは、思いもよりませんでした。

noteは書き手の経験がインプットできる唯一の媒体だと思っています。なので、私も自分の体験を投稿していきました。読者さんのおかげで、noteで発信することの不安や抵抗がなくなったので、私の経験をどんどん投稿して、少しでも読者さんの人生にプラスなれると嬉しいです。

今回の投稿は前回の内容を深堀りして、「健康が減退していく日本」についてお伝えしていきます。

運動不足で毎年約5万人が亡くなる日本の健康環境

日本の行政機関のひとつであるスポーツ庁が発表したデータによれば、日本では運動不足が原因で毎年5万人もの死亡者が出ている状況になっています。以下のグラフを確認すると、平均寿命と健康寿命の差は、10歳前後を保ったままです。

引用:スポーツを通じた健康増進について - 経済産業省

運動不足が原因で死亡する人たちの人数は、喫煙、高血圧に続き、第3位になりました。新型ウイルスの影響で生活環境がガラッと変わり、在宅ワークが増えたことで体力と筋力が低下したことも原因と考えられています。

緊急事態宣言が発令されてから、政府が各所に「不要不急の外出・移動自粛」を要請しました。それに伴い、多くの企業は「出勤者数の7割削減」を目指して、テレワークを導入しています。現在も通勤が必要ない在宅勤務のニーズは高まっている中、通勤体力激減を感じる人も増えました。階段の昇り降り、電車内での立つこと、家から会社への移動など適度な運動が生活の一部からなくなったことで、健康被害が起きています。

筋力低下→姿勢が悪くなる→血流の悪化→体内の疲労物質が滞る→気分の落ち込み

頭痛、疲労感、心身バランスの乱れ、睡眠障害に繋がる、など様々な不調を訴える人も増えてきました。

運動しなければ20代でも50代の筋肉量まで低下してしまう

国際医学誌「ジャーナル・オブ・リハビリテーション・メディシン」で記載されていた研究内容によれば、わずか2週間だけでも下半身を動かさなければ、20代の筋力は485g、高齢者で250gも減少したと言われています。

この実験後に筋力が低下した対象者(高齢者)は、週3〜4回の運動を続けても筋肉量をもとに戻すことが難しいこともわかりました。

とくに筋肉は上半身よりも下半身の方が衰えやすく、自宅でゆっくり過ごす環境では、上半身に比べて動かす機会が少ないです。下半身の筋肉量が低下し続けると、将来的には、歩行困難や寝たきり状態になってしまう恐れも出てきてしまいます。

在宅ワークが増えた影響で、自宅でも筋力トレーニング(筋トレ)が浸透しているので、特別な器具がなくても適度な運動が自宅で出来る時代です。

しっかりと運動する習慣を作ることが大切になります。

感染に対する抵抗力は運動によって向上する

運動習慣が身につけられると、筋肉量の減少を防ぐだけではなく、新型ウイルス、インフルエンザなどの感染症にかからないための自己免疫力が向上します。

では、どれだけの運動量をこなせば、免疫力を上げることができるんでしょうか。その答えは、「体温を上げられるだけの運動量」です。人間の免疫力に欠かせない免疫細胞は血液の中にいます。

この免疫細胞は、体内深部温度が「37.2度以上」の時に最も活発に活動します。この体内深部温度を体温計で測り皮膚温度にすると「36.5度」以上を指し、体内深部温度は免疫力を数倍に高める効果がある、ということが確認されています。

体内深部温度は、身体の中から体温を上げていかなければいけないので、運動で体温を高めることがポイントです。注意するべきは、エアコンなどの暖房機器で外から温度を上げることです。暖房機器は、身体の体温調整機能を狂わす恐れがあるので、体調を崩すなどの不調が出るため逆効果になります。だからこそ、運動して体温を上げることがベストです。

体温が1℃下がると、免疫力は30%低下して、1℃上がると、免疫力が最大5〜6倍も上がると言われています。日本人は低体温傾向にあるので、身体の熱を作る筋肉量の増加が免疫力向上の近道です。

理学療法士による運動を通じた健康増進のアドバイス

運動不足による健康被害を回避するためには、運動習慣を作るということが大切です。よくリハビリにいらっしゃる方で、リハビリに来たから治ると思われている方がいらっしゃいますが、

これは半分正解で、半分不正解です。

痛みを楽にすることや、健康になるというのは人任せでは治ることはありません。まずは、簡単な運動から始めれば良いと考えています。

たとえば、テレビを見ながら行える運動もそのひとつです。

椅子に座りながら、膝を伸ばして止めることや、踵を床につけて爪先を上げる運動、爪先を床につけて踵を上げる運動など、椅子に座りながらもできる運動があります。これらの運動を行うだけでも、運動を始めるきっかけになるでしょう。

また、有酸素運動を行えば、認知機能や、脳血管の血流が増加するなどの報告があります。

しかし、運動量を多くこなしていけばよい、ということではありません。その時の調子や痛みと相談し、運動を行うことが大切です。また、運動習慣を作ることと同様に食事にも気をつける必要があります。

筋肉をつけるためには、男性ホルモンが必要です。男性ホルモンは人間が活発に動き回れるガソリンのようなもの。とくにビタミンDが不足していると、活動量が低下して、自宅に閉じこもりがちになります。ビタミンDは骨を強くしたり、ステロイドホルモンとして機能します。

ビタミンD(至適値40〜80ng/mL)が足りない人は、男性ホルモン値が低い傾向にあります。運動不足は食事からも解消することができるので、ビタミンDを多く含む食材である青魚(イワシ、サンマ、サバ)を食べていきましょう。

健康増進は、まずはやれるところから始めてみてください。その行動が運動習慣となり、あなたの健康増進になりますので、ぜひ今日から始めていきましょう。

次回も健康増進についての記事を投稿していきますので、お楽しみに。


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