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#46「アーセナルvsマンチェスターユナイテッド〈マッチレビュー〉PL第21節」

こんちゃ!どうもいったーです。
今回は「アーセナルvsマンチェスター・ユナイテッド<マッチレビュー>PL第21節」を書いていきたいと思います。

このゲームは、アーセナルサポ2人とマンチェスター・ユナイテッドサポ1人でLINE電話を繋ぎながら観戦することにしました。この世知辛い世の中なのでw
スコアレスながらもレベルの高いゲームで、双方「絶対ウチが勝った」と思えるようなゴール前の攻防もありながらの展開で、26:30キックオフの眠さを感じさせないゲームでした。

チーム紹介

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ホームチーム:アーセナル
監督:ミケル・アルテタ
→ミケル・アルテタは勝利すれば就任後vsマンチェスター・ユナイテッドは3連勝となり、史上初の記録
フォーメーション:4-2-3-1

アウェイチーム:マンチェスター・ユナイテッド
監督:オーレ・グンナー・スールシャール
フォーメーション:4-2-3-1

プロローグ

このゲームは、アーセナルにとって重要なゲームの位置付けでした。年末から始まった怒涛の快進撃が一過性のものなのか、“ホンモノ”の強さなのか。先日まで首位で過ごし、今季アウェイ無敗のマンチェスター・ユナイテッドをホームに迎えるビッグマッチです。 
 FA杯&PLにおけるセインツとの2連戦を乗り越え、ホーム・エミレーツに帰ってきました。しかし、今季ベストプレーヤー級の輝きを放っているRSHサカ、LSBティアニーは負傷、大黒柱のLWGオーバメヤンは個人的な問題で引き続き欠場と怪我人を抱えながらの1戦となります。
 一方、マンチェスター・ユナイテッドは、前節最下位シェフィールド・ユナイテッド(以下ブレイズ)にホームで敗れ勝ち点3をプレゼントしました。その敗戦は11月のvsアーセナル以来の敗北で、大ダメージでした。アーセナルを叩き首位戦線に残りたいところです。

前半<アーセナル>

〇CMFトーマスが与えるダイナミズム
〇中途半端なポジションが絶妙OMF
〇GKレノ神、降臨。

〇CMFトーマスが与えるダイナミズム

 前後半、中盤の攻守で光っていたのは、CMFトーマスでした。まさにブルトーザーのようです。運ぶドリブルも効果的に使いながら、散らすパスも出しており、アーセナルにとって貴重な存在でした。加えて、負傷後初のフルタイム出場となり、それは11月初旬の前回対戦vsマンチェスター・ユナイテッド(1-0〇)までさかのぼります。CMFトーマスのInstagramでも調子の良さをうかがわせるような投稿もありました。

~成功例~
<前半7分>

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<前半23分>

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~失敗例~
<前半19分>

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〇中途半端なポジションが絶妙なOMF

 ここ最近はもうアーセナルの攻撃の中心として独特な存在感を発揮しているOMFスミス=ロウはこの試合でも得点こそ生み出さなかったが、いくつものチャンスを作り出しました。絶対的な存在になりつつありますが、前節の負傷交代と、冬の移籍市場でOMFオーデゴー(※ノルウェー語の発音が難しく、様々な発音表記があるかと思いますが、noteではオーデゴーで統一します。)を獲得したこともあり、今後もこのハイパフォーマンスを継続していけるかという新たな課題をクリアして欲しいところです。

 彼のポジショニングのセンスについて、彼のポジションは絶妙に相手に捕まらない位置を取り続けます。この試合ではマンチェスター・ユナイテッドの攻撃のキーマンがLSBショーのオーバーラップということで、左サイド(アーセナルから見て右サイド)の裏のスペースを早く攻略するが有効的であることは明白でした。そのサイドから攻撃することでLSBショーのオーバーラップを牽制する役割があることに加えて、CBマグワイアのカバーリングのスピード不足を突こうという意図があったに違いありません。
<前半21分>

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〇GKレノ神、降臨

<前半20分>
アーセナルは絶体絶命のピンチに陥ります。CKを弾き返したこぼれ球をCMFフレッジに拾われ、コントロールショットを打たれてしまいました。しかし、そこに立ちはだかったのは守護神of守護神GKレノ神、の降臨でした。
GKレノのこのシーンのスーパーセーブの驚異的な点は、

☆ヘディングに対応するため、ボールに正対する(1)
☆しゃがみ込み、バネを活かすための準備(2)
☆空中で体を伸ばし切り、指先でコースを変える(3)

(1)ヘディングに対応するため、ボールに正対する。

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(2)しゃがみこみ、バネを活かすための準備

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(3)空中で体を伸ばし切り、指先でコースを変える

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この3点だと思います。最初の2点はGKとしての基本ですが、当たり前のことを当たり前にする難しさは皆さん知っている通りです。細かなステップを踏むことで様々なタイミングにもチャレンジできるよう工夫がされています。しゃがみ込んだタイミングで少しタイミングがズレた感がありますが、空中で身体を伸ばし切り、指先でコースを変えるという神業をやってのけました。実際は彼の身体能力の高さもありますが、その身体能力を最大発揮できるような準備、日頃のトレーニングが現われていたと思います。

自分自身、プレーヤーだった時に、怪我が多く、プレーできない時にGKコーチと一緒に、GKの練習に付き合ったことがるので、その知識が少しでも役に立てばと、GKレノ神の視点を言語化してみました。

前半<マンチェスター・ユナイテッド>

〇不調?疲労?精彩を欠くBF
〇流動的なポジションCMFポグバ

〇不調?疲労?精彩を欠くBF

2020年のPLベストプレーヤーの1人に数えられるBFことOMFブルーノ・フェルナンデスですが、ここ5試合PLではゴールとアシストの関与はなく、加入後35試合19G14Aという偉大な記録を残した輝きは鳴りを潜めています。スールシャール監督は主力中の主力に頼り切っており、ターンオーバー制を採用せず、勤続疲労が溜まっているのでしょうか。

 本来の少ないタッチからフリーランで危険なゾーンに入り込む回数は片手で数えるほどでした。<前半33分>で迎えたチャンスは決めるべきシーンで、得意の左45°の角度から右足から放たれたコントロールショットは右に逸れてしまいましました。
 自身のプレーに精彩を欠いてイライラしていたのか、前半15分に愚行をしてしまいます。

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なんとCMFジャカのアキレス腱にスタンプ(踏みつけ)したのです。昨季のvsクリスタルパレスではLWGオーバメヤン、vsレスターでのCFエンケティアが同様なファールで1発退場に追い込まれ、勝ち点を落とした過去がある分、怨念が高まりました。

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無線でVAR審判と会話しているように見えましたが、映像を主審マイケル・オリバーが目視して確認するべきシーンでした。他にもLSBセドリックに警告が出たシーン、前半終了間際のCMFトーマスのファールを受けたシーン等、トップ選手と呼ぶにふさわしくない大げさな痛がり方と貧弱さでした。不調の沼から逃げ出せないねずみのような顔でした。

〇流動的なポジションのLSHポグバ

 本来彼、ポグバのポジションはCMFですが、ここ数試合はサイドでの起用が続いています。マンチェスター・ユナイテッドの攻撃の肝になるLSBショーのスペースを空けるために、インサイドに絞り、実質的にCMFの働きをしていました。また、彼のフィジカル能力の高さからサイドで起点を作る狙いもあったのでしょう、前半いくつもの起点となり、ボールの収めどころになるに加えて、効果的なサイドチェンジを使い分け、印象的な活躍を見せました。守備でもインターセプト3回とボールリカバリー5回と健闘したと思えます。

<前半29分>のプレーが光りました。CMF化したポグバが縦パスを受け手からターンで前を向きます。そのタイミングで逆サイドのRSHラッシュフォードはランニングを開始しており、DF陣はボールウォッチャーになっており、完全にマークを外していました。LSHポグバから素晴らしいボールがラッシュフォードの元に届けられましたが、LWGマルティネッリが見事なダッシュで間一髪ヘディングでクリアしました。1点を危機一髪で回避しました。

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後半<アーセナル>

〇RWGペペの守備における貢献
〇ビルドアップを制限する前からのプレス
〇堅固な守備ブロック

〇RWGペペの守備における貢献

 高額な移籍金に伴い、高い期待感を与え入団した彼は、もう今季に入り期待外れの選手の烙印を押されかけていました。しかし、ここ3試合連続で先発出場し、日進月歩の勢いで守備での貢献度が高まっています。ミケル・アルテタ監督が掲げている「チームへのコミットメント」を十二分に表現した形です。攻撃→守備の間の局面であるネガティブトランジションでは、ボールロスト後に即時奪還を目指し、激しプレスをかけるようになりました。
 おそらく、アカデミー出身の選手や若手の存在が大きいかもしれません。彼らはハングリー精神旺盛で、前線からのプレスを惜しまず、ミケル・アルテタ監督に重宝されると同時に、彼らの起用からアーセナルは不調を脱したといっても過言ではありません。その彼らの豊富な運動量と貢献度を感じたニコラ・ぺぺが改心し、守備での運動量を増したのかもしれません。

 デュエル勝利は両チームを通じて最多の7回、ボールリカバリー数も5回と大きな進歩と言えるでしょう。
 もちろん攻撃面での貢献もありました。得意の右サイドからカットインシュートを狙う姿はわかっていても止められない“アンストッパブル”な存在になりそうでした。LWGオーバメヤンが離脱しており、カウンターで最初に預ける存在になっていたため、彼も気持ちよくプレーできてたでしょう。まさにその姿はボールとダンスしているようでした。

〇ビルドアップを制限する前線からのプレス

 セインツ戦で手応えを掴んだかのように、前線からのプレスの精度も上がり、1つの武器になりつつあります。
 ファーストディフェンダーとなったCFラカゼットが限定をし、その意図を汲み取ったSMFであったウィリアン、ペペがサイドに追い込み、蓋をしました。OMFスミス=ロウは、相手のビルドアップのキーマンになる選手を監視しながら、コースの誘導に貢献しました。前線のプレスが上手くコースを誘導し、後方の守備陣が安定していることからも、CMFジャカ&トーマスのペアも自信をもってインターセプションやコースを詰めに行けました。連動したプレスは見ごたえがあり、機能美すら感じさせました。
<後半37分>

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〇堅固な守備ブロック

 CFカバーニやRSHラッシュフォードが決定機を外してくれたおかげもありますが、マンチェスター・ユナイテッドを完封したことは大きな自信になるでしょう。一時期、ミケル・アルテタ監督と不和が報じられたCBダビ・ルイスも鬼神のように立ちはだかりました。デュエル勝利は4回(80%)を記録し、甘い寄せは見る影もありませんでした。デュエル勝利時には笑顔もみせ、FKでもホームランにならずCKに繋げ、不安定なCBダビ・ルイスらしからぬ好調ぶりと集中力の高さでした。いわゆる、CBダビ・ルイスガチャはSSRでした。
 また、相棒のCBホールディングもアーセナルゴール前で壁となりました。デュエル勝利数4回(66%)、クリアが10回(ヘディング7回)、ボールリカバリー数6回を記録し、存在感を示し、ビッグマッチでの勝負強さが光りました。
前線からプレスをハメに行くことになったアーセナルに合わせるように、CBもしっかりと前から人を埋める守備を実行したことで、前線からプレスも効果的になりました。

後半<マンチェスター・ユナイテッド>

〇実は攻撃の肝LSBルーク・ショー
〇前進できないビルドアップ
〇ハリーの名を継ぐ者

〇実は攻撃の肝LSBルーク・ショー

 将来嘱望されていたLSBルーク・ショーが帰ってきたような気がします。若い頃所属していたセインツでは、香車のように縦1本で生きていくスタイルのSBでした。しかし数年の経験を積み彼は変わりました。(体型もwww)オーバーラップやインナーラップを適切な場面で使い分け、マンチェスター・ユナイテッドの大きな武器として存在感を放っていました。LSHポクバがインサイドに位置し、CMF化することによって、LSBであるルーク・ショーの目の前のスペースが空けられる構造となりました。
<後半13分>

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LSBルーク・ショーのインナーラップがマンチェスター・ユナイテッドの今日最大のチャンスを生み出しました。また、LSBルーク・ショーからパスを受けたCMFフレッジがワンタッチで叩いて、LWGマルシャルへ。そのマルシャルもLSBショーにパスを出し、シュート性の速いグラウンダーのボールをマークを外したCFカバーニに届けました。しかし、CFカバーニは珍しくシュートミスし、得点とはなりませんでした。

〇前進できないビルドアップ

マンチェスター・ユナイテッドの守備陣はボールタッチに秀でた選手がおらず、丁寧にビルドアップするよりも、CMFフレッジの縦パスが前進する唯一の手段だったかもしれません。加えて、CMFフレッジではなければ、LSBショーがビルドアップの出口になることが多く、アーセナルからすると制限のしやすい形でした。

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CBリンデレフ、マグワイアやな高度なパスやサイドチェンジを求めることは酷なような気がします。2枚のCMFはもちろんのこと、OMFブルーノ・フェルナンデスもよりボール前進に絡む必要があると思います。しかしながら、彼には得点に関与するミッションがあるので、ビルドアップにもゴールにも関与するのは現実的にメッシくらいしか出来ないので、2CB+CMFの状況を作り、3バック化しながらビルドアップすると改善するかもしれません。

〇ハリーの名を継ぐ者

“ハリー”といえば、この試合CBマグワイアが試合にでていました。問題が起こったのは試合終了間際のCFラカゼットとの競り合いでした。この構図どこかで見たことありますよね。

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そうです。スパーズの親玉CF”ハリー・ケイン”が良くやる競り方です。

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ヘディングの競り合いは両者が飛び、ぶつかり合いことが不文律で選手はジャンプします。しかしながら、片方がしゃがむような形をとると、勢い余ったもう片方は空中でバランスを崩し、落下してしまいます。落ち方によっては命の危険や、選手生命の危険、怪我の危険に晒されることになるため、そのような競り方は厳格に罰するべきであり、新たな規定を導入するべきです。

結果<アーセナルvsマンチェスターユナイテッド>0-0

得点者:なし

試合ハイライト

エピローグ

 終わってみれば0-0のスコアレスドローとなりました。実際にアーセナルにもマンチェスター・ユナイテッドにも得点チャンスがありましたが、両者決め手に欠いたという言葉がマッチする展開でした。スコアレスドローらしくない、戦術的な部分でも球際のデュエルの部分でも見応えのある熱い試合でした。かつてのロイ・キーン×パトリック・ヴィエラまではいきませんでしたが。一方で、このような均衡が保たれたゲームでも仕事が出来る選手が出てきてほしいと感じる展開でもありました。タラレバはタブーですが、RSHサカ、LSBティアニー、LWGオーバメヤンがいれば、、、と思いたくなります。
 14年ぶりのvsマンチェスター・ユナイテッドのシーズンダブルとはいきませんでしたが、これで3年間負けなしとなりました。ビッグ6の中でもかなり“お得意様“になりつつあります。スールシャール監督も、アルテタ監督に対する未勝利も伸びたことだし、これからもよろしくお願いします。

そろそろ「エジル、ピックアップモーメント」を更新したいところですが、ミッドウィークにはPL第22節vsウルブスも待っているので、そちらが先になりそうです。
 選手もタイトな日程ですが、それに合わせてnote更新もハードになります、、、

それではこのへんで、、、

ばいころまる~


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