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江戸の広告作法

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江戸の町人文化に華開いた、あの手この手の宣伝広告。 そこには「粋・洒落」などの美意識の中で洗練された広告の作法がありました。世界に類を見ない独創的なアイデアや表現を当館のコレクシ… もっと読む
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#江戸の広告作法

第10回「夏の団扇キャンペーン」

夏はちょっとうれしい、団扇(うちわ)のおまけ。江戸の女性たちのおしゃれアイテム、団扇(うちわ)! 夏になると街かどや店頭でおまけとして配られる広告物に団扇があります。商店街やイベントなどでプレゼントされる団扇は、ちょっとうれしいですね。いまや、日本の夏の風物詩の一つであり、また暮らしの必需品でもありますね。 そもそも団扇は江戸初めころ、京都伏見の深草が名産地でした。最初は割竹に白紙を貼ったままの作りでした。やがて絵や彩色が施され江戸の町にも広がり、庶民の暮らしの中に定着して