何も起こらない日【会社哀愁歌_高林部長with芳一Ver.】|短編小説

高林部長は、始業時間の3時間前に会社に着いた。

流石にまだ誰も来ていないと思ったが、芳一君がすでに出社している。

午前中は何事もなく過ぎた。


午後も何事もなく過ぎた。


終業時間になった。ちらほら皆帰り始める。

今日一日、何事もなく過ぎた。

いや、まだわからない。

まだ残業している者もいる。


‥‥‥


‥‥‥


みんな帰ってしまった。


半分消灯された室内を見渡すと、芳一君が大きなカバンを持ってポツンと1人デスクに座っていた。彼は今日オールバックだ。


君も気合を入れてチョコを待っていたんだね。
今日はバレンタインデーだもんね。



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