ねえさん【会社哀愁歌_舞香Ver.】|短編小説
私には、アブラが乗っている。
高木舞香(36)は毎日分刻みのスケジュールを朝飯前にこなしていた。
仕事が楽しい。若い頃は辛いと思うことの方が多かったが、この歳になってようやく仕事が楽しいと思えるようになった。
自分のアイディアが形になる喜びを知り、一生懸命歯を食いしばって頑張ってきた事が無駄じゃなかったと実感している。
頼られることも多くなり、周りからは「ねえさん」と呼ばれるようになっていた。
仕事が順調だからといって、万事オーケーで悩みがないわけではない。もちろん私だっ