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映画『AIR』感想

監督ベン・アフレック、主演マット・デイモン。エアジョーダン誕生の裏側を描く物語。バスケ好き、スニーカー好きはもちろん、企業内外にわたる交渉に次ぐ交渉の連続で契約を勝ち取るまでのやり取りはビジネスにあまり縁のない人でもきっと面白いと思ってくれそうな質の高い映画でした。以下、ネタバレ(spoiler)あり感想です。と言っても果たしてナイキはマイケルジョーダンと契約できるかどうか!?なんていう話にネタバレも何もないわけなので、あまり関係ないです。

◆オープニング、ダイアー・ストレイツのMoney for nothing.この映画、使用料いくら払ったのか心配になるほど最後まで80年代のヒット曲かかりまくります
◆しかも選曲にしっかり意味を持たせていて、My adidasは言うに及ばず、車に乗ってる(motoring)時にSister Christian、返事を待っている(I’ll be waiting)時にTime after Time
◆さながら音楽劇。全部はわからないけど
◆それにしてもナイトレンジャーとは…懐かしすぎて涙出る
◆ブレイクダンスやゴーストバスターズ、ジョージ・オーウェルなど1984年の時代背景を短く濃く紹介していくくだり。リアルタイムではない世代だが楽しいな
◆「これくらい諦めない男が息子さんには必要だ」の口説き文句。そう言われると誰でもグッと来ちゃうな
◆代理人フォークの次から次に飛び出るトラッシュワード爆笑
◆ピーター・ムーアのつい早口になるオタクキャラいいね。『ドント・ルック・アップ』のディカプリオみたい
◆個人が企業の顔になる製品を作るのではなく、その人格そのものを靴にするみたいなことを言っていたけど、そのアテンプトがいかに正しかったか。そしてAJ1がいかに正しくそれを具現化したものであったか。エアジョーダンが今に繋がるブランドになっていることがその証左だ
◆たとえばレブロンの靴が今後こんなにプレミア化する未来はないと断言できるもんね
◆結末をわかって観てるから、反対してるやつバカなの?しのごの言わずに契約してしまえ!とか思っちゃうよね
◆企業側の言い分めっちゃわかる。そりゃそうだよ
◆個人レベルで例えればひとつの株に資産フルベットなんて狂気の沙汰。絶対真似しちゃだめ
◆ポートフォリオ考えな
◆NIKEの社名にもエアジョーダンという名前にもスウッシュにもさしてピンと来てないが「じきに馴染むだろう」で済ませる男フィル。それは自分が雇った仲間を信じていることの裏返しでもある
◆そしてソニーを信じてすべてを賭ける。アツい男なのだ
◆TOM CAT的なサングラスも決まってるぜ!
◆パパジョーダン役の人そっくり!
◆母親の最後の収益分配の話はハラハラドキドキ。しかしあの主張は金儲け根性からくるものではなく、有色人種として正当な権利を行使することの意味を問うやり取りであったのだとわかる
◆AJ1のモックを制作段階では劇中に登場させず、ためてためてプレゼンの席でドーンと見せられるとやはり感動。当時の人があの革新的なカラーのバスケットシューズを初めて見た時の驚きがよくわかった
◆キング牧師の原稿まじで持ってたのかよ


おまけ:AJ1を産んだピーター・ムーアからデザインを引き継いだのがいわゆる“ビジブルエア”ソールを発明したティンカー・ハットフィールド。彼に密着したNetflix『アート・オブ・デザイン』シーズン1EP2は必見です。こっちにはジョーダン本人も出てるよ!

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