いたいのいたいの、とんでゆけ 三秋 縋 を読んで

僕はとても単純な人間だと思う。そして恵まれている。つい最近別れた彼女の事で泣くことが出来る。今飼っている犬の死を想像して感傷に浸ることも出来る。

この本を読むきっかけは特になく惰性に人生を費やしている中で、中学生のころ読んだ本を思い出したからである。あの頃の自分は何をするにも自分が正しいと思い込み上手くいっている人間を妬みを隠して否定していた。そんな時に出会ったのが三秋縋の著書である【三日間の幸福】だった。あの本を読んで自分は変わったと言っても過言ではないだろう(今の自分はそんな時とはかけ離れているが…)。
そんなことがあって最近活字離れの激しい生活を送っていた自分が本屋に見かけたこの本の作者はとても懐かしく感じたのだ。

読んでみるとなんとも言えない気持ちとともに自分自身の単純さを感じた。自分はこの少女のような人生を送ることは出来ないし少年のような優しさも持ち合わせてはいないが、死にたいとさえ思ってた人生に待ったをかけてくれた、自分にとってはそんな気にしてくれる一作だった。

ストーリーとしても流石としか言えない作品で最後の伏線回収や対比などには思わず笑みが出てしまうほどだった。
自分はあらすじや内容の要約をするのは得意では無いのでこんな事しか書くことが出来ないが読んだら思わず読み切ってしまう一冊だったと思う。

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