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記憶にございません(記憶喪失)。

コレはある。マンガの中だけの話ではない。

何故なら私自身が人生において2度、記憶を失くしているから。


1度目は幼稚園入園前。

幼稚園に行く練習をしている際に信号のない交差点で車に轢かれたらしい。
子供の頃のことなんて覚えてなくて当たり前、じゃなくて私の人生の始まりは運ばれた病院のベッドから。それ以前の事は全く覚えていないことを、その頃にしっかり認知していた。親も妹弟も。


2回目は高校3年の文化祭の日。

当時、チャリ通をしていたのだけれど文化祭の終わった帰り道。
交差点で赤信号を無視してきた(よくあるギリギリで行っちゃえ的な)白いライトバンとアウトで競った瞬間だけは覚えている。気が付いた時は翌朝、自分の布団の中で・・・それまで何をしていたのか、全く覚えてなかった。

コレは少しずつ記憶も戻ってきたのだけれど事故当初、私を引いた人間は逃げずに介抱するフリをしたらしい。そして『アンタも悪い』と言い残して、手持ちの6,000円を握らせて、その場を立ち去った。男性だったとは思うけれど顔は出てこない。警察は示談が成立していると動かず、その場に2時間くらい蹲っていた私を近所の人が自宅まで連れてきてくれたらしい。

偶然その日が文化祭の日だったから写真とか残っていたのだけれど、自分の知らない自分が写っていて、でもやっぱり思い出せなくて・・・友達が言うにはその日から性格も変わったらしい。軽くなったと。


さて、記憶が失くなるとはどういうことか?

これも仮説だけれど、私が死んでいないという並行世界に来てしまったんじゃないのかなと考えてみたりする。事故は確かにあったのだろうけれど、死に至るまでの記憶は消去してなかった事にしてしまう。
そうすることで私が生きているという世界を脳の中に作り出す。もちろん死んでしまった世界だって存在している。

それが記憶喪失。

覚えていない。記憶が消去されたのだから死んでいない。

ま、仮説に過ぎないのだけれど。


一番怖いのは失った記憶を取り戻す代わりに、今の記憶を失くす事かな。
死ぬ寸前に5歳くらいに戻っちゃって・・・走馬灯の代わりに・・・
え? 人生、もう終わり? みたいになっちゃうの。


つづく。