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SS(創作小説)

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あなたたちなんて知らない

あなたたちなんて知らない

僕は、昔からおじいちゃんっ子だった。
というよりも、身寄りがおじいちゃんしかいなかった。

おじいちゃんは、いつも僕にお菓子をくれた。
サクサクした生地をチョコレートで包んだお菓子や、甘いスルメのようなお菓子に、プリンやおまんじゅう。
おじいちゃんは、毎日お昼ごはんと晩ごはんの間に、僕にお菓子をくれた。
お菓子を頬張る僕を、おじいちゃんは優しそうな目を細めて、ニコニコしながら見守ってくれていた。

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しーちゃん

しーちゃん

その男はいつも、ゴミ屋敷のような車で来る。
コンビニ弁当のトレー、腐った中身が残ったカフェオレの紙パック、何に使ったのかも分からないティッシュの山が、宝物のように車内に埋め尽くされていた。
ところどころ謎のシミがあるシートに、手垢がべったりのハンドルに、砂埃や鳥の糞でやや見づらいフロントガラス。
大きな体を窮屈そうに精一杯小さくして、異臭を放つゴミだらけの車内に乗り込んで、その男はやってくる。

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髀肉の嘆

髀肉の嘆

恋人と同棲している今の賃貸マンションには、上の階の方に子持ちの一家が住んでいる。

でも、面識はない。
そして、顔も知らない。
それなのになぜ、子供がいるのが分かるのか。

それは、平日の朝から夕方までの間。
週に何度か――子供の尋常じゃない叫び声が聞こえるから。

僕の仕事は、いわゆるフリーランスだ。
在宅の仕事がメインだから、平日も休日も関係なくほとんど家にいる。
恋人の仕事はスポーツジムのイ

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