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リーグ中断期間だからこそ

新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、Jリーグは3月18日までの試合延期を発表していたが、リーグ戦を再び延期し4月3日からの再開を目指す方針を決めた。

昨今の社会情勢を踏まえ、すべての人の健康を考えれば仕方のないことだろう。Jリーグ側も感染予防のために最善の措置を取った。苦汁の決断を下したことは間違いない。

この結果、ジェフユナイテッド市原・千葉の再開初戦は4月4日・ホームでの愛媛FC戦となった。チームにとっては開幕戦を1-0で勝ち、最後まで粘り強く戦い、ひた走る基本姿勢が実ったことで自信を掴んだだけに非常に残念な中断期間となる。ピッチに立つ選手にとっては1カ月以上、公式戦から離れることになり、コンディションやモチベーションの維持に苦労することも予想もされる。

その中、再開に向けて調整を続ける堀米勇輝は「特に何も感じていません。やることは変わらないので、今やれることをやるだけですし、サッカーが出来ているだけでも良い状況なので感謝をして続けていきたいですね」と話した。

また安田理大は「(中断期間)元気よくやっていきたいです。スポーツが与える影響は大きいし、再開後に良い結果を残して千葉県の皆さんに元気を与えたいと思っています。メドが立たないのは精神的に難しいのですが切らさずやり続けたいですね」と停滞感を吹き飛ばす。そして「怪我人も戻ってきますし、チームも熟成すると思います。良い方向に捉えて頑張ります」と続けた。

ただ、3月19日のJリーグ臨時執行委員会において降格はなし、昇格は実行される予定だと発表された。(全日程の75%以上の試合を消化できた場合、J2、J3ともに上位2チームは自動昇格。今季18チームのJ1は来季20チームで臨み、4チーム降格として22年シーズンは18チームに戻すことになる見込み。仮に実施試合数が同75%を下回った場合は、昇格クラブなしとする模様)

平日のナイター開催が増え、連戦の連戦になることも予想されるが「チーム全員で戦って、誰が出ても同じサッカーが出来るようにコンディションとプレーの質を上げていければ大丈夫」と安田は言う。

現在、非公開練習が続くなか、メディア公開日が設けられており、そこで筆者が見る限り、チームの雰囲気はとても良い。シュート練習でもチームメイトが決めれば「ナイス!」という声が響き、居残り練習で汗を流す選手も多い。何よりも尹晶煥監督を迎え、チームも新しい選手が加入し気持ちを新たにフレッシュな気持ち、今年はやるぞという気概を感じる。

また、開幕戦で浮き出た”重心が後ろに偏った時の攻撃”という課題の修正に取り組み「守備面の切り替えも速くなってきました。まだ守備に回る時間が多く上手く攻撃に繋げられませんが、中断期間に取り組めているので上手くなっていく自信はあります」(安田)と強調した。

奪ったボールを前に付けて、そこから中盤の選手が出て行くことがチームとして狙いの一つ。サッカーは判断が数秒遅れるだけでも、相手にスペースを与え、決定的なピンチを作られてしまう。当然、高いレベルになれば状況判断の遅さは致命傷と成り兼ねない。そこで選手は素早い決断と予測で次のプレーへ移行することが重要となる。

堀米は「監督のサッカーを理解して、ボールを奪える位置を高くすれば自然とみんなの位置も高くなるのでしっかりとスペースを埋めて押し出していきたいです」と話した。

課題の克服と戦術の深化ーーー。チームはこの中断期間を無駄にすることなくポジティブに捉え前に進んで行く。壁を乗り越えても新たな壁があると考え、さらに超えて行こうとする。まさに挑戦である。

安田は、今シーズンの挑戦を口にする。「皆さんにはチームの勝つ姿を見せたい。ホームで負けることはありえないと思っています。ホームで勝つチームを作りたいですし、その雰囲気があれば強いチームになります。尹監督のもと、チーム全員でやるサッカーをしているので、必死に戦って勝点3を取るサッカーを見て欲しいです」

最後まで諦めず挑戦を続けた先にこそ、つかみたい頂点がある。

第2の開幕戦に期待が高まる。




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