虫のいどころ(冬)
寒いなあと思い始めた頃、誰かの家の壁や木にぶら下がっている彼らが視界に入っていた。
小さい頃みたテレビか本で、細かく切った折り紙を身体にくっつけて家づくりをしていた。手近にあるものをかき集めできた家は、とても愛らしかった。人間から見ると小さくてのんびりしてるけど、到底マネできない技を本能でやってるから昆虫ってすごいなあと思う。
風が吹くとピロピロと揺れるミノムシ。そういえば最近見かけない気がする。
(みえていないだけかもしれない。)調べてみると、どうやら絶滅危惧種らしい。
あたりまえは絶対ではない。ここ何年かそう感じる機会が多い。そこら辺にいた生き物も、昨日まであったお店も、大切な人もいつかは目の前からいなくなってしまうけれど、終わりではないことにも気づいた。
あたりまえだと思っていた日常を、いつまでも覚えていたい。
〜余談〜
実家の周りを散歩していたらミノムシに出会えた。やっぱり愛しくなった。春にはオトナになった君に会えるかな
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