見出し画像

『無気力の心理学』

「やりたいこと」がない子を考える(20)

波多野誼余夫、稲垣佳世子『無気力の心理学 やりがいの条件』(中公新書1981)では、学校の制度に関わる記述があります。
著者は、無気力な子どもたちが量産されている現象を「獲得された無気力」と「効力感」という二つの概念で説明しようとします。
「獲得された無気力」とは、いくら努力しても問題を解決できないと認知した時に獲得される諦めの状態のことです。
対して「効力感」とは、「努力すれば好ましい変化を達成できる」という見通しを持ち、意欲的に環境に働きかける状態のことです。
したがって、人間の無気力をなくす方向は基本的に二つしかありません。
「無力感を減らす」か「効力感を増やす」か。
このどちらかです。
前者はマイナスを0に近づけるイメージ、後者は0を超えてプラスにしていくイメージです。
さて、この観点から現在行われている学校の制度改革をみてみましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?