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捨てるなら、今日しかない

今日は早起きしてゴミの分別をした。破砕選別ゴミ、有害危険ゴミ、廃食用油の収集日だからだ。なかでも廃食用油は、ゴミ処理場への持ち込みができない。捨てるなら、今日しかない。

いつもうっかりして収集日を逃してしまう。だからこれらのゴミが溜まっていた。今日こそはと張り切って起きた。時間は限られている。朝8時までに指定のゴミ置き場に持ち込む必要がある。

指定のゴミ置き場といっても町内のそれだから歩いて2~3分だ。距離よりも雨が気になる。降らなければいいが。そんなことを思いながらゴミの分別をはじめたのは7時前だった。

市が配布しているガイドブックを手に分別をはじめた。ゴミの分類が難しい。ややこしい。その他プラ製容器包装なるゴミと破砕選別ゴミの区別がつかない。埋立ゴミになるものは何だ。有害危険ゴミの取り扱いに戸惑う。廃食用油はどうしたらいいんだ。

いちいちわかない。その都度、ガイドブックを開く。もう何十年も分別をやってきたはずなのにそれでもわからない。イライラするけどやらなくちゃはじまらない。捨てられない。

そして7時45分。何とか今日の破砕選別ゴミ、有害危険ゴミ、廃食用油の塊はできた。指定ゴミ置き場は歩いてすぐの距離だが雨が降ってきた。それにひとりで持って運べる量じゃない。

車のトランクに汚れないように古新聞を敷き詰めて、破砕選別ゴミ、有害危険ゴミ、廃食用油を積む。ゆっくりとゴミ置き場に向かう。既に何軒かはゴミ出しを済ませている。

僕もまた車から破砕選別ゴミ、有害危険ゴミ、廃食用油を降ろし、指定の箱に入れる。全部持って行ってくれればよいが、分別が間違っていて積み残されたら厭だな。そんなことが以前あった。心配がよぎる。

車のトランクにあったゴミをすべて降ろす。慌ただしかった気持ちがここで少し落ち着く。

そして僕は、トランクを静かに閉めてから車に乗り込んだ。 781文字


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